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フィンテック時代の金融広告とは?オンラインで信頼を築くプロモーション術

WEBマーケティング

マーケティング手法

  • 2025年5月16日
  • 2025年5月14日

今回のテーマは「金融」です。フィンテックの普及に伴い、個人投資家や資産運用ニーズが加速し続けている昨今において、Google広告やYahoo!広告、SNS・動画広告を駆使し、いかにしてWeb上で「信頼」を構築しながら集客を行うのか、その手法を解説します。

本記事を参考にすれば、金融商品取引法や景品表示法などの規制ポイントを具体的に押さえながら、成功事例をもとに広告戦略の全体像をつかむことができるでしょう。

透明性を重視したクリエイティブ制作のポイントも紹介します。

なぜ今、金融業界に広告が必要なのか?

ユーザーの情報収集は「Web中心」にシフト

総務省の調査によると、国内のスマートフォン保有率は90%超。金融サービスを探す際も、従来の窓口やチラシから、24時間いつでもアクセス可能なWebへと大きく移行しています。特に若年層は、スマホで検索して口コミサイトやSNSを見比べた上で口座開設やローン申し込みを行うケースが増加中です。

 

情報収集手段主な特徴
対面窓口直接相談できるが来店ハードルが高い
チラシ・パンフレット配布エリア限定でターゲットが絞りにくい
公式Webサイト情報量は豊富だがSEO対策なしでは埋もれやすい
検索広告(Google広告等)意図の高いユーザーに直接アプローチ可能
SNS広告(LINE・Instagram等)ターゲット層の興味関心に合わせた配信が得意

このように、Web広告を組み合わせることで、ユーザーが求める情報へダイレクトにリーチできる環境が整っています。

信頼と差別化が集客のカギ

金融商品は金額やリスクが大きいため、ユーザーは「安全性」や「実績」を慎重に確認します。そこで注目すべきは第三者機関の評価や利用者の声の可視化です。格付け会社によるファンド格付けや口コミサイトのレビューを広告内で紹介することで、安心感を醸成できます。

加えて、メガバンクとネット銀行ではサービス仕様に差があるため、広告クリエイティブでは

  • メガバンクならではの対面サポート
  • ネット銀行の手数料無料・即時口座開設

といった差別化ポイントを明確に打ち出すことが重要です。専門用語を噛み砕いた説明や、シミュレーション機能を訴求することで、他社と一線を画したコミュニケーションが可能になります。

金融業界で使われる主な広告媒体と特徴

金融サービスの集客・認知拡大においては、それぞれの媒体が持つ特性を正しく理解し、最適な運用設計を行うことが成功の鍵となります。以下の表で主要な広告媒体を比較し、続く各セクションで具体的な活用ポイントを解説します。

 

媒体料金体系主な用途主なKPI
Google広告(検索型)クリック課金(CPC)/コンバージョン課金(CPA)サービス申込・資料請求クリック率(CTR)、コンバージョン率
SNS広告(Facebook・Instagram・X)インプレッション課金(CPM)/クリック課金(CPC)ブランド認知・エンゲージメントリーチ数、エンゲージメント率
YouTube・動画広告視聴完了課金(CPV)/インプレッション課金(CPM)商品理解・ストーリーテリング視聴完了率、ブランドアウェアネス
比較サイト・アフィリエイト広告成果報酬型(CPA)見込顧客獲得・申込増加成果件数、CPA

Google広告(検索型)で意図の高い層を獲得

Google検索のキーワード連動型広告は、ユーザーの検索意図が明確なため意図の高い層へのアプローチに最適です。金融系キーワード(例:住宅ローン 比較、投資信託 始め方)を丁寧に設定し、運用段階で以下を重視しましょう。

  • キーワードマッチタイプの最適化(完全一致/フレーズ一致)
  • 広告文にサービスの差別化ポイント(低金利、初心者向けサポートなど)を明示
  • コンバージョントラッキングでCPAを定期的に見直し

これにより、検索から申込までの導線をスムーズに設計し、ROI向上を図ります。

SNS広告(Facebook・Instagram・X)でブランディング

SNS広告は、細かな属性ターゲティングとクリエイティブ訴求によってブランド認知の拡大を狙えます。特に金融サービスは信頼感の醸成が重要なため、以下の運用ポイントを押さえましょう。

