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アンテナショップの広告戦略 ~地方の魅力を伝える集客術とは?~

WEBマーケティング

マーケティング手法

  • 2025年7月13日
  • 2025年7月10日

今回のテーマは「アンテナショップ」です。

アンテナショップの魅力を多くの人に届け、集客につなげたいと思う方も多いでしょう。しかし、都内での競争激化や地方での認知度不足により、効果的なPR方法が分からず悩むケースも少なくありません。

そこで今回は、SNS広告からチラシまで、アンテナショップに最適な広告手法を成功事例と共に解説します。成功の鍵は、単なる宣伝ではなく地域の“物語”を伝えること。読了後には、自店舗に合った具体的な集客プランが見えてくるはずです。

アンテナショップに広告が必要な理由

アンテナショップは、地域の特産品や文化を発信する重要な拠点です。しかし、魅力的な商品をただ並べるだけでは、多くの人々にその価値を届けることが難しくなっています。現代の消費者に情報を届け、来店を促すためには、戦略的な広告活動が欠かせません。ここでは、なぜアンテナショップに広告が必要なのか、その具体的な理由を解説します。

リアル店舗でも“見つけてもらう”工夫が重要

「実店舗があるから、Webでの宣伝はあまり関係ない」と考えている方もいるかもしれません。しかし、その考え方は現代の消費者の行動と合わなくなってきています。多くの人々は、外出先でお店を探したり、訪問する前にオンラインで情報を調べたりするのが当たり前の時代です。例えば、東京の銀座を訪れた人が「どこか面白いお店はないかな」とスマートフォンで検索するシーンは珍しくありません。

このような状況で、偶然通りかかるのを待つだけでは、来店機会を大きく逃してしまいます。オンライン広告や地図サービス(MEO)などを活用し、インターネット上で自店の存在を知らせることで、「アンテナショップに行きたい」という目的を持った潜在顧客にアプローチできます。リアル店舗だからこそ、来店前の情報収集段階で“見つけてもらう”ための工夫が、集客を成功させるための第一歩となるのです。

都内の競合激化・地方では認知不足が課題

アンテナショップが抱える課題は、立地によっても大きく異なります。特に都心部とそれ以外の地域では、直面する問題の性質が違います。

まず、東京の銀座や日本橋といったエリアには、多くの都道府県のアンテナショップが集中しています。これにより、他県のアンテナショップや百貨店の物産展、セレクトショップなどとの激しい競争に晒されています。消費者は多くの選択肢を持っているため、自店の存在と魅力を積極的に発信し、数ある選択肢の中から選んでもらうためのプロモーションが求められます。

一方で、都心から離れた場所にあるアンテナショップや、そもそもその地域に馴染みのない人々にとっては、存在自体が知られていない「認知不足」が深刻な課題です。「〇〇県のアンテナショップ」と聞いても、どんな魅力的な特産品があるのか、どのような体験ができるのかが伝わっていなければ、興味を持ってもらうことすらできません。広告を通じて、地域の物語や商品の背景を伝え、まずは知ってもらう活動が大切になります。

これらの課題を表で整理すると、以下のようになります。

 

立地主な課題広告に求められる役割
都心部(銀座・有楽町など)類似店舗との競合激化他店との差別化を図り、自店を選んでもらうための魅力発信
郊外・地方都市店舗や地域の認知度不足店舗の存在を知らせ、地域や商品への興味を喚起するきっかけ作り

このように、アンテナショップが置かれた環境は決して楽観できるものではありません。競争を勝ち抜き、新たなファンを獲得していくためには、自店の状況に合わせた広告戦略を立て、実行していくことが成功の鍵を握っています。

アンテナショップに効果的な広告手法と活用例

アンテナショップの魅力を広く伝えるためには、ターゲット顧客や目的に合わせた広告手法の選択が成功の鍵を握ります。デジタル広告から昔ながらのオフライン広告まで、それぞれの特性を理解し、戦略的に組み合わせることで集客効果の最大化が期待できるでしょう。ここでは、具体的な広告手法とその活用例を詳しく解説します。

InstagramやXで“商品+ストーリー”を可視化

SNSは、商品のビジュアル的な魅力や背景にある物語を伝え、ファンを育成する上で非常に強力なツールです。特に、写真や動画が中心のInstagramと、速報性に優れたX(旧Twitter)は、アンテナショップの広告戦略と高い親和性を持っています。

