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Meta広告のフレキシブルフォーマットとは?仕組み・設定方法を徹底解説

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Meta広告

  • 2025年10月23日
  • 2025年10月18日

Meta広告のフレキシブルフォーマットは、複数のクリエイティブ素材を登録するだけで、ユーザーに合わせて最適な組み合わせを自動で配信してくれる機能です。

この機能を使いこなし、広告効果を最大化したいと思う方も多いでしょう。

しかし、具体的な設定方法や効果的な活用法が分からず、成果に繋がらないというケースも少なくありません。

本記事では、その仕組みから設定手順、改善事例までを初心者にも分かりやすく解説します。

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Meta広告の「フレキシブルフォーマット」とは

Meta広告(旧Facebook広告)の「フレキシブルフォーマット」とは、複数の広告アセット(画像、動画、テキストなど)を登録することで、Metaの機械学習がユーザーや配置(プレースメント)に応じて最適な組み合わせを自動で生成し、配信する広告機能です。広告のパフォーマンスを最大化させることを目的に設計されています。

従来のように広告クリエイティブを1パターンずつ手動で作成・設定するのではなく、素材を複数用意するだけで、システムが最も効果の高い組み合わせを見つけ出してくれます。

広告運用者はクリエイティブテストの工数を大幅に削減しながら、広告効果の向上を目指すことが可能になります。

従来の広告フォーマットとの根本的な違い

フレキシブルフォーマットと従来の広告フォーマットの最も大きな違いは、「クリエイティブの組み合わせ方」と「最適化の仕組み」にあります。具体的にどのような点が異なるのか、以下の表で比較してみましょう。

 

比較項目フレキシブルフォーマット従来の広告フォーマット
クリエイティブの組み合わせ複数のアセットからシステムが自動で組み合わせを生成運用者が手動で1つの組み合わせ(例:画像1枚+見出し1つ)を作成
最適化の方法ユーザーや配置ごとに最適な組み合わせをリアルタイムで配信設定した1つの広告をそのまま配信(A/Bテストは別途設定が必要)
運用者の手間素材を複数入稿するだけで、多様なパターンを配信可能(工数削減)パターンごとに個別の広告を作成・入稿する必要がある(工数がかかる)
対応できる配置多様な配置(フィード、ストーリーズ、リール等)に自動で最適化配置ごとに最適なクリエイティブを個別に作成・設定することが望ましい

フレキシブルフォーマットは、広告配信の最適化をMetaのシステムに委ねることで、より効率的かつ効果的な広告運用を実現するための機能と言えます。

なぜ今、フレキシブルフォーマットが重要なのか

Meta広告において、フレキシブルフォーマットの重要性が高まっている背景には、主に2つの要因があります。

1. ユーザー行動と閲覧環境の多様化

現代のユーザーは、スマートフォンやPCなど複数のデバイスを使い分け、Facebookのフィード、Instagramのストーリーズやリールといった様々な場所でコンテンツを消費しています。ユーザー一人ひとりの興味関心や、広告に接触するタイミング・場所は千差万別です。このような状況下で、画一的な広告を配信するだけでは十分な成果を得ることは難しく、個々のユーザーや状況に合わせた広告を出し分ける必要性が高まっています。

2. 広告運用における機械学習の進化

Metaの広告配信アルゴリズムは日々進化しており、膨大なデータを基にした機械学習の精度が向上しています。どのユーザーに、どのタイミングで、どのクリエイティブを見せれば最も効果が高いかを、人間が判断するよりも速く正確にシステムが予測できるようになりました。この進化した機械学習の能力を最大限に活用するのがフレキシブルフォーマットであり、現代の広告運用において成果を出すためのスタンダードな手法となりつつあります。

フレキシブルフォーマットで実現できること

フレキシブルフォーマットを活用することで、広告運用者は以下のようなメリットを得ることができます。

  • 広告パフォーマンスの向上: 機械学習が最もコンバージョンにつながりやすいクリエイティブの組み合わせを自動で発見し、重点的に配信するため、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)の改善が期待できます。
  • クリエイティブの疲弊防止: 複数の素材を組み合わせることで、ユーザーに表示される広告のバリエーションが増えます。これにより、同じ広告が繰り返し表示されることによる「広告疲れ」を軽減し、広告のライフサイクルを延ばす効果が見込めます。
  • 効率的なクリエイティブテスト: どの画像や動画、どの見出しや説明文がユーザーの反応が良いのかを、大規模なA/Bテストを手動で組むことなく効率的に検証できます。成果の良いアセットの傾向を把握し、次回のクリエイティブ制作に活かすことも可能です。
  • 多様なプレースメントへの自動最適化: 様々なサイズ(アスペクト比)の画像や動画を入稿しておけば、フィード、ストーリーズ、リールといった各配置のフォーマットに合わせて、システムが自動で見栄えを調整して配信します。これにより、すべての配置で広告の表示機会を逃さず、効果を最大化できます。

Meta広告フレキシブルフォーマットの仕組みと最適化ロジック

Meta広告のフレキシブルフォーマットは、単に複数の素材を登録できる機能ではありません。その裏側では、Metaの高度な機械学習アルゴリズムが働き、広告効果を最大化するための複雑な処理が実行されています。ここでは、その根幹となる「仕組み」と「最適化ロジック」について詳しく解説します。

