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YouTube広告の広告視聴単価(CPV)を下げる9の方法

YouTube広告

  • 2025年7月25日
  • 2025年7月21日
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YouTube広告の広告視聴単価(CPV)とは

YouTube広告の運用を検討する際、必ず目にするのが「広告視聴単価(CPV)」という指標です。CPVは、広告の費用対効果を測定し、キャンペーンを最適化する上で非常に重要な役割を果たします。

CPVの基本的な意味と計算方法

CPVとは「Cost Per View」の略語で、日本語では「広告視聴単価」と訳されます。その名の通り、動画広告が1回視聴されるたびにかかる費用を示す指標です。CPVが低いほど、より少ないコストで多くの視聴回数を獲得できていることになり、広告が効率的に運用されていると判断できます。

CPVは、次の簡単な計算式で算出されます。

計算式:広告費用の合計 ÷ 広告の総視聴回数 = 広告視聴単価(CPV)

例えば、広告費用として10万円を使い、広告が5万回視聴された場合、CPVは「100,000円 ÷ 50,000回 = 2円」となります。このCPVを定期的に確認することで、広告クリエイティブのパフォーマンスや、設定したターゲティングが適切かどうかを評価できます。

CPV課金が適用されるYouTube広告の種類

YouTubeには様々な広告フォーマットが存在しますが、すべての広告がCPV課金方式を採用しているわけではありません。CPV課金が主に適用されるのは、以下の広告種類です。

広告の種類主な表示場所視聴(課金)の定義
スキップ可能なインストリーム広告動画コンテンツの再生前後や再生途中30秒以上の視聴(30秒未満の動画は最後まで視聴)、または広告に対する操作
インフィード動画広告YouTubeの検索結果、関連動画の横、ホームフィードなどユーザーがサムネイルをクリックして動画を再生
YouTube ショート広告YouTube ショートフィードの動画と動画の間10秒以上の視聴(10秒未満の動画は最後まで視聴)、または広告に対する操作

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YouTube広告の平均広告視聴単価(CPV)の相場

YouTube広告の運用を始めるにあたり、多くの方が気になるのが広告視聴単価(CPV)の相場ではないでしょうか。

自社のCPVが高いのか低いのかを判断したり、広告予算を策定したりするためには、一般的な目安を把握しておくことが大切です。ただし、CPVは様々な要因によって変動するため、あくまで参考値として捉えましょう。

業界やターゲティング別の平均CPV

YouTube広告のCPVの平均相場は、一般的に1再生あたり3円~20円程度と言われています。しかし、これはあくまで目安であり、広告を出稿する業界や設定するターゲティングによって大きく変動します。

業界カテゴリ平均CPVの目安特徴
金融・不動産・保険15円~30円顧客獲得単価が高く、多くの企業が広告を出稿するため、競争が激しくCPVが高騰しやすい業界です。
美容・コスメ10円~25円トレンドの移り変わりが速く、インフルエンサーを起用した広告も多いため、競争が激しい市場です。
人材・教育8円~20円ターゲット層が比較的明確ですが、専門性の高いサービスほど入札単価が上がる傾向にあります。
BtoB・ソフトウェア5円~15円ターゲットとなる母数は少ないものの、1件あたりのコンバージョン価値が高いため、入札が強まるケースがあります。
エンタメ・ゲーム3円~10円幅広い層にアプローチしやすく、視聴されやすいため、比較的CPVは低い水準に収まることが多いです。

YouTube広告の広告視聴単価が決まる仕組み

YouTube広告の広告視聴単価(CPV)は、単純に入札した金額だけで決まるわけではありません。広告が表示されるたびにGoogle広告のシステム内で「オークション」が開催され、複数の要素が複雑に絡み合って最終的な単価が決定されます。

広告ランクとオークションの関係

YouTube広告の掲載順位と、実際に支払う広告視聴単価(CPV)は、「広告ランク」というスコアによって決まります。広告ランクは、広告主が設定した上限CPV(1回の視聴に対して支払ってもよい上限金額)と、広告の品質を示す「品質スコア」を掛け合わせて算出されます。

広告ランクが高い広告ほど、オークションで有利な位置(上位)に表示されやすくなります。重要なのは、たとえ上限CPVの入札額が低くても、品質スコアが高ければ広告ランクで競合を上回り、結果として低いCPVで広告を配信できる可能性がある点です。

