自社サイトの検索窓で検索されている検索語句は実はGA4で分析することができます。
サイト内検索キーワードを分析することで、どんな情報が気になっているのか、また導線設計や情報認知のユーザビリティは良好なのか、等といったサイト改善にもつなげる事が可能です。
本記事では「GA4でのサイト内検索キーワードの設定方法や、具体的な確認手順」について詳しく解説します。
また、クエリパラメータの確認方法や、サイト内検索キーワードを分析するメリットについても説明していますので、サイト内分析を最大限に活用するためのポイントをおさえることができます。
ウェブサイトのパフォーマンスを効果的に向上させる「サイト内検索」の分析をマスターしましょう!
サイト内検索とは
サイト内検索は、ウェブサイト内で欲しい情報を素早く見つけ出す手段として、重要な役割を果たします。
ユーザーが検索ボックスにキーワードを入力するだけで、関連するコンテンツがすぐに表示されるため、ユーザー体験を大幅に向上させることができます。
特に大型のECサイトでは、豊富な商品から迅速に欲しいものを探し出せることが重要です。たとえば、楽天市場やAmazonなどのサイトでは、検索機能が劣っていると、ユーザーが目的の商品を見つけるのに時間がかかり、結果的に購入意欲を削がれる可能性があります。
したがって、サイト内検索の質の高さが、直接的に商機に大きな影響を与えるのです。
サイト内検索の機能
サイト内検索の具体的な機能としては、ユーザーが求める情報にたどり着きやすいようにするため、様々な便利な機能が搭載されています。
以下では、主要な機能について詳しく見ていきましょう。
ユーザビリティの向上
機能 | 効果 |
---|
絞り込み検索 | ユーザーが特定のカテゴリや条件に基づいて検索結果を限定することで、目的の情報をよりスムーズに見つけ出すことができます。 |
関連キーワード提案 | ユーザーが検索ボックスにキーワードを入力し始めた際に、関連のあるキーワードを提示し、検索プロセスを効率化します。これにより、情報の取得が簡略化され、時間を節約することが可能です。 |
自動補完機能 | ユーザーが正確なキーワードを思い出せない場合でも、検索を続行可能です。この機能は入力途中の単語を補完し、ユーザーが求める情報にすばやくアクセスできるようにします。 |
結果のリスト化とソート | 検索結果をリスト形式で表示し、価格や評価などでソート可能にすることで、ユーザーが比較・検討しやすくなります。 |
検索履歴参照 | ユーザーが過去に行った検索の履歴を表示し、再度同じ検索を行う際の手間を省きます。これにより、必要な情報に迅速にアクセスすることが可能です。 |
上記のような機能によって、サイト内検索はユーザーのニーズに応じた迅速な情報提供を実現し、満足度を向上させる重要なツールとなっています。
また、サイト運営者にとっては、どのようなキーワードや商品がユーザーに求められているのかを把握する手段としても役立ち、コンテンツやサービスの改善に悪用することができます。
では次に、GA4でこのサイト内検索をどのように設定し確認するかについて詳しく見ていきましょう。
GA4でサイト内検索の設定方法
ここからは、Google Analytics 4(GA4)上での、サイト内検索の設定方法について解説します。
具体的な設定手順について、以下の方法を確認しましょう。
画面左下の管理から「データストリーム」を選択
まず最初に、GA4ダッシュボードの画面左下に位置する「管理」をクリックします。
選択後、プロパティ列の「データストリーム」を探し、クリックしてください。
データストリームとは、あなたのウェブサイトやアプリケーションのトラフィックデータが記録される場所です。
該当のデータストリームを選択
次に、対象とするデータストリームを選びます。
サイト内検索を確認したいウェブサイトのデータストリームを選択します。
複数のストリームが存在する場合、間違ったものをクリックしないよう注意しましょう。
拡張計測機能内の歯車マークを選択
選択したデータストリームの詳細ページにアクセスしたら、「拡張計測機能」内の歯車マークをクリックし、詳細なデータを取得するための設定を進めます。
サイト内検索をオンにする
歯車アイコンをクリック後、表示される計測項目の詳細設定画面で、「サイト内検索」オプションを見つけます。
サイト内検索オプションをオンにすることで、GA4は自動的に検索キーワードをトラッキングします。
この設定によって、訪問者がサイト内でどのような情報を求めているのか具体的に把握できます。
「詳細設定を表示」から自社サイトのクエリパラメータが設定されているか確認
最後に必ず、「詳細設定を表示」をクリックし、あなたのサイトで使用されている検索クエリパラメータが正しく設定されているか確認してください。多くの場合、デフォルトで「q」や「s」といったパラメータがよく使用されますが、特定のビジネス要件に応じて独自のパラメータ設定を行っている場合もあります。確実に正確なデータを追跡し、検索クエリデータがGA4で逃さず計測されるようにしましょう。
上記の設定ステップによって、サイト内検索のキーワードデータが確認できるようになり、価値あるインサイトを獲得することができます。
サイト内検索のクエリパラメータを確認する方法
サイト内検索のクエリパラメータが分からないという方は、以下の手順に従ってクエリパラメータを確認しましょう。
自社サイト内の検索窓から検索