複数の広告アセットを動的に組み合わせる仕組み

フレキシブルフォーマットの基本的な仕組みは、広告主が登録した複数の広告アセット(素材)を、システムがリアルタイムで動的に組み合わせ、ユーザーごとに最適な広告クリエイティブを生成・配信する点にあります。従来のように「1つの画像と1つの広告文」といった固定の組み合わせではなく、用意された素材の中から最適なセットを都度作り出すのが最大の特徴です。

広告を構成する主なアセットは以下の通りです。これらのアセットを複数パターン用意することで、組み合わせのバリエーションが飛躍的に増加します。

 

アセットの種類役割と概要ポイント
画像・動画広告のメインとなるビジュアル要素です。ユーザーの目を引き、商品やサービスの魅力を直感的に伝えます。静止画だけでなく、動画やカルーセル形式も利用可能です。訴求軸の異なる複数のビジュアルを用意することが推奨されます。
メインテキスト広告クリエイティブの上部(または主要な位置)に表示される文章です。広告で最も伝えたいメッセージを記述します。冒頭でユーザーの興味を引くことや、具体的なベネフィットを提示することが重要です。
見出し画像や動画の下などに太字で表示される短いテキストです。ユーザーの注意を引きつけ、クリックを促す役割を持ちます。簡潔でインパクトのある言葉を選び、複数のパターンをテストすることが効果的です。
説明見出しの下などに表示され、見出しを補足する情報を提供します。リンク先の内容を簡潔に説明する役割があります。限定オファーや送料無料など、クリックを後押しする追加情報を記載すると良いでしょう。
コールトゥアクション(CTA)「詳しくはこちら」「購入する」といった、ユーザーの次の行動を促すボタンです。広告の目的に合った文言(例:ECサイトなら「購入する」、資料請求なら「ダウンロード」)を選択します。

配信面に応じたレイアウトの自動調整

Meta広告は、Facebookフィード、Instagramストーリーズ、リール、Messengerなど、多岐にわたる配信面(プレースメント)を持っています。フレキシブルフォーマットは、これらの各配信面の特性に合わせて、広告のレイアウトやアセットの表示形式を自動で最適化します。

例えば、Instagramストーリーズでは縦長のフォーマットが基本となるため、システムが登録された画像や動画を自動でトリミングしたり、テキストの配置を調整したりします。これにより、広告主は配信面ごとにクリエイティブを作り分ける手間を大幅に削減でき、どの配信面でもユーザーにとって見やすい形で広告を表示させることが可能になります。

Metaの機械学習による最適化ロジック

フレキシブルフォーマットの真価は、Metaの強力な機械学習による最適化ロジックにあります。システムは膨大なデータを基に、「どのユーザーに」「どのタイミングで」「どのアセットの組み合わせを見せるか」を判断し、広告のパフォーマンスを最大化しようとします。

ユーザー単位でのパーソナライゼーション

最適化の最も重要な要素は、ユーザー一人ひとりに合わせたパーソナライゼーションです。Metaはユーザーの年齢・性別・地域といったデモグラフィック情報に加え、過去の行動履歴(どのような投稿に「いいね」をしたか、どのような広告をクリックしたかなど)や興味関心を詳細に把握しています。

フレキシブルフォーマットでは、これらの情報を基に、各ユーザーが最も反応する可能性が高いと予測される画像、見出し、メインテキストの組み合わせを自動で選択し、表示します。例えば、価格訴求に反応しやすいユーザーには割引を強調した見出しを、機能性を重視するユーザーには製品の特長を伝える画像を表示するといった、きめ細やかな配信が自動で行われます。

パフォーマンス予測と配信の最適化

広告配信が開始されると、システムは各アセットの組み合わせのパフォーマンスを継続的に学習します。初期段階では、さまざまな組み合わせをテスト配信してデータを収集し(探索フェーズ)、どの組み合わせが高いクリック率やコンバージョン率を生むかを分析します。

そして、高いパフォーマンスが期待できると判断された組み合わせは、より多くのユーザーへと優先的に配信されるようになります(活用フェーズ)。この「探索」と「活用」のサイクルを高速で繰り返すことで、広告キャンペーン全体の効果が継続的に改善されていくのです。

学習期間の重要性

この最適化ロジックが効果的に機能するためには、一定量のデータ収集と分析を行うための「学習期間」が必要です。広告セットが作成または大幅に編集されると、システムは学習フェーズに入ります。

この期間中は、最適な配信パターンを見つけるためにパフォーマンスが不安定になることがありますが、これは正常なプロセスです。学習期間中に広告セットの予算やターゲティング、クリエイティブを頻繁に変更すると、学習がリセットされてしまい、最適化が遅れる原因となります。システムが十分なデータを蓄積し、学習を完了させるまで、むやみな変更は避けることが賢明です。

Meta広告フレキシブルフォーマットの設定方法【初心者向け手順】

ここからは、実際にMeta広告マネージャを操作して、フレキシブルフォーマット広告を設定する手順を解説します。ECサイトの商品を宣伝するケースを例に、初心者の方でも迷わないよう、各ステップを丁寧に説明していきます。

ステップ1:キャンペーンの作成と目的の選択

まず、広告キャンペーンを新規で作成します。フレキシブルフォーマットは、カタログと連携して配信するため、カタログ販売を目的としたキャンペーンで利用するのが一般的です。広告マネージャの「+作成」ボタンから開始しましょう。