実際に支払うCPVは、自分の一つ下のランクの広告主の広告ランクを、自身の品質スコアで割った金額に0.01円を加えたものになります。この仕組みにより、品質の高い広告はより低い単価で配信できるのです。

広告ランクと実際のCPVの計算例
広告主上限CPV入札単価品質スコア広告ランク
(入札単価 × 品質スコア)
実際のCPV
(次点の広告ランク ÷ 自身の品質スコア + 0.01円)
A社10円101008.01円 (80 ÷ 10 + 0.01)
B社20円48010.01円 (60 ÷ 4 + 0.01) ※A社に敗北
C社15円460– (B社に敗北)

上の表を見ると、B社はA社よりも高い入札単価を設定していますが、品質スコアが低いため広告ランクでA社に負けています。そして、勝利したA社が実際に支払うCPVは、上限の10円ではなく、B社の広告ランクを基に計算された8.01円となります。

広告の品質が広告視聴単価に与える影響

オークションの仕組みから分かるように、CPVを抑えるためには「品質スコア」の改善が極めて重要です。品質スコアは、広告がユーザーにとってどれだけ有益で関連性が高いかを示す指標であり、主に以下の要素で評価されます。

  • 動画の視聴率(VTR – View Through Rate): 広告が表示された回数に対し、視聴された回数の割合です。視聴率が高いほど、ユーザーがその広告に関心を持っていると判断され、品質スコアが向上します。
  • 広告クリエイティブとターゲットの関連性: 配信ターゲットとして設定したオーディエンスの興味や関心と、動画広告の内容がどれだけ一致しているかが評価されます。ターゲットが求める情報や共感する内容を届けることが大切です。
  • ランディングページの品質: 広告をクリックした先のウェブサイト(ランディングページ)の利便性も評価対象です。ページの読み込み速度、コンテンツの分かりやすさ、モバイル端末での表示最適化などがチェックされます。
  • アカウントの過去の実績: これまで運用してきたGoogle広告アカウント全体のパフォーマンス履歴も評価に影響します。継続的に質の高いキャンペーンを運用することで、アカウント自体の評価が高まります。

ターゲティング精度と競合性がCPVを左右する

広告の品質に加えて、「誰に」広告を配信するかというターゲティング設定と、その市場の「競合性」もCPVを変動させる大きな要因です。

まず、ターゲティングの精度が高いと、広告に興味を持つ可能性の高いユーザー層に効率的にアプローチできるため、視聴率(VTR)が向上しやすくなります。これが品質スコアの改善につながり、結果としてCPVが下がる好循環が生まれます。逆に、ターゲットを広げすぎると無関心なユーザーにも広告が表示され、視聴されずにCPVが高騰する原因となります。

次に、競合性です。自社と同じオーディエンス層を狙う競合他社が多いほど、オークションの競争は激化し、入札単価は上昇する傾向にあります。例えば、金融、不動産、美容などの人気業界や、年末商戦、新生活シーズンといった特定の時期は、多くの企業が広告出稿を強化するため、CPVが高騰しやすくなります。自社が参入する市場の競合状況を把握し、あえて競争の少ないニッチなオーディエンスを狙うといった戦略も、CPVをコントロールする上で有効な手段です。

YouTube広告の広告視聴単価(CPV)を下げる9の方法

YouTube広告の広告視聴単価(CPV)は、さまざまな要因によって変動します。しかし、いくつかのポイントを押さえて広告運用を改善することで、CPVを抑制し、広告費用対効果を高めることが可能です。

方法1 ターゲティング設定を最適化する

CPVを下げる上で最も重要な要素の一つが、ターゲティング設定の最適化です。広告を表示するユーザー層を適切に設定することで、無駄な広告表示を減らし、関心の高いユーザーに効率よくアプローチできます。結果として、視聴率が向上しCPVの低下につながります。

方法2 視聴維持率の高い動画クリエイティブを作成する

動画クリエイティブの質は、視聴者の行動を左右し、CPVに大きな影響を及ぼします。ユーザーが「もっと見たい」と思うような魅力的な動画は、視聴維持率が高まり、Googleの広告システムからも高く評価されます。その結果、広告の品質が向上し、CPVが下がる傾向にあります。

方法3 広告表示オプションをフル活用する

広告表示オプションは、動画広告に追加情報を表示できる機能です。サイトリンク表示オプション、コールアウト表示オプション、構造化スニペットなど、設定できるものは積極的に活用しましょう。