Instagramでは、旬の食材を使った料理の調理工程をリール動画で紹介したり、生産者が語る商品への想いをフィード投稿で丁寧に綴ったりする方法が有効です。ストーリーズのアンケート機能を活用して「食べてみたいご当地スイーツは?」といった企画を実施すれば、ユーザーとの双方向のコミュニケーションが生まれます。単に商品を美しく見せるだけでなく、その裏側にある産地の風景や生産者の物語をセットで発信することで、ユーザーの共感を呼び、来店意欲を高めることができます。

一方、Xはリアルタイムでの情報発信に長けています。「本日、朝採れの〇〇が入荷しました!」「本日15時からタイムセール実施」といった新鮮な情報を即座に届けることで、来店のきっかけを生み出します。店舗スタッフが「中の人」として親しみやすい口調で日々の出来事を発信し、フォロワーからの質問に積極的に返信するなど、人間味のあるアカウント運用もファン獲得につながるでしょう。

Google広告やMEOで来店意欲のあるユーザーにリーチ

「銀座 アンテナショップ」「有楽町 ご当地グルメ」のように、具体的な目的を持って情報を探しているユーザーへ直接アプローチするには、Google広告やMEO(マップエンジン最適化)が効果的です。これらの手法は、来店の可能性が非常に高い潜在顧客を効率的に店舗へ誘導します。

Googleの検索広告では、「[都道府県名] アンテナショップ」「[特産品名] 購入 東京」といったキーワードで広告を出稿します。広告文に「週末限定〇〇入荷」「〇〇県出身者限定割引」など、ユーザーの興味を引く具体的な情報を盛り込むことで、クリック率の向上が見込めるでしょう。

また、MEOは無料で実施できる施策が多く、高い費用対効果が期待できる集客術です。Googleビジネスプロフィールを整備し、正確な店舗情報(住所、営業時間、電話番号)を登録することは基本中の基本です。さらに、店舗の内観や外観、イートインで食べられるメニュー、人気のお土産など、魅力的な写真を数多く掲載しましょう。「最新情報」の機能を使ってイベントを告知したり、寄せられた口コミに一つひとつ丁寧に返信したりすることで、ユーザーからの信頼度が高まり、Googleマップ上での表示順位にも良い影響を与えます。

デジタルサイネージや駅構内広告で地元密着型訴求

店舗周辺のエリアにいる人々や、日常的に公共交通機関を利用する層に広くアピールしたい場合、デジタルサイネージや駅構内広告といったオフライン広告が力を発揮します。これらの広告は、視覚的なインパクトで潜在顧客の記憶に残りやすいという特長があります。

店舗の前にデジタルサイネージを設置し、特産品のシズル感あふれる映像や、故郷の美しい風景動画を放映すれば、通行人の足を止めるきっかけになります。時間帯に応じて、昼はランチメニュー、夕方以降はお酒とおつまみのセットといったように、表示コンテンツを切り替える運用も効果的です。

店舗の最寄り駅や、乗り換え客が多いターミナル駅にポスター広告などを出稿するのも一つの手です。「〇〇駅から徒歩5分、故郷の味に会える場所」「東京で味わう、本格〇〇」といったキャッチコピーで、立地の優位性や地域の魅力を簡潔に伝えましょう。不特定多数の目に触れるため、即時的な集客だけでなく、自治体そのものの知名度向上やブランディングにもつながります

店舗周辺へのチラシ配布やポップアップ告知も有効

デジタルでのアプローチが難しい層や、特定のエリアに住む人々へ確実に情報を届けたい場合には、チラシのポスティングや地域情報誌への広告掲載といったアナログな手法も依然として有効です。

店舗周辺のオフィスビルやマンションにチラシを配布することで、近隣で働く人々や地域住民に直接アプローチできます。その際、「チラシ持参で〇〇プレゼント」といった特典を付けると、来店への動機付けが強まるだけでなく、広告の効果測定も容易になります。デザインは、特産品の写真を大きく使い、温かみのある手書き風のフォントを取り入れるなど、親しみやすさを演出すると良いでしょう。

また、商業施設などでポップアップストアを期間限定で出店する際には、その周辺エリアへの事前告知が成功を左右します。ポスター掲示やチラシ配布で「〇月〇日~〇日まで限定出店!」と知らせることで、イベントへの期待感を高められます。アナログな手法は、ターゲットとする地域を絞り込み、ピンポイントで情報を届けられるというデジタルにはない強みを持っています。

広告表現のポイント:地域色をどう出すか?