  • 年齢・性別・興味関心などのオーディエンスセグメント設定
  • ストーリーズやカルーセル広告で金融商品の魅力をビジュアル訴求
  • エンゲージメント率を見ながらクリエイティブをABテスト

これらは、将来的なリード育成につながるコミュニケーションの土台を構築します。

YouTube・動画広告で商品理解を深める

動画広告は、金融商品の仕組みや利用メリットをストーリー仕立てで伝えられる点が強みです。TrueViewやバンパー広告などフォーマット別に狙いを定め、以下に留意してください。

  • 冒頭5秒でサービスの魅力を明確化し、視聴完了率を高める
  • 動画視聴後のランディングページで申込フォームを簡潔に配置
  • 視聴データを活用し、オーディエンスセグメントを最適化

これにより、ブランドアウェアネス(消費者が特定のブランドをどれだけ認識しているかの指標)だけでなく、短期的なコンバージョン創出も狙えます。

比較サイト・アフィリエイト広告の活用方法

比較サイトやアフィリエイトは、第三者メディアを通じて幅広い見込み顧客にリーチできる点が魅力です。成果報酬型ならではのメリットを活かすには、次のポイントが重要です。

  • アフィリエイターへの詳細な商品説明資料を配布し、正確な情報訴求を促す
  • 成果単価(CPA)設定と成果条件を明確化して不正クリックを抑制
  • 比較サイトのランキング掲載基準に合わせ、データやユーザーレビューを充実

これらを実践することで、質の高いリード獲得と費用対効果の向上が期待できます。

広告運用で注意すべき金融業界特有の規制

金融商品取引法/景品表示法など

金融商品取引法における広告規制

金融商品取引法では、投資勧誘広告においてリスク情報の明示虚偽・誇大表示の禁止が定められています。具体的には、元本割れの可能性や手数料・税金の負担をわかりやすく記載しなければなりません

景品表示法における広告規制

景品表示法では、消費者を誤認させる優良誤認表示や有利誤認表示が禁止されています。また、懸賞やプレゼントキャンペーンにおける景品の上限額も定められており、一般的に購入金額の20%以内かつ10万円以下が目安とされています。

 

法令規制内容ポイント
金融商品取引法リスク開示、虚偽・誇大表示の禁止過度な収益予測は避け、必ずリスクを明示
景品表示法優良誤認・有利誤認表示の禁止、景品上限の設定懸賞は購入金額の20%以内が基本

誇大表現・実績の見せ方に注意

広告で過去の運用実績を示す際には「過去の実績は将来の運用成果を保証するものではありません」といった免責事項を必ず記載しましょう。また、推定利回りや期待収益は具体的な数値だけでなく、その算出根拠も簡潔に示す必要があります。

過去のデータをグラフ化する場合は、期間や条件をテーブルや注釈で補足し、投資判断の偏りを防ぐ配慮が求められます。

「信頼性」が最優先される理由

金融広告では、利用者の安心感が問い合わせ数や申込数に直結します。広告内には運営会社の登録番号、所属団体名、第三者機関の認証マークなどを掲載し、信頼性を可視化しましょう。

また、プライバシーポリシーやセキュリティ対策の概要を簡潔に示すことで、安全な取引環境を提供していることを訴求できます。

金融業界の広告成功事例

若年層を獲得したネット証券のSNS活用

証券会社Aでは2023年春よりTwitterとInstagramを中心に若年層向けキャンペーンを実施しました。投資未経験者でも参加しやすいコンテンツとして、投資体験談のショートムービーやインフルエンサーによる解説動画を展開。結果として、20代・30代の口座開設数が前年比150%に増加しました。

施策のポイントは、ユーザー参加型コンテンツハッシュタグチャレンジの組み合わせです。具体的には、#はじめての投資 を設定し、投稿者から集まった体験談をリポスト。これにより新規フォロワー数は90日間で2万人増加し、広告経由の口座申込率も大幅に向上しました。

地方銀行がWeb広告でローン相談数アップ

地方銀行Bでは住宅ローンの相談件数を増やすため、Google検索広告とFacebook広告を連動させた施策を実施。検索広告では自社が推し出している商材などのキーワードで上位表示を達成し、専用LPへ誘導。SNS広告では地域限定で高いエンゲージメントを獲得しました。