キャンペーンの目的を選択する画面では、「売上」を選択し、「続行」をクリックします。次の画面で「Advantage+ ショッピングキャンペーン」と「手動売上キャンペーン」の選択肢が表示されますので、「手動売上キャンペーン」を選び、キャンペーン設定を進めてください。

ステップ2:広告セットの設定

次に広告セットの階層で、広告配信の基本的な設定を行います。特にフレキシブルフォーマットを利用する上で重要な項目は「コンバージョン」と「カタログ」です。

  1. コンバージョンイベントの場所:広告の成果を計測する場所を指定します。「ウェブサイト」を選択し、ピクセルで計測したいコンバージョンイベント(例:「購入」)を設定します。
  2. カタログ:この項目をオンに切り替えます。事前に登録しておいた商品カタログを選択してください。カタログを選択すると、その下の「商品セット」で、カタログの中から広告に使用したい商品のグループを選ぶことができます。
  3. オーディエンス・配置・予算:ターゲットとするオーディエンスや広告を配信する場所(配置)、1日の予算などを設定します。これらは通常の広告設定と同様です。Advantage+ 配置を利用すると、Metaの機械学習が最適な配置を自動で選択してくれます。

ステップ3:広告クリエイティブの設定(フレキシブルフォーマットの選択)

最後に広告階層で、ユーザーに表示されるクリエイティブを設定します。ここがフレキシブルフォーマットを設定する中心的なステップです。

1. アイデンティティの設定

広告を配信するFacebookページと、連携している場合はInstagramアカウントを選択します。

2. 広告設定とフォーマットの選択

「広告設定」の項目で「カタログ」が選択されていることを確認します。次に、「フォーマット」の項目で「フレキシブル」を選択してください。ここに「シングル画像または動画」「カルーセル」と並んで「フレキシブル」の選択肢が表示されます。

3. クリエイティブアセットの入稿

「広告クリエイティブ」のセクションで、広告に使用する画像、動画、テキストなどのアセットを入稿します。ここで入稿した複数の素材を、Metaのシステムが自動で組み合わせて最適な広告を生成します。入稿できるアセットの主な仕様は以下の通りです。

 

アセットの種類推奨仕様・条件備考
画像アスペクト比:1.91:1、1:1
ファイル形式:JPGまたはPNG
最小解像度:600×600ピクセル
商品の魅力が伝わる高品質な画像を複数パターン用意しましょう。
動画アスペクト比:1:1、4:5、9:16
ファイル形式:MP4、MOVなど
長さ:15秒以内を推奨
音声なしでも内容が伝わるように、テキストや字幕を入れるのが効果的です。
メインテキスト125文字以内を推奨広告の最も主要な説明文です。複数のパターンを登録できます。
見出し40文字以内を推奨ユーザーの目を引く簡潔なキャッチコピーです。複数登録することでテストが可能です。
説明30文字以内を推奨見出しを補足するテキストです。リンクの下などに表示されることがあります。

画像や動画、テキストはそれぞれ複数登録することが可能です。多様なアセットを登録することで、Metaの最適化システムがより多くの組み合わせを試すことができ、パフォーマンスの向上につながります。

4. コールトゥアクションとリンクの設定

最後に、ユーザーに取ってもらいたい行動を促す「コールトゥアクション」ボタン(例:「詳しくはこちら」「購入する」など)を選択します。リンク先のURLはカタログの商品情報から自動で設定されますが、必要に応じて「ウェブサイトのURL」で特定のページを指定することもできます。

5. プレビューで確認と公開

すべての設定が完了したら、画面右側の「広告プレビュー」で、実際の表示イメージを確認しましょう。FacebookフィードやInstagramストーリーズなど、配置ごとに表示がどう変わるかを確認できます。問題がなければ「公開する」ボタンをクリックして、広告の審査が開始されます。審査が承認されれば、設定したスケジュールで広告配信がスタートします。

Meta広告フレキシブルフォーマットを活用した改善事例

Meta広告のフレキシブルフォーマットは、AIによる自動最適化を通じて広告パフォーマンスを向上させる強力な機能です。ここでは、様々な業種・目的でフレキシブルフォーマットを活用し、実際に成果を改善した具体的な事例を紹介します。

事例1:アパレルECサイトにおけるCPA改善とROAS向上

課題:クリエイティブの疲弊によるCPAの高騰

主に静止画のバナー広告を配信していましたが、長期間同じようなクリエイティブを使い続けた結果、ユーザーに飽きられてしまい、クリック率(CTR)が徐々に低下していました。それに伴い、顧客獲得単価(CPA)が高騰し、広告費用対効果(ROAS)も悪化している状況でした。

施策:フレキシブルフォーマットで多様なクリエイティブを自動生成

課題解決のため、フレキシブルフォーマットを導入しました。具体的には、これまで効果の高かった商品画像に加え、モデルの着用画像、商品のディテールが分かるクローズアップ画像、短いコーディネート紹介動画など、複数のビジュアル素材を用意。さらに、「セール開催中」「新商品入荷」「送料無料」といった異なる訴求軸のテキストを複数パターン入稿しました。

結果:最適な組み合わせの発見によりCPAが30%改善

配信後、MetaのAIがユーザーの興味関心や過去の行動データに基づき、最適な「画像・動画×テキスト」の組み合わせを自動で配信。その結果、これまで手動では見つけられなかった高パフォーマンスな広告クリエイティブが自動で生成され、CTRが大幅に向上。最終的に、CPAを30%改善し、ROASも1.5倍に向上させることに成功しました。

