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病院の広告戦略 ~医療広告ガイドラインを守って集客する方法とは?~

WEBマーケティング

マーケティング手法

  • 2025年7月14日
  • 2025年7月10日

今回のテーマは「病院」です。

病院やクリニックの集患において、自院に来てもらうための広告戦略の重要性が高まっています。しかし、医療広告ガイドラインの規制が厳しく、どのような広告を出せば良いか分からず悩んでいる方も多いのではないでしょうか。

この記事では、ガイドラインを遵守しつつ効果的な集患を実現する広告手法を、Web広告から紙媒体まで具体的に解説します。費用相場や成功事例も紹介し、患者に安心感と信頼を届け、選ばれるための広告戦略が分かります。

なぜ今、病院やクリニックに広告戦略が求められるのか?

かつては「腕の良い医師がいれば、患者は自然と集まる」と言われた時代もありました。しかし、社会環境や人々の情報収集の方法が大きく変化した現代において、その考え方だけでは安定した経営を維持することが難しくなっています。今や、病院やクリニックも他のサービス業と同様に、自院の価値を積極的に伝え、患者に選ばれるための「広告戦略」が求められる時代なのです。

ここでは、なぜ現代の医療機関に広告戦略が必要とされるのか、その背景にある2つの大きな変化について詳しく解説します。

患者側が「比較・検索」して病院を選ぶ時代

現代の患者が病院を選ぶプロセスは、一昔前とは様変わりしました。その最大の要因は、インターネットとスマートフォンの普及により、誰もが手軽に情報を検索し、比較検討できるようになったことです。

体調に異変を感じたとき、多くの人はまずスマートフォンを手に取り、「頭痛 〇〇市」「子供 熱 すぐ診てくれる」といったキーワードで検索します。検索結果には、近隣の複数のクリニック情報、公式サイト、口コミサイト、地図情報などが一覧で表示されます。患者はそれらの情報を吟味し、「どの病院が自分にとって最適か」を判断してから、実際に足を運ぶのです。

この行動変化は、病院選びの基準が「距離の近さ」や「知人の紹介」といった受動的なものから、「専門性」「医師の実績」「口コミの評価」「通いやすさ」といった能動的なものへとシフトしたことを意味します。以下の表は、患者の行動変化をまとめたものです。

 

 かつての患者の行動現代の患者の行動
情報収集の手段家族や知人からの口コミ、地域の評判、看板スマートフォンやPCでのWeb検索、SNS、口コミサイト、マップアプリ
病院選びの基準自宅からの近さ、かかりつけ医からの紹介診療内容、専門性、医師の経歴、口コミ評価、院内の雰囲気、予約のしやすさ、待ち時間
意思決定のプロセス限られた情報の中から受動的に選択複数の選択肢を能動的に比較・検討して決定

このように、患者が主体的に情報を集めて病院を選ぶ時代においては、Web上で自院の情報が見つかりやすい状態を作り、魅力を分かりやすく伝えることが、新規患者の獲得に直結します。黙って待っているだけでは、そもそも比較検討の土俵にすら上がれない可能性が高いのです。

専門性だけではなく“安心感”の発信が重要

医療は非常に専門性が高い分野であり、患者側は常に情報の非対称性を感じています。難しい専門用語や治療法をただ並べられても、患者は理解できず、かえって不安を募らせてしまうことも少なくありません。だからこそ、専門的な知識や技術と同じくらい、患者が心から頼れる「安心感」を伝えることが極めて重要になります。

特に、産婦人科や心療内科、美容クリニックといったデリケートな悩みを扱う診療科では、この傾向が顕著です。患者は「この先生になら悩みを打ち明けられるだろうか」「スタッフは親身に対応してくれるだろうか」といった情緒的な側面を重視して病院を選びます。

広告戦略において「安心感」を醸成するためには、次のような情報発信が有効です。

  • 院長やスタッフの顔写真と、診療にかける想いを伝えるメッセージ
  • 清潔感があり、温かみのある院内の様子がわかる写真や動画
  • 治療の流れや費用について、専門用語を避けた丁寧な説明
  • プライバシーに配慮した設計(個室のカウンセリングルームなど)の紹介

単に「〇〇治療に対応」という事実を伝えるだけでなく、「なぜその治療を行うのか」「患者がどのような気持ちで来院されるかを理解し、どう寄り添うのか」といった姿勢を示すことで、他院との明確な差別化が図れます。高い専門性に加え、信頼と安心を感じさせる情報発信こそが、数ある選択肢の中から自院を選んでもらうための鍵となるのです。

