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Meta広告 バリュールールとは?設定方法と活用のポイントを徹底解説

Meta広告

  • 2025年12月15日
  • 2025年12月12日

あなたのビジネスにおいて、すべてのお客様は「平等」でしょうか?

例えば、1,000円のセール品だけを買うお客様と、定価で10,000円の商品を定期的に買ってくれるお客様。 「売上1件」とカウントすれば同じ「1」ですが、ビジネスへの貢献度は天と地ほどの差があります。

しかし、もしあなたのMeta広告が、この両者を区別せず「とにかく1件でも多く獲得してこい!」とAIに指示を出しているとしたらどうでしょう? AIは安く獲得できる「1,000円のお客様」ばかりを集め始め、結果として見かけのCPA(獲得単価)は良いのに、利益が残らない…という事態に陥ってしまいます。

そこで登場するのが、今回解説する「バリュールール(Value Rules)」です。

これは、MetaのAIに対して「この属性のお客様は、普段より高く評価してね」「この地域からの注文は、少し価値を下げて考えて」といった“ビジネスの重み付け”を教える機能です。

単なる「獲得数」ではなく「利益の質」を追求したいマーケターにとって、バリュールールは次なるステージへの必須科目です。その仕組みと設定方法を、どこよりも分かりやすく解説します。


Meta広告の「バリュールール」とは?

一言で言えば、「特定の条件に当てはまるユーザーのコンバージョン価値を、AIに高く(あるいは低く)見積もらせるルール設定」のことです。

バリュールールで何ができるのか

通常、Meta広告の管理画面上では、10,000円の購入は誰が買っても「10,000円の価値」として処理されます。 しかし、バリュールールを使うと、以下のような調整が可能になります。

・「ご新規さんの購入は、LTV(生涯顧客価値)が高いから、価値を1.5倍に見積もって」

・「東京都在住のユーザーはリピート率が高いから、価値を「+20%」して」

こうすることで、AIは「ご新規さん」や「東京在住者」に対して、より強気に入札を行うようになります。

従来の最適化との違い

従来の最適化(コンバージョン数最大化など):

「誰でもいいから、安くたくさん獲れる人」を探すのが得意。

バリュールールを適用した最適化(コンバージョン値の最大化):

「ビジネスにとって“真に価値ある人”」を優先的に探すようになります。

どんなビジネスに向いている機能なのか

特に以下のようなビジネスモデルで威力を発揮します。

ECサイト: 商品点数が多く、顧客単価にバラつきがある場合。

サブスクリプション: 初回契約の価値だけでなく、継続率(LTV)を加味したい場合。

リード獲得: 「資料請求(確度低)」と「問い合わせ(確度高)」の質を区別したい場合。

バリュールールの仕組みを理解する

この機能は、AIがオークションに参加する際の「入札判断」に直接介入します。

ユーザー属性・地域・デバイスなどの条件指定

ルールを適用するトリガーとなる条件は、主に以下のカテゴリから選べます。

配置:

Facebookフィード、Instagramストーリーズ、Audience Networkなど。

地域:

国、都道府県、市区町村など。

年齢・性別・デバイス:

デモグラフィック情報。

コンバージョン価値の倍率調整(増減)

条件に合致した場合、そのユーザーがもたらすコンバージョン価値(ROASの計算元となる売上金額など)を調整します。

 例:通常10,000円の購入価値 × ルール適用(1.2倍) = AI上の評価は12,000円

広告オークションの最適化にどう影響するのか

Metaのオークションは「入札額 × 推定アクション率 × 広告主にとっての価値」などで勝敗が決まります。 バリュールールで価値を高く設定すると、そのターゲットに対して実質的に入札単価を引き上げる効果があります。結果、競合に勝ちやすくなり、狙った層への露出が増えます。

バリュールールの設定方法(ステップごとに解説)

設定は「広告マネージャ」の「広告セット」から行います。

事前に必要な準備

特にありませんが、「CPA単価目標」、「コンバージョン値の最大化」、「ROAS目標」、「入札価格上限といった手動入札戦略」、「WhatsAppステータスの配置」では利用ができません。

