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海外広告に向けて広告を配信しよう ~国別のクリエイティブ戦略~

WEBマーケティング

マーケティング手法

  • 2025年11月6日
  • 2025年11月6日

前回(海外に向けて広告を配信しよう ~広告の設定編~)の続き、そして4部作最後の投稿です。

「自社の商品を海外で売りたい!」そう決意しても、日本のクリエイティブをそのまま翻訳するだけでは、現地のユーザーには響きません。なぜなら、国ごとに「響く言葉・色・デザイン・フォント」がまったく違うからですね。

海外広告の成功は、配信設定だけでなく、「クリエイティブのローカライズ化(現地最適化)」にかかっています。特に、近年のSNS利用が当たり前になっている時代において、SNS広告攻略はもはや必須といっても過言ではありません。そして、SNS広告ではクリエイティブは正に命といっても良いでしょう。

そこで今回は、あなたの広告が現地で「刺さる」ための具体的なデザインと表現の戦略を解説します。

国ごとに違う広告表現の傾向

これまでご紹介してきた通り、世界には多様な文化があり、それは広告に対する反応にも如実に表れます。主要な地域で好まれるメッセージのトーン&マナーを理解しましょう。

欧米で好まれる“ストレートな訴求”

アメリカやイギリスなどの英語圏では、競争が激しいため、製品のメリットやオファー(割引、お得感)を強く、ストレートに打ち出す表現が好まれます。コピーはキャッチーで、簡潔にメリットを伝えることが重要です。

  • アメリカ:スピード感、割引、限定性を強調し、「今すぐ購入すべき理由」を感情的に訴求する表現が効果的。
  • ドイツ:過度な誇張は嫌われます。論理的、具体的、データに基づいた「品質・信頼性」を保証する客観的な表現で信頼を獲得する必要があります。

アジア圏で重視される“信頼感と親しみ”

韓国、台湾、タイなどのアジア圏では、コミュニティや人間関係を重視する文化が強く、広告にも信頼感や親しみやすさが求められます。

  • 韓国:トレンドに敏感でSNS拡散力が強いため、インフルエンサーを活用した共感性のある表現や、デザイン性の高いスタイリッシュなクリエイティブが響きます。
  • 台湾:「親日的」な文化を活かし、「日本らしさ」「安心感」を打ち出すことが信頼につながります。
  • タイ:価格感度が高く、フレンドリーで親しみやすいトーンのキャンペーン広告が効果的。若年層が多いことから、SNSでのエンゲージメントを誘発するデザインも重要です。

色・フォント・レイアウトの文化的意味

クリエイティブの成果を左右するのは、言葉だけではありません。色やフォントといった非言語的な要素が、国によってはまったく異なる意味を持つことがあります。

カラー心理学の国別違い

広告クリエイティブに使用する色は、予期せぬ文化的誤解を招く可能性があるため、慎重に選定する必要があります。

 

欧米での一般的なイメージアジア(特に中国・日本)での注意点
興奮、情熱、危険、緊急性幸運、繁栄、祝いの色(中国)
清潔、シンプル、平和葬儀の色(中国)として使用に注意
自然、環境、健康、富欧米と同じ傾向だが、中国では「不貞」の意味を含むことがある
幸福、楽観主義皇族の色(タイ、中国)として高級感を与える場合も

特に中国で「白」を大々的に使う場合は、その商品のイメージと合致しているか、現地のパートナーに確認することが必須です。また、カナダやスウェーデンなど環境意識が高い国では、自然やエコを連想させる「緑」を基調としたトーン&マナーが非常に好まれます。

フォント選定で与える印象の変化

フォント(書体)は、広告のトーン&マナーを決定づけ、メッセージの強さにも関わってきます。

セリフ体(例:Times New Roman): 欧米、特にBtoBや金融などの分野で伝統、信頼性、権威を伝えるために好まれます。ドイツなどの論理的な市場にも適しています。

サンセリフ体(例:Helvetica, Gothic): モダン、清潔感、読みやすさがあり、デジタル製品や若者向けの商材、そしてデザイン志向の強いスウェーデンなどで効果的です。

手書き風フォント: アジア圏では親しみやすさや「人間味」を出すのに有効ですが、欧米圏ではプロフェッショナルさに欠けると見なされるリスクがあります。

成功事例から学ぶ海外向け広告デザイン

日本ブランドの海外キャンペーン例

多くの日本企業は、台湾で「日本の職人技」「高品質」「安心安全」といったイメージを打ち出すため、ミニマルで清潔感のあるレイアウト(白を基調とし、装飾を抑える)を採用します。これは、台湾市場における「日本ブランドへの信頼」という文化的背景を最大限に利用した戦略です。

現地企業が採用しているトーン&マナー

  • カナダのBtoBサービス:信頼性が高く、クリーンで専門性を感じさせる青やグレーを基調とした、ロジカルなレイアウトを採用する傾向。
  • 韓国のコスメ・ファッション:モバイル環境を前提とし、短い動画や視覚的なインパクトの強い、縦長で鮮やかなデザインを多用します。インフルエンサーの顔写真や使用感レビューを組み込むのが一般的です。

Q&A

Q1 ドイツとアメリカの両方にBtoB製品の広告を出す際、コピーのトーン&マナーにおける「信頼性」の表現方法を、具体的にどのように変えるべきか説明してください

A1 ドイツでは客観的なデータ、受賞歴、工学的な裏付け、具体的な数字にフォーカスし、論理的であることをもって信頼性を訴求することが大事になってきます。アメリカ:では業界のリーダーシップ、顧客のサクセスストーリー、実績数(例:導入社数)、そして「保証」といった強い言葉で感情的に安心感を訴求することが大事になります。

Q2 デザイン志向が強く、環境意識が高いスウェーデン市場へ向けて、最も効果的な配色(カラーパレット)とフォントタイプの組み合わせはなんですか?

A2 配色はナチュラルカラー(アースカラー)で、落ち着いた「緑」、白、グレーなどのミニマルな色調を使いましょう。フォントはサンセリフ体(モダン、清潔感)を使い、シンプルで過度な装飾がなく、デザイン性を重視する国民性に合致させることを意識しましょう。

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まとめ

いかがだったでしょうか。

海外広告のクリエイティブ戦略は、単なる翻訳作業ではありません。それは、現地文化、価値観、そして非言語的コミュニケーション(色、デザイン)を深く理解する「文化の橋渡し役」です。

ターゲット国のユーザーが「これ、私のための広告だ」と感じるローカライズこそが、クリック率とコンバージョン率を劇的に向上させる鍵となります。まずは、あなたのターゲット国が持つ文化的傾向を把握し、それに合わせたクリエイティブのトーン&マナーを定めることから始めましょう。

この記事を書いた人

FC編集部

FC編集部

FORCLE編集部です。WEB広告やHP・LP制作、GoogleAnalyitcs分析など、さまざまな役立つ最新のWEBマーケティング情報を随時発信しています。