広告表示オプションを設定すると、広告の画面占有率が高まり、ユーザーの目に留まりやすくなります。これにより、広告のクリック率(CTR)や視聴率の向上が期待できます。CTRや視聴率の向上は、広告の品質スコアを改善する要因となり、結果としてオークションで有利に働き、CPVの低下につながる可能性があります。

方法4 目的に合った入札戦略を選択する

YouTube広告では、キャンペーンの目的に応じて様々な入札戦略を選択できます。CPV課金のキャンペーンでは「上限広告視聴単価(上限CPV)」が基本ですが、必ずしもこれが最適とは限りません。

キャンペーンの最終的な目標(KGI)に合わせて入札戦略を見直すことで、結果的にコスト効率が改善することができます。

入札戦略特徴最適なケース
上限広告視聴単価(上限CPV)1回の視聴に対して支払う上限額を設定する手動入札。視聴単価を直接コントロールしたい場合。ブランド認知度向上目的。
コンバージョン数の最大化設定した予算内でコンバージョン数が最大になるように自動で入札を調整。コンバージョン獲得が目的で、CPAよりも件数を重視する場合。
目標コンバージョン単価(tCPA)設定した目標CPAを達成できるように自動で入札を調整。コンバージョン単価を一定の水準に保ちながら獲得数を増やしたい場合。

方法5 フリークエンシーキャップを設定し無駄な配信を減らす

フリークエンシーキャップとは、同一ユーザーに対して広告を表示する回数を制限する機能です。同じ広告を何度も見せられると、ユーザーは不快感を覚え、ブランドイメージの低下につながりかねません。また、一定回数以上表示しても、クリックや視聴の可能性は頭打ちになります。

フリークエンシーキャップを設定することで、このような無駄なインプレッション(表示)を減らし、広告費の浪費を防ぐことができます。関心のないユーザーへの過剰なアプローチが減るため、結果として全体のCPVが安定、または改善される効果が期待できます。キャンペーン単位で「表示回数」または「視聴回数」を「1日」「1週間」「1か月」といった期間で設定可能です。まずは「1週間に5回まで」のように、緩やかな設定から試してみましょう。

方法6 広告とランディングページの関連性を高める

動画広告をクリックしたユーザーが訪れるランディングページ(LP)の質も、間接的にCPVへ影響します。広告の内容とLPの内容に一貫性がないと、ユーザーは「思っていたのと違う」と感じ、すぐにページを離脱してしまいます。

このようなユーザーの行動は、Googleのシステムによって「広告とLPの関連性が低い」「ユーザー体験が悪い」と判断され、広告の品質スコアが低下する原因となります。品質スコアが下がると、同じ広告枠を競合と争う際に不利になり、CPVが上昇することにつながります。動画広告で伝えているメッセージやデザイン、オファー(特典)などをLPにも反映させ、一貫性のあるスムーズなユーザー体験を作り出すことが重要です。

方法7 品質スコアの改善に取り組む

品質スコアは、広告の品質を10段階で評価する指標であり、広告ランクを決定する上で入札単価と同じくらい重要な要素です。品質スコアが高ければ、低い入札単価でも広告が上位に表示されやすくなり、結果としてCPVを抑えることができます。

品質スコアは主に以下の3つの要素で決まります。

  • 推定クリック率(視聴率):広告が表示された際に、ユーザーがクリックまたは視聴する可能性の高さ。魅力的なクリエイティブや的確なターゲティングで改善できます。
  • 広告の関連性:広告がターゲットユーザーの興味や関心とどれだけ一致しているか。オーディエンス設定やプレースメント除外で改善できます。
  • ランディングページの利便性:LPの読み込み速度、操作性、コンテンツの質など。広告との一貫性を保ち、ユーザーが求める情報にたどり着きやすいページ作りで改善できます。

方法8 成果の低いキャンペーンや広告グループを停止する

広告アカウント全体で見たときに、一部の成果の悪いキャンペーンや広告グループが、全体の平均CPVを押し上げているケースは少なくありません。定期的にパフォーマンスレポートを確認し、成果指標を精査する習慣をつけましょう。

具体的には、CPVが他のキャンペーンに比べて著しく高い、あるいはコンバージョンが全く発生していないにもかかわらず予算を消化し続けているキャンペーンや広告グループは、思い切って一時停止または停止する判断が必要です。そして、そこで浮いた予算を、成果の良いキャンペーンに追加で投下することで、アカウント全体の広告費用対効果を劇的に改善させることができます。