「イベントマネージャ」からの設定手順

1.広告セットを開き、「ルールセットを作成」をクリックします。

2.条件(配置:Instagramストーリーズなど)を指定して、入札価格の増額または減額を設定。

3.条件は2件までなので、それ以上の件数がある場合は、「ルールを追加」で更に指定。

4.「次へ」を押した後に、バリュールールの名前を入力して保存

これで、バリュールールは作成されるので、後は適用したい広告セットで選択していけばバリュールールの設定は完了です。

ルール作成時の条件・倍率の考え方

「なんとなく1.5倍」にするのは危険です。必ず過去のデータに基づき設定しましょう。

CRMデータを分析: 「新規客は既存客より、将来的に20%多く利益をもたらす」などの根拠を見つけます。

利益率で考える: 送料が高い地域からの注文は価値を少し下げる(例:0.9倍)など、純利益ベースで調整するのも有効です。

推奨されるテスト方法

いきなり全適用するのではなく、A/Bテスト(リフト調査)を行うのが理想ですが、小規模運用の場合は「適用前後2週間」のROASと利益額の変化を慎重にモニタリングしましょう。

バリュールールで成果を最大化する活用シーン

具体的にどのような場面で使うと効果的なのでしょうか。代表的なパターンを4つ紹介します。

配置場所の価値を高めて獲得効率を改善

Facebookフィードでの売上が良いけど、AIが思ったようにこちらに配信してくれない。そんな時はFacebookフィードの入札価格を増額してみましょう。まずは10%からで様子を見ます。

地域ごとの利益差が大きいECでの活用

実店舗があり、特定エリア(商圏内)の顧客はリピート率が高い場合。 そのエリアからのコンバージョン価値を高く設定することで、重点エリアへの配信を強化し、地盤を固める戦略が取れます。

LTVの高いセグメントへの最適化

過去のデータから「30代女性はLTVが高い」と分かっているなら、そのデモグラフィック層の価値を引き上げます。 目先の1回の購入額だけでなく、将来の収益性を見越した投資が可能になります。

バリュールール運用の注意点

強力な機能ですが、諸刃の剣でもあります。以下の点に注意してください。

倍率を極端に上げ下げしない

「2倍」「0.1倍」といった極端な数値設定は、AIの学習モデルを混乱させます。通常は1.1倍〜1.5倍(または0.8倍〜0.9倍)程度の範囲で微調整を行うのが安全です。

学習フェーズが長引く可能性

バリュールールを適用・変更すると、AIにとっての「正解(価値)」の定義が変わるため、学習フェーズがリセットされたり、長引いたりすることがあります。頻繁な変更は避けましょう。

効果検証をしっかり追う

バリュールールを適用する前と後で、どれだけの効果があるのかは追っていきましょう。「Instagramストーリーズで成果が良いから増額!」とした結果、「あれ?なんかCPA上がってない?」といったことが起こる可能性はあります。

バリュールール内で競合する

バリュールールは基本的に一番上の設定が最優先で適用されます。例えば(こんなことはありませんが)、ルール1にFacebookフィードの増額を20%、ルール2にFacebookフィードの減額を10%にしたとすると、増額20%が適用される、といったものです。

実際に使う内容として近い例だと、「ルール1にInstagramストーリーズの成果が悪いから20%減額設定して、だけど20~30代の成果は良いからルール2にこの世代は増額」といった内容だと、「ストーリーズの購入層20%が『年代関係なく』減額される」ので要注意。

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まとめ|Meta広告のバリュールールは「経営視点」をAIに実装する機能

バリュールールは、単なる設定テクニックではありません。

「私たちのビジネスにとって、本当に大切な顧客は誰か?」

この問いに対する答えを、MetaのAIに教え込むプロセスです。

と、小難しい事を言ってきましたが、単純に「どの配置・年齢・地域・デバイスを増やして減らすか」を決めるものになっているので、まずは小さいところから始めてデータを収集してみるのがお勧めです。

このバリュールールも2025年に始まったばかりのもので、まだまだ扱い方が分からない方も多いと思いますが、使いこなせれば心強い味方になりますので、ぜひみなさんも挑戦してみてください。

Q&A

Q1:倍率は何倍くらいが適切?

A1:Metaは1.1〜1.3倍など、軽微な補正で始めることを推奨。極端な設定は学習が破綻しやすいです。

Q2:複数のバリュールールを同時に作れますか?

A2:作成は可能ですが、条件が重複する場合はルールが競合するため注意が必要。

Q3:イベントマネージャで設定するの?

A:いいえ。設定は広告マネージャの「広告セット内」で行います。

Q4:小規模な広告主でも使う意味はある?

A:ありますが、極端な増減はやめときましょう。

この記事を書いた人

FC編集部

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