病院で使える広告手法とそれぞれの特徴

病院やクリニックが活用できる広告手法は多岐にわたります。オンライン・オフラインを問わず、それぞれの特性を理解し、自院の目的やターゲット患者層に合わせて選択することが成功の鍵です。ここでは、代表的な広告手法とその特徴、効果的な活用方法を解説します。

Googleビジネスプロフィールでの無料集客強化

Googleビジネスプロフィールは、Google検索やGoogleマップ上に病院の情報を無料で掲載できるツールです。特に「地域名+診療科」といったエリア検索からの集患において、極めて重要な役割を果たします。MEO(マップエンジン最適化)対策の基本であり、まず最初に取り組むべき施策といえるでしょう。基本情報を正確に保ち、患者さんからの信頼を得ることが集患につながります。

具体的な運用方法としては、診療時間や休診日、電話番号といった基本情報を常に最新の状態に保つことが挙げられます。また、院内の雰囲気やスタッフの写真を掲載することで、患者さんが来院前に抱く不安を和らげる効果も期待できます。寄せられた口コミに丁寧に返信する姿勢は、他の潜在的な患者さんに対しても誠実な印象を与えます。

Googleビジネスプロフィールのメリット・デメリット

項目詳細
メリット無料で始められ、費用対効果が高い
Googleマップ経由での来院が見込める
口コミ機能で信頼性を高められる
インサイト機能でユーザー行動を分析できる
デメリットネガティブな口コミが投稿されるリスクがある
継続的な情報更新や口コミ返信の手間がかかる
即効性は低く、効果が出るまで時間がかかる場合がある

リスティング広告は「疾患名・エリア検索」で効果的

リスティング広告(検索連動型広告)は、GoogleやYahoo!などの検索エンジンで、ユーザーが特定のキーワードで検索した際に表示される広告です。「世田谷区 内科」「子どもの発熱 病院」など、具体的な悩みや目的を持って検索している顕在層に直接アプローチできるため、即効性の高い集患が期待できます。広告費はかかりますが、特定の診療科目の患者を増やしたい場合や、競合が多いエリアで認知度を高めたい場合に有効な手段です。

広告を配信する際は、医療広告ガイドラインを遵守することが絶対条件です。客観的な事実に基づいた表現を心がけ、誇大な表現や比較優良誤認を招くような文言は避けなければなりません。広告文やランディングページの審査が他の業種に比べて厳しい傾向にあるため、ガイドラインを深く理解した上での運用が求められます

主要なリスティング広告媒体

媒体名特徴
Google広告国内最大のシェアを誇り、幅広い年齢層にリーチ可能。詳細なターゲティング設定ができ、Googleマップと連携した広告表示も強み。
Yahoo!広告比較的高齢層の利用者が多い傾向にあり、PCでの検索に強い。Yahoo!関連サービス(Yahoo!知恵袋など)の利用者にもアプローチできる。

LINE公式アカウントによる既存患者との接点強化

LINE公式アカウントは、友だち登録してくれた患者さんに対して、直接メッセージを配信できるツールです。新規集患というよりは、一度来院した患者さんとの関係性を維持し、再来院を促す「リピート施策」として大きな力を発揮します。メールマガジンに比べて開封率が非常に高く、情報を確実に届けやすい点が最大の魅力です。

活用例としては、インフルエンザ予防接種の時期の案内、定期健診のリマインド、臨時の休診日のお知らせなどが挙げられます。また、季節の健康情報やセルフケアに関するコラムを配信することで、クリニックの専門性や親しみやすさを伝え、患者さんのロイヤリティ向上にもつながります。予約システムと連携させれば、LINE上で予約完結できるため、患者さんの利便性も格段に上がります。

チラシや駅貼り広告の地域密着型プロモーション

Web広告が主流となる中でも、チラシのポスティングや新聞折込、駅構内の看板広告といったオフライン広告は、特定のエリアに住む住民に対して広くアプローチできる有効な手段です。特に、新規開院の告知や内覧会の案内など、地域住民への認知度を一気に高めたい場合に効果を発揮します