方法9 除外キーワードや除外オーディエンスを定期的に見直す

ターゲティング設定と合わせて行いたいのが、除外設定の見直しです。これは「誰に配信しないか」を定義する作業であり、無駄なコストを削減する上で非常に効果的です。

広告視聴単価を下げる際の注意点

YouTube広告の運用において、広告視聴単価(CPV)を下げることは費用対効果を高める上で重要な施策です。しかし、CPVの数値を下げることだけを目的としてしまうと、かえって広告全体の成果を悪化させる危険性もはらんでいます。

ここでは、CPVの最適化を目指す際に心に留めておくべき注意点を2つの側面から解説します。

CPVの低さだけを追求するリスク

広告視聴単価(CPV)が低いということは、一見すると効率の良い広告配信ができているように思えます。しかし、その背景にはいくつかのリスクが潜んでいる可能性があります。CPVの数値だけを見て判断するのではなく、なぜその数値になっているのかを多角的に分析することが大切です。

CPVの低さを追求することで起こりうる主なリスクは次の通りです。

リスクの種類具体的な事象ビジネスへの影響
機会損失CPVを抑えるためにターゲティングを過度に絞り込んだ結果、本来であれば商品やサービスに興味を持つ可能性があった潜在顧客層へ広告が届かなくなる。将来の顧客となる層へのアプローチ機会を失い、長期的な事業成長の妨げとなる可能性があります。
コンバージョン単価(CPA)の高騰視聴はされやすいものの、購買意欲の低いユーザー層にばかり広告が配信される。結果として、ウェブサイトへのクリックや商品の購入にはつながらず、CPVは低くてもCPAは高くなってしまう。広告費は消化されるものの、最終的な売上や利益に結びつかず、広告キャンペーン全体の費用対効果が悪化します。
ブランドイメージの毀損視聴回数を稼ぐことだけを目的とした、扇動的で質の低い動画クリエイティブを配信してしまう。また、自社のブランドイメージと合わないウェブサイトやチャンネル(プレースメント)に広告が表示されてしまう。ユーザーにネガティブな印象を与え、長期的に築き上げてきたブランドの価値を損なう恐れがあります。

最終的な目標(コンバージョン)とのバランスを考える

広告を配信する最終的な目標は何でしょうか。多くのビジネスにとって、それは商品やサービスの購入、問い合わせ、資料請求といった「コンバージョン」の獲得であるはずです。CPVの最適化は、この最終目標を達成するための手段の一つに過ぎません。

たとえCPVが相場より多少高くても、その広告が質の高いユーザーに届き、結果としてコンバージョン単価(CPA)や広告費用対効果(ROAS)が優れているのであれば、その広告は成功と評価できます。逆に、どれだけCPVを低く抑えられても、コンバージョンが一件も発生しないのであれば、その広告活動は意味をなしません。

広告キャンペーンの目的に応じて、どの指標を最重要視すべきかを明確にしましょう。

キャンペーンの目的最重要視すべき指標(KGIの例)注目すべき中間指標(KPIの例)
新商品の認知度向上リーチ数、ブランド認知度のリフト率インプレッション数、視聴回数、広告視聴単価(CPV)、インプレッション単価(CPM)
見込み顧客の獲得コンバージョン数(問い合わせ・資料請求)、コンバージョン単価(CPA)クリック率(CTR)、ウェブサイトへのセッション数、コンバージョン率(CVR)、CPV
ECサイトでの商品販売売上金額、広告費用対効果(ROAS)コンバージョン数(購入)、コンバージョン単価(CPA)、コンバージョン率(CVR)、CPV

まとめ

今回の記事では、広告視聴単価(CPV)を下げる9の方法をご紹介しました。

YouTube広告の広告視聴単価(CPV)を正しく理解し、最適化することは広告効果を最大限に引き出すために不可欠です。CPVはターゲティング精度や動画クリエイティブの品質など、様々な要因で変動します。

そのため、本記事で解説したターゲティングの最適化や広告表示オプションの活用、入札戦略の見直しなどを実践することが重要です。しかし、単にCPVの低さだけを追求すると、最終的なコンバージョン獲得から遠ざかることも少なくありません。

今回の記事を参考にYouTube広告の最適化をおこなってみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

平井 和貴

平井 和貴

株式会社FORCLE 平井です。デジタルマーケティング業界5年以上。メインはリスティング広告、ディスプレイ広告、Google Analytics分析、MEO対策を担当しております。WEBデザインの勉強中。。。