アンテナショップの広告で成果を出すためには、単に商品を宣伝するだけでは不十分です。その地域ならではの「らしさ」や「物語」を広告表現に落とし込み、消費者の心を動かすことが重要になります。ここでは、地域色を豊かに表現するための具体的なポイントを3つの視点から解説します。

特産品のストーリーを伝える写真と言葉選び

消費者は商品の機能や価格だけでなく、その背景にある物語にも価値を感じる時代です。生産者の情熱や、その土地の歴史・風土といった「見えない価値」を可視化することが、他の商品との明確な差別化につながります。

写真・動画でシズル感と背景を伝える

広告に使用するビジュアルは、商品の魅力を直感的に伝えるための生命線です。商品の物撮りだけでなく、五感を刺激するような工夫を凝らしましょう。

  • シズル感の演出: 採れたての野菜についた水滴、焼きたてのパンから立ちのぼる湯気、地酒が注がれる際の音など、臨場感あふれる瞬間を切り取ります。
  • 生産者の登場: 商品を愛情込めて作る職人や農家の笑顔、真剣な眼差しは、何よりの信頼性の証となります。消費者は「誰が作ったか」という情報に安心感を覚えます。
  • 風景との組み合わせ: 商品が育まれた美しい田園風景や、雄大な自然を背景にすることで、商品の世界観が深まります。例えば、日本海の荒波と干物を一緒に写すことで、その美味しさの源泉を物語ることができます。

物語を紡ぐコピーライティング

言葉の力で、商品の魅力を一層引き立てます。方言を少しだけ使ったり、地域の人が共感するような言い回しを取り入れたりすることで、広告に温かみと独自性が生まれます

例:「この漬物ば食べれば、おばあちゃんを思い出すっちゃね」(九州地方の方言を意識)、「津軽の厳しい冬が育んだ、甘さの結晶」

商品の特徴を伝えるだけでなく、それによって顧客がどのような素晴らしい体験を得られるのかを想像させる言葉を選びましょう。

出身地の“懐かしさ訴求”や“地元愛”を刺激する言い回し

アンテナショップの重要なターゲット層の一つが、その地域の出身者やゆかりのある人々です。彼らの心に響くのは、論理的な説明よりも「懐かしい」「応援したい」という感情的な訴えかけです。

広告のキャッチコピーや文章に、彼らの記憶を呼び覚ますようなキーワードを散りばめることが効果的です。

 

訴求の切り口表現の具体例期待される効果
懐かしさ(ノスタルジー)「子供のころ、夏祭りで食べたあの味」「上京したあなたへ。故郷の香りを届けます」自身の思い出と商品を重ね合わせ、強い共感と購買意欲を生み出す。
地元愛(シビックプライド)「〇〇県民のソウルフード、ついに東京上陸!」「がんばる地元を、食で応援しよう」「自分たちの地元の産品を応援したい」という気持ちを喚起し、ファン化を促進する。
共通の体験「県民なら誰もが歌える、あのCMでおなじみの銘菓」「卒業式には、必ずこれを食べた」出身者同士の連帯感を強め、SNSなどでの口コミ拡散を誘発する。

これらの表現は、特にSNS広告や店舗のPOPなどで使用すると、ターゲットの目に留まりやすくなります。「これは自分のためのメッセージだ」と感じてもらうことが、来店や購買への強力な動機付けとなります。

観光客向けには「SNS映え」「限定感」の強調も◎

その地域にまだ詳しくない観光客や都心在住者に対しては、より分かりやすく、魅力的に映る訴求が求められます。特に「ここでしか体験できない」という特別感を演出することが、集客の鍵を握ります。

「撮りたい」「シェアしたい」を刺激する

SNSでの拡散は、現代において非常に強力な広告手法です。広告クリエイティブ自体がシェアしたくなるような魅力を備えていることが望ましいです。

  • 見た目のインパクト: カラフルなスイーツ、盛り付けの美しい郷土料理、ユニークな形状のパッケージなど、思わず写真に撮りたくなるようなビジュアルを前面に押し出します。
  • フォトスポットの設置: 店内にご当地キャラクターのパネルや、地域の絶景を模した壁紙などを用意し、「#〇〇県のアンテナショップ」といったハッシュタグと共に投稿を促すキャンペーンも有効です。