この手法の強みは、スマートフォンやPCの利用に不慣れな高齢者層にも情報を届けられる点です。地域に根差した内科や整形外科、歯科クリニックなどでは、依然として重要な広告手法といえるでしょう。一方で、効果測定が難しく、配布エリアやターゲットを絞り込まないと費用対効果が悪化する可能性もあります。Webサイトへ誘導するQRコードを掲載するなど、デジタル施策と組み合わせることで、相乗効果を狙うこともできます。

医療広告ガイドラインとは?広告のNG表現まとめ

病院やクリニックが広告を出す際には、医療法によって定められた「医療広告ガイドライン」を遵守しなくてはなりません。このガイドラインは、患者が不適切な情報に惑わされることなく、適切に医療を選択できる環境を整えることを目的としています。ウェブサイトやSNS、リスティング広告、チラシなど、患者が目にする可能性のあるすべての媒体が対象となるため、正しい知識を持つことが広告戦略の第一歩です。

広告で使ってはいけないNG表現の具体例

医療広告ガイドラインでは、患者に誤解を与えかねない表現や、客観的な事実に基づかない表現を厳しく制限しています。知らず知らずのうちに違反してしまうケースも少なくないため、特に注意すべきNG表現を具体的に見ていきましょう。

虚偽・誇大広告:「No.1」「絶対治る」は使用禁止

患者に過度な期待を抱かせたり、事実と異なる認識を与えたりする表現は、虚偽広告・誇大広告として禁止されています。代表的な例は以下の通りです。

  • 最上級の表現:「日本一」「No.1」「最高」など、客観的な調査に基づかない最上級の表現は使用できません。
  • 断定的な表現:「絶対に治ります」「100%安全な手術です」といった、効果や安全性を保証するような断定的な表現は禁止です。医療に「絶対」はありません。
  • 科学的根拠のない表現:「〇〇を飲むだけでガンが消える」など、科学的な根拠が乏しい独自の理論や治療法をうたうことはできません。

たとえ院内で「一番」の実績があったとしても、客観的なデータで証明できない限り「No.1」と表現することはガイドライン違反と判断される可能性が非常に高いです。

比較優良広告:他院との比較は原則NG

他の病院やクリニックと比較して、自院が優れているとアピールする「比較優良広告」も原則として認められていません。

  • 「A病院よりも優れた最新の設備を導入」
  • 「地域で最も腕の良い医師が在籍」
  • 「他のクリニックの2倍の治療実績」

上記のような表現は、たとえ事実であったとしても、比較対象の医療機関の評価を不当におとしめる可能性があるため禁止されています。自院の強みを伝える際は、他院と比較するのではなく、客観的な事実のみを淡々と記載することが求められます。

患者の体験談・ビフォーアフター写真の扱い方

患者の満足度を伝える上で有効に見える「体験談」や「ビフォーアフター写真」ですが、医療広告においては取り扱いに細心の注意が必要です。

個人の感想である患者の治療体験談は、内容を問わず広告に掲載することはできません。これは、患者を不当に誘引する可能性があるためです。同様に、治療前後の写真(ビフォーアフター写真)を単体で掲載することも原則として禁止されています。

ただし、ウェブサイトなど特定の条件下では、ビフォーアフター写真の掲載が認められる場合があります。その際は、以下の情報を併記することが必須です。

  • 治療内容の詳細な説明
  • 治療にかかる一般的な費用
  • 考えられる主なリスクや副作用

これらの付随情報なくして、良い結果だけを見せることはガイドライン違反となります。

広告可能事項と「限定解除」の要件

では、広告で何を伝えて良いのでしょうか。ガイドラインでは、客観的な事実であり、患者が医療機関を選ぶ上で参考となる情報については「広告可能事項」として定められています。一方で、これらの要件を満たすことで、通常は広告できない専門的な内容も発信できる「限定解除」という仕組みがあります。

広告できる情報の基本

広告可能とされているのは、主に以下のような情報です。

  • 医師、歯科医師の氏名、年齢、役職、経歴など
  • 医療機関の名称、電話番号、所在地の表示
  • 診療科名、診療日、診療時間
  • 予約診療の実施の有無
  • 対応可能な医療設備、入院設備の有無
  • 保険診療か自由診療かの別