 

施策前後のパフォーマンス比較(アパレルECサイト)
指標施策前(通常配信)施策後(フレキシブルフォーマット)
CPA(顧客獲得単価)5,000円3,500円(30%改善)
CTR(クリック率)0.8%1.5%
ROAS(広告費用対効果)250%375%

事例2:BtoB向けSaaSのリード獲得単価(CPL)の削減

課題:ターゲット層が限定的で、広告効果が頭打ち

あるBtoB向けSaaS企業では、ターゲットを特定の業界の管理職層に絞って広告を配信していました。しかし、ターゲットが限定的であるため、同じクリエイティブを繰り返し表示することになり、広告効果が頭打ちになっていました。新たなリードを獲得するためのCPL(リード獲得単価)は上昇傾向にあり、効率的な広告運用が求められていました。

施策:ターゲットの課題に合わせた訴求軸を複数テスト

この企業はフレキシブルフォーマットを活用し、ターゲットが抱えるであろう複数の課題に対応した訴求軸をテストすることにしました。「コスト削減」「業務効率化」「セキュリティ強化」「チームの生産性向上」といった異なる切り口の見出しと説明文を複数作成。それぞれに合わせたサービス画面のスクリーンショットや導入事例の図解などを画像素材として入稿し、どの訴求が最もターゲットに響くのかを検証しました。

結果:最も響く訴求を発見し、CPLを25%削減

フレキシブルフォーマットによる配信の結果、「業務効率化」を訴求するテキストと、具体的な操作画面を見せる画像の組み合わせが最も高いコンバージョン率を記録することが判明しました。この勝ちパターンに予算を集中させることで、広告全体のパフォーマンスが向上し、最終的にCPLを25%削減することに成功。これまでアプローチしきれていなかった潜在層からのリード獲得にも繋がりました。

施策前後のパフォーマンス比較(BtoB向けSaaS)
指標施策前(通常配信)施策後(フレキシブルフォーマット)
CPL(リード獲得単価)12,000円9,000円(25%削減)
CVR(コンバージョン率)1.2%1.8%
リード獲得数月間50件月間70件

事例3:モバイルゲームアプリのインストール単価(CPI)の抑制

課題:動画広告の制作コストと効果検証の非効率性

このモバイルゲームアプリのプロモーションでは、複数の動画広告を制作して配信していましたが、どの動画のどの要素がインストールに繋がっているのかを正確に分析することが困難でした。また、新しい動画クリエイティブを制作するには時間とコストがかかり、効果検証のサイクルが遅くなっている点も課題でした。

施策:静止画と動画を組み合わせたクリエイティブテスト

そこで、フレキシブルフォーマットを導入し、クリエイティブテストの効率化を図りました。用意したのは、ゲームの魅力的なキャラクターを描いた静止画数点、実際のプレイシーンを切り取った短い動画クリップ数点、そして「今すぐダウンロード」「無料でプレイ」といった複数のコールトゥアクションを含むテキストです。これらをまとめて入稿し、AIに配信を任せました。

結果:高パフォーマンスな素材の特定とCPIの20%改善

AIが静止画、動画、テキストを様々に組み合わせて配信・学習を進めた結果、特定の人気キャラクターの静止画と、爽快感のあるプレイ動画の組み合わせが、最もアプリのインストール率を高めることが明らかになりました。この結果に基づき、その後のクリエイティブ制作の方針を「人気キャラクター×爽快なプレイシーン」に絞ることができ、制作コストを抑えながら効率的に広告効果を最大化。結果として、CPI(インストール単価)を20%改善させることに成功しました。

Meta広告でフレキシブルフォーマットが表示されない場合の原因と対処法

Meta広告のフレキシブルフォーマットは、広告のパフォーマンスを自動で最適化してくれる便利な機能ですが、「設定したはずなのに、意図したフォーマットで表示されない」という問題に直面することがあります。このような状況は、いくつかの原因が考えられます。

この章では、フレキシブルフォーマットが正常に機能しない場合の主な原因と、それぞれの具体的な対処法について、初心者の方にも分かりやすく解説します。

原因1:キャンペーン設定が要件を満たしていない

広告が表示されない原因として、まず確認すべきはキャンペーンや広告セットの設定です。フレキシブルフォーマットには利用できる条件があり、それを満たしていない可能性があります。

対応していない「配置」を選択している

フレキシブルフォーマットは、すべての広告配置で利用できるわけではありません。例えば、Audience NetworkやMessengerの一部など、特定の配置では機能が制限される場合があります。

対処法としては、広告セットの配置設定を「Advantage+ 配置(旧:自動配置)」にすることをおすすめします。これにより、システムが自動的にフレキシブルフォーマットに対応した効果的な配置へ広告を配信してくれます。手動で配置を選ぶ場合は、FacebookやInstagramのフィード、ストーリーズ、リールなど、対応が確認されている主要な配置を選択するようにしましょう。

非対応の「キャンペーンの目的」を設定している

キャンペーン作成時に選択する「目的」によっては、フレキシブルフォーマットが利用できない、あるいは機能が限定されることがあります。特に「エンゲージメント」目的の一部などでは、他の目的(例:「売上」「リード」)と比較して、フォーマットの最適化が想定通りに進まないケースが報告されています。