希少性で今すぐの行動を促す

「いつでも手に入る」と思われると、購買は後回しにされがちです。「今、ここでしか手に入らない」という限定感を強調し、来店や購入の機会損失を意識させることが大切です。

  • 「東京ではここだけ」: 入手困難であることをアピールします。
  • 「季節限定」「数量限定」: 旬の果物を使ったスイーツや、その時期にしか獲れない海産物など、時期を逃すと手に入らないことを明確に伝えます。
  • 「週末限定イベント」: 試食販売会や地酒の飲み比べイベントなどを告知し、来店する目的を具体的に示します。

これらの訴求は、Web広告のバナーやデジタルサイネージなど、短い時間で注意を引く必要のある媒体で特に高い効果を発揮します。

広告成功事例3選

アンテナショップの広告戦略を考える上で、他店の成功事例は非常に参考になります。ここでは、SNS、MEO(マップエンジン最適化)、そしてユニークな連携企画という3つの異なるアプローチで成果を上げた事例を具体的に解説します。自店の課題や目標に合わせて、これらの戦略のエッセンスを取り入れてみましょう。

Instagramキャンペーンで新商品を話題化

SNSの中でも特にビジュアル訴求に強いInstagramは、アンテナショップの魅力的な商品と相性が抜群です。北海道のアンテナショップ「北海道どさんこプラザ有楽町店」の事例をモデルに、キャンペーン成功のポイントを見ていきましょう。

この店舗では、季節限定で発売される新作スイーツのプロモーションとして、Instagramを活用したハッシュタグキャンペーンを展開しました。単に商品を宣伝するだけでなく、ユーザーを巻き込むことで大きな話題化に成功しました。

 

施策内容成功のポイント
新作の「濃厚ミルクと夕張メロンのプレミアムソフト」の発売に合わせ、「#どさんこプラザスイーツ部」のハッシュタグ投稿キャンペーンを実施。公式アカウントのフォローとハッシュタグ付きの投稿で、抽選で特産品セットが当たる企画。ユーザー参加型の企画にすることで、UGC(ユーザー生成コンテンツ)が自然発生的に増加し、広告費を抑えながらも情報の拡散を実現しました。ユーザー自身の言葉で語られる感想は、信頼性の高い口コミとして機能します。
北海道出身のインフルエンサーやグルメ系マイクロインフルエンサーに事前に商品を試食してもらい、発売日に一斉に投稿を依頼。インフルエンサーによる質の高い写真とリアルな感想が初速の話題作りとなり、キャンペーンの認知度を一気に高めました。ターゲット層と親和性の高い発信者を選ぶことが、共感を呼ぶ鍵となります。

この結果、キャンペーン期間中の来店客数は前月比で15%増加し、限定スイーツは連日完売となるほどの人気を博しました。さらに、公式アカウントのフォロワーも5,000人以上増加し、今後の情報発信の基盤強化にもつながっています。

Googleマップの強化で月間来店数20%アップ

都心部で多くの競合店がひしめく中、「見つけてもらう」ための施策としてGoogleマップの最適化(MEO)は極めて重要です。ここでは、東京・銀座にある「銀座熊本館」をモデルにしたMEO強化の成功事例を紹介します。

この店舗は、「銀座 ランチ」「有楽町 買い物」といったキーワードで検索する来店意欲の高いユーザーを取り込むため、Googleビジネスプロフィールの情報を徹底的に整備しました。

 

施策内容成功のポイント
Googleビジネスプロフィールの情報を網羅的に更新。営業時間や電話番号といった基本情報はもちろん、「テイクアウト可」「くまモングッズあり」などの属性情報を細かく設定。商品の写真や店内の360°ビューを充実させた。ユーザーが検索時に求める情報を先回りして掲載することで、利便性を高め、来店へのハードルを下げました。特に写真は、店内の雰囲気や品揃えを伝える上で非常に効果的です。
投稿機能を積極的に活用し、週に2〜3回のペースで「今週入荷の新鮮野菜」「週末限定いきなり団子の実演販売」といった最新情報を発信。常に新しい情報が更新されていることで、Googleからの評価が高まり検索結果で上位に表示されやすくなります。また、リピーター顧客に対しても再来店を促すきっかけ作りとなります。
寄せられる口コミすべてに、原則24時間以内に返信。高評価には感謝を、改善点の指摘には真摯な対応を約束するコメントを丁寧に記述した。誠実な口コミ対応は、顧客満足度の向上だけでなく、これから来店する潜在顧客への安心感にもつながります。店舗の信頼性を構築する上で欠かせない活動です。