これらの事実は、患者が医療機関を選ぶ際の基本的な判断材料となるため、広告として掲載することが認められています。

ウェブサイトで情報発信するための「限定解除」とは

自由診療の内容や治療のリスク・副作用といった、より詳細な情報をウェブサイトに掲載したい場合、「限定解除の要件」を満たす必要があります。これは、患者が自らの意思で情報を取得しにくるウェブサイト等であれば、適切な情報提供を条件に広告規制を一部解除するという考え方です。リスティング広告やバナー広告から誘導されるランディングページも、この要件を満たす必要があります。

 

限定解除の主な要件
要件具体的な内容
医療機関のウェブサイトであること広告主(医療機関)が直接管理・運営しているウェブサイトや、それに準じる媒体であることが必要です。
問い合わせ先の明記電話番号やメールアドレスなど、患者が容易に問い合わせできる連絡先を記載します。
自由診療に関する情報明記自由診療について紹介する場合、通常必要とされる治療内容、費用、期間や回数を明記します。
リスク・副作用の明記治療によって生じうる主なリスク、副作用に関する情報を分かりやすく記載します。良い面だけでなく、マイナス面も伝える誠実さが求められます。

これらの要件を満たすことで、治療方針や手術の実績、未承認医薬品を用いた治療など、より踏み込んだ情報を発信できるようになります。病院広告のウェブ戦略において、この限定解除のルールを正しく理解し、遵守することが成功の鍵を握ると言えるでしょう。

病院広告の成功事例3選

医療広告ガイドラインを遵守しながら、効果的な広告戦略を展開し、集患やブランディングに成功している病院やクリニックは数多く存在します。ここでは、具体的な3つの成功事例をピックアップし、それぞれのクリニックが抱えていた課題、実施した施策、そして得られた成果を詳しく解説します。自院の状況と照らし合わせながら、広告戦略のヒントを見つけていきましょう。

産婦人科でLINE配信→定期健診の予約率アップ

多くの産婦人科では、妊婦健診や産後ケアなど、患者様と長期間にわたる関係を築くことが求められます。この事例のクリニックでは、電話でのリマインド業務の負担や、患者様との継続的なコミュニケーションに課題を抱えていました。そこでLINE公式アカウントを導入し、既存患者との関係強化を図りました。

 

項目内容
クリニックが抱えていた課題
  • 定期健診の予約忘れやキャンセルが多く、リマインドの電話連絡がスタッフの大きな負担となっていた。
  • 患者一人ひとりに合わせた情報発信ができておらず、関係性が希薄になっていた。
  • 院内で開催する母親学級やイベントの告知がうまく伝わっていなかった。
実施した広告施策

LINE公式アカウントを開設し、来院した患者様に友だち登録を促進。次の施策を定期的に実行しました。

  • 健診リマインドの自動配信:予約日の前日などに、LINEで自動的にリマインドメッセージを送信。
  • セグメント配信:妊娠週数や産後の時期に合わせて、必要な情報(例:「妊娠〇週目の過ごし方」「産後の骨盤ケア情報」)を配信。
  • イベント告知と予約受付:マタニティヨガや離乳食教室などのイベント情報を配信し、LINE上で参加予約を受け付け。
得られた成果

LINEを活用した結果、電話によるリマインド業務の工数が約70%削減され、スタッフは本来の患者様対応に集中できるようになりました。患者様は手軽に情報を確認でき、予約変更の連絡もしやすくなったことで利便性が向上。結果として、定期健診の予約率は前年比で15%アップし、イベントの参加者も増加するなど、患者満足度の向上と安定したクリニック経営につながりました。

小児科がSNS運用で若い母親層との接点を構築

新規開院した小児科クリニックが、競合がひしめく地域で認知度を高め、特に若い世代の保護者に選ばれるためにSNS運用に着手した事例です。専門的な情報発信だけでなく、クリニックの雰囲気やスタッフの人柄を伝えることで、安心感を醸成し、ファンを増やすことに成功しました。

 

項目内容
クリニックが抱えていた課題
  • 新規開院のため地域での認知度が低く、新規患者の獲得に苦戦していた。
  • Webサイトだけでは、クリニックの温かい雰囲気や安心感が伝わりきらない。
  • ターゲットである20代〜30代の保護者層に効果的なアプローチができていなかった。
実施した広告施策