もし表示に問題がある場合は、キャンペーンの目的が「売上」「リード」「トラフィック」など、フレキシブルフォーマットの利用が推奨されているものになっているかを確認してください。

ダイナミッククリエイティブと併用している

「ダイナミッククリエイティブ」と「フレキシブルフォーマット」は、どちらも複数のアセットを組み合わせて広告を最適化する機能ですが、これらは併用できません。広告セット設定で「ダイナミッククリエイティブ」をオンにしている場合、フレキシブルフォーマットは機能しません。

どちらの機能を利用するかを明確にし、フレキシブルフォーマットを使いたい場合は、ダイナミッククリエイティブのオプションがオフになっていることを必ず確認しましょう。

原因2:クリエイティブアセットが不足・不適切

フレキシブルフォーマットの最適化は、登録されたクリエイティブアセット(画像、動画、テキストなど)の量と質に大きく依存します。アセットに問題があると、最適化の選択肢が狭まり、結果として表示機会を失うことがあります。

推奨される素材数や種類を満たしていない

Metaの機械学習が効果的に機能するためには、比較検討できるだけの十分な数のクリエイティブ素材が必要です。画像が1枚だけ、見出しが1つだけといった状態では、組み合わせのパターンが作れず、最適化のしようがありません。

画像は3枚以上、見出しや説明文は複数パターンを用意するなど、Metaが推奨するアセット数を満たすようにしましょう。静止画だけでなく、動画素材も加えることで、より多様なフォーマットへの最適化が期待できます。

画像・動画のアスペクト比が不適切

各広告配置には、推奨されるアスペクト比(画像の縦横比)が存在します。例えば、ストーリーズやリールでは縦長(9:16)、フィードでは正方形(1:1)が主流です。1種類のアスペクト比の素材しか用意していない場合、他のアスペクト比が求められる配置では広告が表示されにくくなります。

1:1(スクエア)、9:16(縦長)、1.91:1(横長)の3種類のアスペクト比のクリエイティブを用意することが理想です。これにより、あらゆる配置に対して最適な形で広告を表示できるようになり、フレキシブルフォーマットの効果を最大限に引き出せます。

広告ポリシーに準拠していない

登録した複数のアセットの中に、一つでもMetaの広告ポリシーに違反しているものが含まれていると、そのアセットを使用した広告配信が停止されたり、広告セット全体の審査が不承認になったりする可能性があります。

使用しているすべての画像、動画、テキストが広告ポリシーを遵守しているか、再度確認してください。特に、肌の露出が多い画像や、誤解を招くようなテキストは否認されやすいため注意が必要です。

原因3:アカウントや配信状況による要因

設定やクリエイティブに問題がなくても、アカウントの状態や広告の配信ステータスによってフレキシブルフォーマットが機能しないケースもあります。

アカウントに機能がロールアウトされていない

Metaの新機能は、すべての広告アカウントに一斉に導入されるわけではなく、段階的に展開(ロールアウト)されます。そのため、広告マネージャ上でフレキシブルフォーマットのオプション自体が表示されない場合、ご自身のアカウントにはまだこの機能が提供されていない可能性があります。この場合、残念ながらユーザー側でできることは少なく、機能が利用可能になるのを待つしかありません。

広告の学習期間が完了していない

広告配信を開始した直後は、システムが「どのようなユーザーに、どのクリエイティブの組み合わせを見せれば最も効果的か」を学習している「学習期間」に入ります。この期間中は、パフォーマンスが安定せず、特定のフォーマットの表示が少なくなることがあります。

学習期間が完了するまでは、広告セットの大きな変更を避け、辛抱強く配信を続けることが重要です。一般的に、1週間で50件程度のコンバージョンが発生すると学習が完了すると言われています。学習が完了すれば、最適化が進み、様々なフォーマットで広告が表示されるようになります。

 

フレキシブルフォーマットが表示されない場合のチェックリスト
確認カテゴリ原因の可能性対処法
キャンペーン設定対応していない配置を選択している配置を「Advantage+ 配置」にするか、Facebook・Instagramのフィードやストーリーズなどを選択する。
キャンペーン設定非対応のキャンペーン目的を設定している「売上」「リード」「トラフィック」など、対応している目的に変更する。
キャンペーン設定ダイナミッククリエイティブと併用しているダイナミッククリエイティブのオプションをオフにする。
クリエイティブアセットの数や種類が不足している画像3枚以上、動画1本以上、見出し・説明文を複数など、推奨数を満たす。
クリエイティブアスペクト比が1種類しかない1:1、9:16、1.91:1など、複数のアスペクト比の素材を用意する。
クリエイティブ広告ポリシーに違反しているアセットがあるすべてのアセットがポリシーを遵守しているか確認し、違反しているものを修正・削除する。
配信状況広告の学習期間中である学習が完了するまで(コンバージョン約50件が目安)大きな変更をせずに配信を続ける。

Meta広告フレキシブルフォーマットのメリット・デメリット

Meta広告のフレキシブルフォーマットは、広告運用の効率化とパフォーマンス向上に大きく貢献する機能ですが、導入する前にそのメリットとデメリットを正確に理解しておくことが重要です。ここでは、具体的な利点と注意すべき点を詳しく解説します。