これらの地道な取り組みにより、「銀座 熊本」などの関連キーワードでのマップ検索順位が3位以内に安定して表示されるようになりました。結果として、Googleマップ経由でのルート検索数は半年で1.5倍に増加し、月間の総来店者数を約20%押し上げる成果を上げています。

ふるさと納税と連動したプロモーションが話題に

オンラインの仕組みである「ふるさと納税」と、リアルな店舗体験を掛け合わせることで、大きな相乗効果を生み出した事例もあります。宮崎県のアンテナショップの取り組みをモデルに見ていきましょう。

このプロモーションは、ふるさと納税に関心はあるものの、返礼品の品質に不安を感じて一歩踏み出せない層をターゲットに設計されました。

この店舗では、ふるさと納税の返礼品として人気の高い宮崎牛や完熟マンゴー、地鶏などの実物を店内に特設コーナーを設けて展示。週末には、これらの食材を使った試食会を開催しました。「見て、触れて、味わえる」というリアルな体験を通して、返礼品の価値を実感してもらうことが狙いです。

さらに、店内にはタブレット端末を設置し、スタッフがその場でふるさと納税サイトの申し込み手続きをサポートする体制を整えました。店舗経由で寄付を行った人には、その場で使えるお買い物券をプレゼントする特典も用意し、来店メリットを最大化しました。

この戦略の成功ポイントは、オンライン(ふるさと納税)とオフライン(アンテナショップ)の顧客体験をシームレスに繋げた点にあります。納税者は安心して寄付ができ、自治体は寄付額の増加が見込めます。アンテナショップ側も、新たな客層の呼び込みと店舗売上の増加というメリットを享受でき、まさに「三方良し」の関係を築くことができました。このユニークな取り組みはテレビやWebメディアでも取り上げられ、宮崎県の地域全体のPRにも大きく貢献しました。

広告費の目安とメディア別の費用対効果

アンテナショップの広告戦略を具体的に進める上で、予算計画は極めて重要な判断材料となります。どの広告メディアにどれくらいの費用を投じれば、望む効果が得られるのでしょうか。ここでは主要な広告手法ごとの費用目安と、それぞれの費用対効果について詳しく解説します。オンラインとオフライン、双方の特性を理解し、自店舗の目標に合った広告プランを組み立てましょう。

SNS広告は少額からOK、MEOは無料施策でも効果大

Webを活用したデジタル広告は、少ない予算から始められ、データを基にした改善がしやすい点が大きな魅力です。特に、アンテナショップの魅力を視覚的に伝えたり、来店意欲の高いユーザーに直接アプローチしたりする上で高い効果を発揮します。

Instagram・Facebook広告で潜在顧客にアプローチ

InstagramやFacebookといったSNS広告は、月額数万円程度の少額予算からでも運用を開始できます。1日の予算を設定できるため、無理のない範囲で試せるのが利点です。費用は主に、広告が表示される回数(インプレッション課金)やクリックされた回数(クリック課金)に応じて発生します。

これらの広告の強みは、地域、年齢、性別、興味・関心といった詳細なターゲティングが可能な点です。例えば、「東京都心部に住む30代女性で、旅行や地方グルメに興味がある」といった層に絞って広告を配信できます。これにより、商品や地域に親和性の高い潜在顧客へ効率的に情報を届けられ、費用対効果を高めることが可能です。美しい写真や動画で特産品の魅力を伝えれば、エンゲージメント(いいね!やシェア)を通じて広告費以上の拡散も期待できるでしょう。

Google広告で「今すぐ行きたい」ユーザーを捉える

Google検索広告(リスティング広告)は、「銀座 アンテナショップ」「〇〇県 特産品」といった具体的なキーワードで検索しているユーザーに対して広告を表示する手法です。明確な目的を持って情報を探している顕在層に直接アプローチできるため、来店やオンライン購入に結びつきやすいという特徴があります。

費用はクリック課金制で、広告がクリックされるたびに料金が発生します。クリック単価はキーワードの競合性によって変動しますが、月額5万円~10万円程度から効果的な運用を目指せます。また、来店コンバージョン機能を使えば、広告を見たユーザーが実際に店舗を訪れた数を計測でき、オンライン広告のオフラインへの貢献度を可視化できます。