メインターゲットである若い母親層の利用率が高いInstagramを主軸に、情報発信を開始しました。

  • 院内の魅力発信:清潔感のある待合室、子どもが喜ぶキッズスペース、感染対策の様子などを写真や短い動画(リール)で投稿。
  • スタッフ紹介:医師や看護師、受付スタッフの自己紹介や、仕事への想いなどを発信し、親近感を醸成。
  • お役立ち情報の発信:「子どもの急な発熱、どうする?」「予防接種のスケジュール管理術」など、保護者の知りたい情報を分かりやすく解説。ストーリーズの質問機能で、保護者からの簡単な質問に答える企画も実施。
得られた成果

SNS運用開始後、「Instagramを見て安心できそうだったので来ました」という新規患者が着実に増加しました。コメントやダイレクトメッセージを通じて保護者との双方向のコミュニケーションが生まれ、地域における信頼関係の構築に成功。結果として、開院1年で地域の人気クリニックの一つとして認知され、安定した集患を実現しました。

在宅医療をGoogle広告で訴求→問合せ増加

高齢化社会を背景にニーズが高まる在宅医療ですが、サービスを必要としている潜在的な患者様やそのご家族に、いかにして情報を届けるかが大きな課題です。このクリニックでは、検索ニーズが明確なユーザーに直接アプローチできるリスティング広告を活用し、問い合わせ件数を大幅に伸ばしました。

 

項目内容
クリニックが抱えていた課題
  • 在宅医療の潜在的なニーズは高いはずだが、サービスの認知度が低く、問い合わせが伸び悩んでいた。
  • どのような手段で、対象となる患者様やご家族、ケアマネージャーにアプローチすれば良いか分からなかった。
  • Webサイトはあるものの、情報が探しにくく、問い合わせにつながっていなかった。
実施した広告施策

Google広告(リスティング広告)を活用し、在宅医療を探しているユーザーにターゲットを絞って広告を配信しました。

  • キーワード選定:「在宅医療 [市区町村名]」「訪問診療 高齢者」「[地域名] 往診」など、「サービス名」と「エリア名」を組み合わせたキーワードを中心に設定。
  • 広告文の最適化:「24時間365日対応」「〇〇専門医がご自宅へ訪問」など、サービスの強みや安心感を具体的に記載。
  • 専用LPの作成:広告のリンク先として、在宅医療のサービス内容、対象となる方、費用、利用開始までの流れを分かりやすくまとめたランディングページ(LP)を用意。問い合わせフォームや電話番号を分かりやすく配置。
得られた成果

広告配信後、Webサイト経由での問い合わせ件数が月平均で3倍以上に増加しました。特に、退院後の療養先を探しているご家族や、担当患者の在宅移行を検討しているケアマネージャーからの具体的な相談が増加。ニーズの明確なユーザーに絞ってアプローチしたことで、費用対効果の高い集患が実現し、診療圏内での在宅医療クリニックとしての地位を確立しました。

広告費の相場と媒体ごとのコスト感

病院やクリニックが広告戦略を始めるにあたり、多くの方が最初に気になるのは費用面でしょう。広告と一言でいっても、その手法は多岐にわたり、必要なコストも大きく異なります。ここでは、主要な広告媒体ごとの費用相場と、それぞれの特徴について具体的に解説します。自院の規模や目的に合った広告手法を見つけるための参考にしてください。

月3万円〜のWeb広告は中小規模クリニックでも導入可能

かつて広告といえば高額なマス広告が主流でしたが、現代ではWeb広告の普及により、少ない予算からでも始められるようになりました。特に中小規模のクリニックにとって、Web広告は費用対効果を測定しやすく、柔軟に運用できるため有力な選択肢です。ここでは代表的なWeb広告の費用感を見ていきましょう。

リスティング広告(検索連動型広告)

リスティング広告は、GoogleやYahoo!などでユーザーが検索したキーワードに連動して表示される広告です。広告がクリックされるごとに費用が発生する「クリック課金(CPC)」が一般的で、無駄な広告費を抑えやすい特徴があります。月額3万円〜10万円程度の少額からでも開始でき、効果を見ながら予算を調整できるため、多くのクリニックで導入されています。

クリック単価は、診療科目や地域、キーワードの人気度によって変動します。例えば、自由診療で競争が激しい「美容外科 東京」や「インプラント」といったキーワードは単価が高騰しやすく、1クリック数千円になることもあります。一方で、保険診療が中心の「内科 世田谷区」や「小児科 夜間」などは比較的安価な傾向にあります。広告代理店に運用を依頼する場合は、広告費とは別に運用代行手数料(一般的に広告費の20%程度)が発生します。