フレキシブルフォーマットの4つのメリット

まずは、フレキシブルフォーマットを活用することで得られる主なメリットを4つ紹介します。

1. クリエイティブ制作・運用の工数削減

最大のメリットは、広告クリエイティブの制作と運用にかかる工数を大幅に削減できる点です。従来の方法では、広告セットごとに画像や動画、テキストを一つひとつ設定し、複数のバリエーションを作成するには多くの時間と手間が必要でした。しかし、フレキシブルフォーマットでは、複数の画像・動画素材とテキストアセットを一度入稿するだけで、Metaのシステムがそれらを自動で組み合わせて多様な広告パターンを生成してくれます。これにより、広告担当者はクリエイティブの組み合わせ作業から解放され、より戦略的な分析や企画に時間を割くことが可能になります。

2. 機械学習による広告パフォーマンスの最大化

フレキシブルフォーマットは、Metaの強力な機械学習アルゴリズムを最大限に活用します。入稿された複数のアセットから、ユーザーごと、広告の配置(フィード、ストーリーズなど)ごとに最も成果が高いと予測される組み合わせをリアルタイムで選択し、配信します。この自動最適化により、手動でA/Bテストを行うよりもはるかに効率的に、クリック率(CTR)やコンバージョン率(CVR)の向上が期待でき、広告費用対効果(ROAS)の最大化を目指せます。

3. ユーザーごとに最適化された広告による体験向上

ユーザーが見る広告は、その人の興味関心や過去の行動データに基づいてパーソナライズされます。例えば、あるユーザーにはAの画像とBの見出しの組み合わせが、別のユーザーにはCの動画とDの説明文の組み合わせが表示される、といった具合です。このように、各ユーザーにとって関連性の高い広告が表示されるため、広告に対するストレスが軽減され、よりポジティブなユーザー体験につながります。結果として、ブランドへの好感度向上も期待できるでしょう。

4. 新たな「勝ちパターン」の発見

広告運用者が手動でテストできるクリエイティブの組み合わせには限界があります。しかし、フレキシブルフォーマットは機械学習によって膨大な数の組み合わせを自動でテストするため、人間では思いつかなかったような、予想外の「勝ちパターン」を発見できる可能性があります。例えば、「この画像とこの見出しの相性が良いとは思わなかった」というような新たな知見が得られ、今後のクリエイティブ戦略に活かすことができます。

フレキシブルフォーマットの3つのデメリットと注意点

多くのメリットがある一方で、フレキシブルフォーマットにはいくつかのデメリットや注意すべき点も存在します。

1. 詳細なクリエイティブ分析の難しさ

フレキシブルフォーマットの大きな課題として、どのクリエイティブアセットの組み合わせが最も高い成果を上げたのか、詳細なパフォーマンスデータを確認することが難しい点が挙げられます。広告マネージャでは、個々の画像や見出し単位での大まかなパフォーマンスは確認できますが、「どの画像」と「どの見出し」の組み合わせがコンバージョンに繋がったのか、という具体的な分析は困難です。そのため、詳細なデータに基づいてクリエイティブを改善したい場合には、もどかしさを感じることがあります。

2. 意図しない組み合わせで表示されるリスク

広告クリエイティブは自動で生成されるため、画像、見出し、説明文の組み合わせによっては、広告主が意図しない文脈や不自然なメッセージとしてユーザーに伝わってしまうリスクがあります。例えば、シリアスな雰囲気の画像に軽いトーンの見出しが組み合わされると、ブランドイメージを損なう可能性があります。入稿前には、どのような組み合わせが生成される可能性があるかを想定し、どの素材と組み合わせても問題ないアセットを用意することが重要です。

3. 細かな配信コントロールができない

最適化はMetaのアルゴリズムに一任されるため、広告主側での細かなコントロールはできません。「この画像とこのテキストの組み合わせを重点的に配信したい」といった特定の組み合わせを意図的にテストしたり、配信量を調整したりすることは不可能です。あくまでも全体のパフォーマンスを最大化することが目的の機能であるため、特定のクリエイティブの効果を厳密に検証したい場合は、従来のA/Bテスト機能など、別の手法を選択する必要があります。

これらのメリット・デメリットをまとめると、以下のようになります。

 

項目メリットデメリット
運用工数クリエイティブ制作・入稿の手間が大幅に削減される。特になし。
広告パフォーマンス機械学習により自動で最適化され、成果の最大化が期待できる。特定の組み合わせの成果が分からず、詳細な分析が難しい。
クリエイティブ想定外の「勝ちパターン」を発見できる可能性がある。意図しない組み合わせで表示され、ブランドイメージを損なうリスクがある。
コントロール性多様なユーザーと配置に合わせた配信が可能。特定の組み合わせをテストするなど、細かな配信制御ができない。

他フォーマット(動画・コレクション広告等)との使い分け方

Meta広告には、フレキシブルフォーマット以外にも様々な広告フォーマットが存在します。それぞれのフォーマットに特長があり、広告キャンペーンの目的や保有しているクリエイティブ素材に応じて使い分けることで、広告効果の最大化が期待できます。ここでは、代表的な広告フォーマットとの使い分け方を具体的に解説します。

広告の目的(キャンペーン目的)に応じた使い分け

Meta広告では、キャンペーン設定時に「認知」「トラフィック」「エンゲージメント」「コンバージョン」といった目的を選択します。この目的に合わせて最適なフォーマットを選ぶことが、成果を出すための第一歩です。