Googleマップの最適化(MEO)は費用をかけずに実践可能

MEO(Map Engine Optimization)は、Googleマップ上での検索順位を上げるための施策です。Googleビジネスプロフィールに店舗情報を正確に登録し、写真や最新情報、イベント告知などを定期的に更新することが基本となります。

これらの基本的な最適化作業は、費用をかけずに自社で実践できるにもかかわらず、非常に高い集客効果を見込めるのが最大のメリットです。「近くのアンテナショップ」といった地域性の高い検索に対して自店舗が上位表示されれば、来店に直結する可能性が飛躍的に高まります。利用者からの口コミ(レビュー)への丁寧な返信も、信頼性を高め、新規顧客の来店を後押しする重要な要素です。

チラシ・ローカルメディアの費用感と反応率

店舗周辺の地域住民や、特定の情報に関心を持つ層に直接アプローチするには、チラシや地域情報誌といったオフライン広告も依然として有効な手段です。Web広告とは異なる層にリーチできる可能性があります。

店舗周辺へのチラシ配布で地域住民に直接訴求

店舗の商圏内に住む人々やオフィスで働く人々へ直接情報を届けるには、チラシのポスティングや新聞折込が効果的です。費用は「デザイン制作費」「印刷費」「配布費」の合計で決まります。

例えば、A4カラーのチラシを1万部配布する場合、デザイン費に数万円、印刷費に2〜5万円、ポスティング費用に4〜7万円程度かかり、合計で10万円以上が一つの目安となるでしょう。一般的にチラシの反応率は0.01%~0.3%程度とされますが、「オープン記念クーポン」や「週末限定イベント」など、来店する明確な動機を提示することで反応率の向上が期待できます。効果測定がしやすくなる点もメリットです。

地域情報誌やフリーペーパーへの広告掲載

地域特化のフリーペーパーや、地域のタウン誌への広告掲載も有効な選択肢です。これらのメディアは、地域の情報に積極的な関心を持つ読者層に読まれているため、広告への注目度も高い傾向にあります。

掲載費用はメディアの発行部数や広告枠のサイズ、掲載場所によって大きく異なり、数万円の小さな枠から数十万円の特集記事広告まで様々です。メディアが持つ信頼性が店舗のイメージアップにもつながり、特に地域のファミリー層やシニア層へのアプローチに適しています。

 

アンテナショップの主要広告メディア別 費用対効果比較
広告手法費用目安(月額)課金形態費用対効果のポイント
SNS広告3万円~クリック課金(CPC) / インプレッション課金(CPM)詳細なターゲティングで潜在層に効率よくリーチできる。視覚的な訴求で共感を呼び、拡散が期待できる。
Google広告5万円~クリック課金(CPC)検索キーワードで顕在層に直接アプローチでき、来店や購入に結びつきやすい。効果測定がしやすい。
MEO対策0円~(自社対応)
※業者依頼は3万円~
– (施策ベース)無料で始められ、地域検索からの来店に直結しやすい。口コミが信頼性を高め、集客を後押しする。
チラシ・ポスティング10万円~(1万部配布の場合)制作・配布実費商圏内のターゲットに物理的に情報を届けられる。クーポンなどを活用すれば効果測定と来店促進が可能。
ローカルメディア広告5万円~掲載料地域情報に関心が高い読者層にリーチできる。メディアの信頼性が店舗のブランドイメージ向上につながる。

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まとめ

いかがだったでしょうか。アンテナショップの広告戦略で成果を出すには、単に商品を宣伝するだけでは不十分です。

成功の鍵は、その地域ならではの「物語」を伝えることにあります。特産品が生まれた背景や生産者の想いをInstagramの写真や言葉で表現したり、Googleマップで店舗の魅力を伝えたりすることで、消費者の共感や来店意欲を引き出せます。

オンラインとオフラインの広告を組み合わせ、地域色豊かなストーリーを発信することが、数ある競合の中から選ばれるための重要な一手となるでしょう。

この記事を書いた人

FC編集部

FC編集部

FORCLE編集部です。WEB広告やHP・LP制作、GoogleAnalyitcs分析など、さまざまな役立つ最新のWEBマーケティング情報を随時発信しています。