Googleビジネスプロフィール(MEO対策)

Googleマップ上での検索順位を最適化するMEO(Map Engine Optimization)対策は、地域に根差したクリニックにとって極めて重要な施策です。Googleビジネスプロフィールの登録や基本的な情報更新は無料で行えます。しかし、口コミの管理や定期的な情報発信、競合分析などを通じて本格的に上位表示を目指す場合は、専門業者に依頼するケースも少なくありません。その場合の費用相場は月額3万円〜5万円程度で、比較的安価に地域内での認知度と信頼性を高めることができます。

SNS広告

Facebook、Instagram、LINEなどのSNSを活用した広告も、低予算から始められる手法の一つです。SNS広告の強みは、年齢、性別、地域、興味関心といった詳細なデータに基づいて、ターゲットを精密に絞り込んで広告を配信できる点にあります。例えば、「近隣に住む30代の女性」や「子育てに関心のあるユーザー」といった層に限定してアプローチが可能です。こちらも月額3万円程度から出稿でき、潜在的な患者層への認知拡大やブランディングに効果を発揮します。

紙媒体とデジタル広告の比較と組み合わせ方

Web広告が主流となる一方で、チラシや駅看板といった伝統的な紙媒体(オフライン広告)も、使い方次第で大きな効果を生み出します。特に、特定のエリアに住む住民や、高齢者層へのアプローチには依然として有効です。デジタル広告と紙媒体の特性を理解し、戦略的に組み合わせることが成功の鍵となります。

それぞれの特徴を以下の表にまとめました。

 

広告媒体費用相場主なターゲット層効果測定
デジタル広告
(リスティング・SNS等)
月額3万円~検索ユーザー、特定の属性を持つ層など、細かく設定可能クリック数、表示回数、問い合わせ件数などを正確に計測可能
紙媒体
(チラシ・地域情報誌)
10万円~
(デザイン・印刷・配布費込)
特定のエリアの住民、新聞購読者、高齢者層など専用電話番号やクーポンなどで限定的に測定(正確な計測は困難)
交通広告
(駅看板・車内広告)
月額数万円~数十万円駅の利用者、沿線住民など、不特定多数認知度の向上を測るのが主目的で、直接的な効果測定は難しい

このように、各媒体には一長一短があります。そのため、単体で利用するのではなく、それぞれの長所を活かして組み合わせる「クロスメディア戦略」が有効です。

例えば、次のような組み合わせが考えられます。

  • 地域密着型の内科・小児科の場合:
    まず、駅看板やポスティングチラシでクリニックの開院や存在を地域住民に広く知らせます。そのチラシにQRコードを掲載し、クリニックの公式サイトやLINE公式アカウントへ誘導します。Webサイトでは医師の経歴や院内の雰囲気を詳しく伝え、安心感を持ってもらいます。同時に、「地域名+診療科目」でリスティング広告を出稿し、能動的に病院を探している患者を確実に取り込みます。
  • 専門性の高い自由診療クリニックの場合:
    悩みが明確な患者層にアプローチするため、「疾患名+治療法」などのキーワードでリスティング広告を重点的に配信します。並行して、治療に関する詳しい解説記事(コラム)をWebサイトに掲載し、SEO対策で自然検索からの流入を狙います。さらにSNS広告で、治療に関心を持ちそうな潜在層にアプローチし、クリニックの認知度を高めます。

自院のターゲット患者は誰で、どのような情報を求めているのかを深く分析し、デジタルとオフラインの最適なポートフォリオを構築することが、広告費用を無駄にせず、集患効果を最大化させるための重要なステップです。

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まとめ

いかがだったでしょうか。患者がインターネットで情報を探し、病院を比較して選ぶのが当たり前の時代になりました。そのため、病院やクリニックにとって広告戦略は集患に欠かせない要素です。

しかし、広告表現には医療広告ガイドラインという厳しい制約があります。重要なのは、ガイドラインを遵守した上で、自院の専門性や特徴を「安心感」と共に発信することです。

Web広告やSNSなどを活用し、患者に信頼される情報を届けることが、選ばれる病院になるための第一歩と言えるでしょう。

この記事を書いた人

FC編集部

FC編集部

FORCLE編集部です。WEB広告やHP・LP制作、GoogleAnalyitcs分析など、さまざまな役立つ最新のWEBマーケティング情報を随時発信しています。