 

指標施策前(月平均)施策後(月平均)
住宅ローン相談数120件250件
LP滞在時間1分10秒2分30秒
申込率3.5%5.8%

この取り組みにより、ターゲットに刺さるキーワード選定地域を絞った配信設定が功を奏し、顧客のローン相談数は約2倍に増加しました。

保険会社のYouTubeタイアップ成功例

保険会社Cでは人気YouTuberとタイアップし、人生設計や保険の基礎知識をテーマにした全5本の動画を配信。各動画には概要欄で無料資料請求フォームへの導線を設置し、視聴者の自然流入を狙いました。

配信後30日間で再生回数は累計150万回を突破し、資料請求数は前月比180%を記録。動画シリーズの継続公開クリエイティブの最適化によって、保険の見直しを検討する層を効率的に獲得できました。

今後の金融広告トレンドと推奨施策

ファイナンシャル・ウェルビーイングへの注目

近年、生活者の経済的健康志向が高まり、単なる商品の訴求ではなく「人生設計のパートナー」としての立ち位置が重要になっています。金融機関は、資産運用や保険、ローンといったサービスを横断し、顧客のライフステージに応じた情報発信を強化すべきです。

顧客中心のコンテンツ設計

年齢や家族構成、貯蓄状況などの属性をもとに、シナリオ形式やQ&A形式で具体的な課題解決策を提示します。例えば「30代共働き夫婦の住宅購入プラン」をケーススタディとして動画や記事にまとめると共感を得やすくなります。

パーソナライズ配信

メールマガジンやSNS広告では、行動履歴やアンケート結果を活用し、一人ひとりに最適化された投資シミュレーションや保険料比較表を送付します。これにより、広告のクリック率や資料請求率が向上します。

 

チャネル活用例狙い
メールマガジン属性別シミュレーションレポートエンゲージメント向上
SNSストーリーズ短尺動画でライフハック紹介ブランド認知拡大
ウェビナー資産形成セミナーリード獲得

動画・インフルエンサーとの連携強化

動画広告は金融商品の理解を深めるうえで効果的です。さらに、信頼性の高いインフルエンサーと組むことで、若年層やSNS世代へのリーチが飛躍的に拡大します。

インフルエンサー選定基準

金融リテラシーやフォロワー属性を分析し、専門性と親和性のバランスが取れた人物を起用します。証券会社なら投資系YouTuber、保険商品ならファミリー層向けブロガーなど、ターゲットに即した人物を選びましょう。

コンテンツ制作と展開

短尺動画では「1分で分かる○○保険の魅力」、長尺では「実際に契約したユーザーの1日密着」など、多様なフォーマットを活用します。SNSと公式サイトへの導線を明確化し、視聴後に資料請求や相談予約ができるCTAを必ず設置します。

信頼性と透明性を前提にしたストーリーテリング

広告のメッセージを支えるのはデータの明示とユーザー体験の可視化です。根拠のある数字や実際の体験談を交え、金融機関としての信頼構築を図ります。

実績開示とデータ活用

過去の運用実績やローン審査通過率、相談件数などをグラフやインフォグラフィックで見せると効果的です。ただし規制に抵触しないよう、金融商品取引法や景品表示法のガイドラインを遵守しましょう。

ユーザー体験を起点にした事例紹介

実際にサービスを利用した顧客のインタビュー記事や動画を用意し、問題発生から解決までのプロセスをストーリー化します。これにより、潜在層が自分ごととして捉えやすくなり、問い合わせや申込みへの動線が自然に生まれます。

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まとめ

いかがだったでしょうか。金融広告では、信頼性と法令遵守を前提にWeb広告を活用することが成功のポイントです。

Google広告やFacebook・Instagram、YouTubeを組み合わせ、証券会社のWeb広告事例のように、ターゲットに合わせたメッセージ設計を行いましょう。

現代のニーズに合わせ、今後は透明性を重視したストーリーテリングで、顧客のファイナンシャル・ウェルビーイングをサポートすることが求められます。

この記事を書いた人

FC編集部

FC編集部

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