例えば、ブランドの認知度を広げたい場合は、視覚的なインパクトが強く、多くのユーザーにリーチできる動画広告やインスタントエクスペリエンス広告が効果的です。一方で、商品の購入やサービスの申し込みといったコンバージョンを目的とする場合は、ユーザーの反応が良いクリエイティブを自動で最適化してくれるフレキシブルフォーマットや、複数の商品を提示できるコレクション広告が向いています。

各目的とフォーマットの相性は以下の表を参考にしてください。

 

キャンペーン目的相性の良いフォーマット選定理由
認知度向上動画広告、インスタントエクスペリエンス広告、フレキシブルフォーマット視覚的なインパクトでブランドイメージを伝えやすく、幅広い層にリーチできるため。フレキシブルフォーマットは多様な配置でリーチを最大化します。
比較・検討(トラフィック、エンゲージメント)カルーセル広告、コレクション広告、フレキシブルフォーマット複数の商品や特徴を提示し、ユーザーに比較検討を促せるため。フレキシブルフォーマットは、検討段階のユーザーに最も響く訴求を自動でテスト・配信できる点が強みです。
コンバージョン獲得フレキシブルフォーマット、コレクション広告、ダイナミック広告購入意欲の高いユーザーに対し、最適なクリエイティブや関連商品を提示して直接的なアクションを促せるため。特にフレキシブルフォーマットはコンバージョン獲得の機械学習に優れています。

保有しているクリエイティブ素材に応じた使い分け

どのようなクリエイティブ素材(画像や動画)を準備できるかによっても、選択すべきフォーマットは変わります。限られた素材で高い効果を目指したい場合に、フレキシブルフォーマットは非常に有効な選択肢となります。

  • 静止画素材が中心の場合: シングル画像広告やカルーセル広告が基本です。しかし、どの画像とテキストの組み合わせが良いか分からない場合は、複数の静止画とテキストを登録するだけで最適な組み合わせを自動で探してくれるフレキシブルフォーマットの活用をおすすめします。
  • 動画素材がある場合: 動きや音で商品の魅力を伝えられる動画広告が第一候補です。フレキシブルフォーマットでも動画素材は利用可能で、静止画と動画を組み合わせて登録することで、配置やユーザーに応じて最適なフォーマットを配信してくれます。
  • 高品質な素材が複数ある場合: 複数の画像や動画を組み合わせてストーリーを伝えられるカルーセル広告や、没入感のある体験を提供できるインスタントエクスペリエンス広告が適しています。

各フォーマットとの具体的な使い分けシナリオ

ここでは、より具体的に各フォーマットとフレキシブルフォーマットをどのように使い分けるべきか、シナリオ別に解説します。

静止画広告との使い分け

静止画広告は、1枚の画像でメッセージを端的に伝えたい場合に有効な、最も基本的なフォーマットです。訴求したい内容が明確に決まっており、特定のクリエイティブの効果を手動で細かく検証したい場合には静止画広告が良いでしょう。一方で、複数のクリエイティブパターンを試し、最も成果の高い組み合わせを効率的に見つけ出したいというフェーズでは、フレキシブルフォーマットが最適です。

動画広告との使い分け

動画広告は、商品の使用方法やブランドの世界観をストーリー仕立てで伝えたい場合に絶大な効果を発揮します。伝えたいメッセージが動画で完結している場合は、動画広告単体で配信するのが良いでしょう。対してフレキシブルフォーマットでは、動画と静止画をアセットとして一緒に入稿できます。これにより、動画が効果的なユーザーには動画を、静止画が効果的なユーザーには静止画を、とシステムが判断して出し分けてくれるため、機会損失を防ぎやすくなります。

カルーセル広告との使い分け

カルーセル広告は、複数の商品やサービス、または一つの商品の多角的な魅力を、ユーザーがスワイプして見られるフォーマットです。紹介したい順番が決まっている場合や、手順を説明するような場合に適しています。フレキシブルフォーマットは、カルーセル形式で表示されることもありますが、その順番や組み合わせはシステムによって最適化されます。そのため、表示順にこだわりはなく、個々のカード(商品や特徴)の中から最も反応の良いものを自動で優先的に表示させたい場合に適しています。

コレクション広告との使い分け

コレクション広告は、メインの動画や画像の下にカタログの商品リストを表示できるフォーマットで、特にEコマースとの相性が抜群です。タップするとインスタントエクスペリエンスが開き、ユーザーはアプリを離れることなく複数の商品を閲覧できます。多くの商品を一度に紹介し、シームレスな購買体験を促したい場合はコレクション広告が最適です。フレキシブルフォーマットは、カタログ連携までは不要だが、複数のクリエイティブでコンバージョンを最大化したいという場合に有効な選択肢となります。

フォーマット別 使い分け早見表

これまでの内容を、目的や状況に応じた使い分けの早見表としてまとめました。フォーマット選びに迷った際にご活用ください。

 

フォーマット名得意な目的特徴こんな時におすすめ
フレキシブルフォーマットコンバージョン、検討、リーチ複数のアセットから最適な広告を自動生成・配信。機械学習による最適化が強力。どのクリエイティブが当たるか分からない時。広告運用の工数を削減しつつ効果を最大化したい時。
静止画広告トラフィック、コンバージョン1枚の画像でシンプルに訴求。ABテストがしやすい。訴求メッセージが明確に1つに定まっている時。特定のクリエイティブをテストしたい時。
動画広告認知、エンゲージメント動きと音で多くの情報を伝えられる。ブランドストーリーの訴求に強い。商品の使用感や世界観を伝えたい時。ユーザーの注意を引きつけたい時。
カルーセル広告検討、コンバージョン複数の画像・動画を横並びで表示。複数の商品や特徴を紹介できる。複数の商品ラインナップを見せたい時。商品の使い方をステップで説明したい時。
コレクション広告コンバージョンカタログと連携し、多くの商品を一覧表示。モバイルでの購買体験に優れる。Eコマース事業者で、多くの商品をユーザーに発見してもらいたい時。

Meta広告フレキシブルフォーマットに関するQ&A

Meta広告のフレキシブルフォーマットに関して、運用担当者が抱きやすい疑問点をQ&A形式でまとめました。設定や運用でつまずいた際の参考にしてください。

フレキシブルフォーマットは全アカウントで使えますか?

