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WEB広告の「グロス金額」と「ネット金額」「マージン」について
WEB広告を理解するうえで欠かせない基本用語には、グロス金額、ネット金額、マージンがあります。
これらの用語を正しく理解することは、広告運用の効率化、およびコストパフォーマンスの最適化を図る上で非常に重要になります。
以下、各用語について詳しく解説していきます。
グロス金額とは
グロス金額とは、広告代理店などの中間業者を通じて販売されるWEB広告の総費用のことを指し、これには広告掲載料金の他に、代理店手数料やその他の付随する費用が含まれます。一般的に、WEB広告を直接販売するメディアや広告主と代理店間で取り交わされる契約に基づき、このグロス金額が定められます。
ネット金額とは
ネット金額は、グロス金額から代理店手数料などの中間費用を差し引いた、実質的な広告掲載料金のことを意味します。この金額は、広告メディアが実際に受け取る金額であり、広告掲載への直接的なコストに注目したい場合には、このネット金額を基準に考えることが重要になります。
マージンとは
マージンとは、グロス金額とネット金額の差額のことで、主に広告代理店が広告取扱いの対価として受け取る手数料を示します。このマージン額は、広告キャンペーンの複雑さや、取り扱う媒体の種類、または広告代理店と広告主との間での合意に基づいて決定されます。
グロス金額とネット金額の違い
WEB広告の世界において、グロス金額とネット金額は重要な概念です。
これらはWEB広告を計画、実行する際の予算設定に直接影響を与え、広告の効率性を左右します。
グロス金額とは、広告代理店などの中間業者を介した際の金額のことを指し、この金額は広告の掲載コストに代理店の手数料が上乗せされたものです。
一方、ネット金額は広告の掲載コストのみを指し、中間業者を通さずに直接広告を購入した際の金額です。
「グロス金額」と「ネット金額」の計算方法
グロス金額の計算
グロス金額は、ネット金額に対して代理店の手数料を加えて計算されます。具体的には、ネット価格に代理店が設定するパーセンテージ(一般的には15%~20%)を乗じた金額がグロス金額となります。
ネット金額の計算
ネット金額の計算は比較的シンプルです。これは広告媒体に直接支払う掲載費用のみを意味し、追加手数料や仲介料は含まれません。つまり、広告掲載に直接必要なコストがネット金額となります。
グロスとネットの比較とメリット・デメリット
グロス金額とネット金額を比較することで、WEB広告の計画時に適切な予算配分を行うことができます。グロス金額を用いる主なメリットは、代理店が提供するサービス(広告の配置、ターゲティングの最適化など)を利用できることです。一方で、ネット金額は、広告費用を抑えたい場合や、自社で広告の運用が可能な場合に有利です。ただし、広告の運用には専門知識が必要なため、自社での運用には自信がある場合に限られます。
項目 | グロス金額 | ネット金額 |
---|---|---|
定義 | 広告代理店経由の金額(手数料込み) | 直接支払う広告掲載費用のみ |
メリット | 代理店のサービス利用可 | コストを抑えられる |
デメリット | コストが高くなる | 運用に専門知識が必要 |
グロス、ネット、マージンの計算方法
WEB広告を計画する際に、財務的な側面からも知っておくべき重要な概念がグロス、ネット、そしてマージンです。これらの違いを理解し、正確に計算できるようになることで、広告キャンペーンの実際のコストを把握し、効果的な予算配分を行うことが可能になります。
具体的な計算式
計算の基礎となる具体的な式を見ていきましょう。グロス金額は、商品やサービスの販売価格そのものを示します。一方、ネット金額は、グロス金額からすべての費用や割引を差し引いた後の金額です。マージンは、ネット金額とグロス金額の差額を示し、利益率を計算する際に用います。
用語 | 定義 | 計算式 |
---|---|---|
グロス金額 | 商品やサービスの販売価格 | 表示価格 |
ネット金額 | グロス金額から全費用や割引を差し引いた金額 | グロス金額 – (費用 + 割引) |
マージン | 利益の額 | ネット金額 – グロス金額 |
グロスとネットの計算例
実際の計算例を見てみましょう。あるWEB広告のグロス金額が100,000円、費用が20,000円、割引が5,000円の場合、ネット金額とマージンを計算します。
- グロス金額: 100,000円
- 費用: 20,000円
- 割引: 5,000円
- ネット金額の計算: 100,000円 – (20,000円 + 5,000円) = 75,000円
- マージンの計算: 75,000円 – 100,000円 = -25,000円
この例では、マージンが負の数値となっており、広告キャンペーンが損失を出していることを示しています。このように具体的な数値を使って計算することで、実際の利益や損失を明確に理解することが可能です。
WEB広告におけるグロスとネットの選択、主流はどっち
WEB広告を扱う際、グロスまたはネットのどちらを選択するかは、企業の戦略や広告の目的に大きく左右されます。ここでは、両者の選択において重要となる利用シーン、どちらが主流であるか、選択する際の注意点について詳しく解説します。
「グロス」と「ネット」の利用シーン
グロス価格とネット価格には、それぞれ最適な利用シーンが存在します。グロス価格は、代理店など第三者を介して広告を出稿する際に用いられることが多いです。この方式では、広告の制作や管理、最適化などのサービスを代理店が提供し、その対価として広告費用の一部をマージンとして受け取ります。一方、ネット価格は、直接広告を出稿する際に選ばれることが多く、広告主は広告費用を直接メディアに支払い、中間マージンが発生しません。
どちらが主流か
現在、WEB広告の世界では、どちらが主流かというより、目的や予算、リソースに応じて適切な方法が選択されます。大規模な企業や複数の広告キャンペーンを同時に運営する場合は、代理店を介したグロス価格が好まれることが多いです。一方で、小規模企業や限られた予算内で運営を行いたい場合、直接メディアと交渉しネット価格で広告を出稿するケースも少なくありません。
選択における注意点
グロスとネットを選択する際には、それぞれのメリットとデメリットをしっかりと理解し、自社の条件に最も合致する方法を選ぶことが重要です。グロス価格の場合、広告の運用や管理を信頼できる代理店に任せることができますが、その分のコストが上乗せされる点に注意が必要です。ネット価格では、中間マージンが省ける分、広告費用を抑えることができますが、広告の運用や効果測定などを自社で行う必要があり、それに伴うリソースを確保する必要があります。
まとめ
WEB広告におけるグロスとネットの選択は、目的と状況に応じて異なります。
主流に追随するよりも、各案件の目標に合った方法を選ぶことが重要です。
各クライアントによって「ネット金額」なのか「グロス金額」なのか、最適な計算をする必要がありますので、今回の記事を参考に計算できるようになると良いですね。