フレキシブルフォーマットは、「Advantage+ カタログ広告(旧:ダイナミック広告)」で利用できる機能であり、すべての広告アカウントで利用できるわけではありません。利用には商品カタログとフィードの設定が前提となります。

この機能は、利用資格を満たしている広告アカウントに対して順次展開されています。ご自身のアカウントで利用可能かどうかを確認するには、広告マネージャでAdvantage+ カタログ広告キャンペーンを作成する際に、広告設定画面の「広告フォーマット」セクションを確認してください。選択肢の中に「フレキシブル」が表示されていれば、利用が可能です。

素材の最小・最大数は?

フレキシブルフォーマットの効果を最大限に引き出すには、Metaの機械学習が多くの選択肢から最適な組み合わせを選べるよう、多様な広告素材(アセット)を用意することが重要です。推奨される素材数は以下の通りです。

 

アセットの種類推奨される数備考
画像または動画最大10件商品の特徴が伝わる静止画や、利用シーンがイメージできる動画など、様々なパターンのクリエイティブを用意しましょう。
見出し(ヘッドライン)最大5件商品のメリット、価格、限定性など、異なる切り口の短いテキストを複数設定します。
説明最大5件見出しを補足する、より詳細な情報を記載します。ユーザーの購入を後押しする内容が効果的です。

これらの素材をできるだけ多く設定することで、配信面やターゲットユーザーに合わせて広告が自動で最適化され、パフォーマンスの向上が期待できます

効果が出ない場合はどうすればいい?

フレキシブルフォーマットの成果が想定よりも低い場合、いくつかの原因が考えられます。以下の改善策を試してみてください。

クリエイティブ(画像・動画)の見直し

配信結果レポートを確認し、インプレッションやクリック率が低いクリエイティブを特定します。パフォーマンスの悪い素材を停止し、新しい訴求軸のクリエイティブに入れ替えるテストを繰り返しましょう。例えば、商品の使用感がわかる動画や、利用者のレビューを盛り込んだ画像など、新しい切り口を試すことが有効です。

テキストアセットの改善

見出しや説明文も重要な要素です。ターゲットユーザーの心に響くキーワードや、具体的な数値(例:「顧客満足度95%」)、行動を促すような力強い言葉が含まれているかを見直しましょう。どの組み合わせでも意味が通じるように、汎用性の高い表現を心がけることも大切です。

学習期間の確保

Meta広告の機械学習システムが最適化されるまでには、一定の「学習期間」が必要です。広告配信を開始して間もない段階では、成果が安定しないことがあります。頻繁に設定を変更すると学習がリセットされてしまうため、最低でも数日間から1週間程度は大きな変更を加えずに配信を続け、データが蓄積されるのを待つことが重要です。

動画素材も利用できる?

はい、フレキシブルフォーマットでは静止画だけでなく、動画素材も利用できます。むしろ、動画と静止画の両方を設定することが推奨されています。

動画は静止画に比べて多くの情報を伝えることができ、ユーザーの視線を引きつけやすいため、広告エンゲージメントを高める効果が期待できます。特に、Instagramのストーリーズやリールといった縦型動画がメインの配信面では、動画クリエイティブが非常に有効です。静止画と動画を両方入稿しておくことで、Metaのシステムが配信面やユーザーの特性に応じて最適なフォーマットを自動で選択し、広告効果の最大化を後押しします。

広告審査の基準は通常広告と同じ?

はい、広告審査の基準はMetaの広告ポリシーに準拠しており、基本的には通常の広告フォーマットと変わりません

ただし、フレキシブルフォーマット特有の注意点があります。それは、複数の画像・見出し・説明文が自動で組み合わされるという点です。そのため、「どの素材が組み合わさっても、広告として意味が通じ、かつポリシーに違反しないか」という視点で各素材を作成する必要があります。特定の画像とテキストが組み合わさった際に、誤解を招く表現や誇大広告と判断されることがないよう、入稿前にすべての組み合わせを想定して確認しておくことが大切です。

Meta広告フレキシブルフォーマットについてのまとめ

本記事では、Meta広告のフレキシブルフォーマットの仕組みから設定方法までを解説しました。

この機能は、複数の素材からユーザーごとに最適な広告を自動で生成・配信するため、広告パフォーマンスの向上が期待できます。

クリエイティブ制作の工数を削減できる点も大きな利点と言えるでしょう。しかし、その効果を最大限に引き出すには、多様な素材を用意し、結果を分析して改善を続けることが不可欠です。

ぜひ本記事を参考に、広告運用の効率化と成果向上を目指してください。

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この記事を書いた人

FC編集部

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