自社サイト内の検索窓を使用して、実際にキーワードを入力してみてください。たとえば「季節限定商品」や「会社情報」など、ユーザーが一般的に検索しそうなデータを使って試します。
検索後のURL語尾のクエリパラメータをチェック
検索を実行すると、ブラウザのアドレスバーに表示されるURLに注目してください。
URL内には、クエリパラメータが含まれています。通常、このパラメータは「?」や「&」といった記号に続く形式で表示されます。
項目 | 詳細 |
---|
一般的なパターン | ?search=キーワード, &query=キーワード など |
注意事項 | クエリパラメータはサイトごとに異なるため、必ず確認が必要です。たとえば、あるサイトではsearch=、別のサイトではquery=といった違いがあります。これを識別することが、正確な分析の鍵となります。 |
サイト内検索のクエリパラメータが把握できれば、GA4での設定もスムーズに行えます。
正しいURL構造を理解することで、GA4において有意義な検索データの取得および解析が可能になります。
GA4でサイト内検索キーワードの確認方法
GA4によって、サイト内でユーザーが入力した検索キーワードを詳細に確認することが可能です。
サイト内検索の分析で訪問者の興味やニーズを的確に把握し、サイトコンテンツの改善に活かすことができます。
以下で具体的な確認手順をご紹介します。
「レポート」内の「エンゲージメント」からイベントを選択
最初に、GA4の管理画面にアクセスして、「レポート」セクションに移動します。その後、「エンゲージメント」を選択し、さらに「イベント」タブに移動しましょう。
イベントでは、ユーザーがサイト内で実行した様々なアクションを確認できます。特に、どのような検索行動を取ったのかを細かく分析できます。
「view_search_results」をクリックする
イベントリストの中から、「view_search_results」というイベント名を見つけてください。
イベントをクリックすることで、ユーザーによって実行されたサイト内検索に関するデータを確認できます。
パラメータ名を「search_term」に変更して確認
「view_search_results」イベントにアクセスすると、様々なパラメータの一覧が表示されます。この中で、パラメータ名を「search_term」に設定して確認しましょう。
訪問者が入力した具体的な検索キーワードをリアルタイムで参照することが可能になります。
手順 | アクション内容 |
---|
1 | GA4管理画面で「レポート」→「エンゲージメント」を選択 |
2 | イベントリストから「view_search_results」を選択 |
3 | パラメータ名を「search_term」に変更し、キーワードを確認 |
以上の方法を活用することで、サイト内で検索されるキーワードを把握することができます。
ユーザーが実際に求めている情報に基づいて、コンテンツの質を向上させたり、新しいコンテンツを生み出すきっかけを分析し、サイト訪問者の満足度向上につなげていきましょう。
GA4でサイト内検索キーワードを分析するメリット
GA4を使用してサイト内検索キーワードを分析することは、より深くユーザーの行動や意図を理解するための絶好の方法です。
ユーザーがサイト内でどのような情報を探しているのかを把握することで、企業のコンテンツ戦略や商品戦略を強化するための具体的なヒントを得ることができます。
ユーザーのニーズを可視化する
サイト内検索は訪問者が自分が必要とする情報を探す際の一つの直接的な手段です。
例えば、多くのユーザーが特定の製品名や情報を検索している場合、その製品に対する関心の高さを示しています。
企業はユーザーのニーズを満たすためのコンテンツをより効果的に提供することが可能になります。
サイト改善の指針を得る
サイト内検索結果のキーワード分析は、サイトナビゲーションや情報構造の問題点を示す指標です。
特定のキーワードで多数のユーザーが検索する場合、それはその情報がサイト上で発見しにくいことを示唆しています。
上記のような問題が分析できた場合、ナビゲーションの見直しや情報配置の再設計を行うことが有効です。結果として、より良いユーザーエクスペリエンスを提供できます。
商品の潜在需要を発見する
ユーザーが頻繁に検索するキーワードを追跡することで、新商品の企画やサービスの拡充に役立つ発見を得られます。
特に、現在提供していない製品に対して高いリクエストを受けている場合、新たな市場機会の存在を示しています。
新商品開発の方向性を策定することもできる可能性があるのです。
マーケティング戦略の最適化
検索キーワードの詳細な分析により、訪問者がどのような言葉やフレーズを使用しているのかを理解でき、SEMやSEO戦略の細部を調整することが可能です。
たとえば、頻繁に検索されるキーワードをもとに、広告やランディングページの内容を最適化することで、更にターゲットに響くメッセージを届けることができます。
見込み客の新たな接点を形成する
検索キーワードのトレンドを把握することは、新たなサービス提供やキャンペーンテーマの設定に役立ちます。
これまで気づかなかった新たなキーワードを活用することで、新しい顧客層への効果的なアプローチが可能になり、ビジネスの拡大を図ることが期待できます。
GA4でサイト内検索キーワードにおける注意点
GA4を使用してサイト内検索キーワードを追跡および分析する際には、いくつかの重要なポイントに注意する必要があります。
注意点を確認し、最適な結果を得られるように設定を行いましょう。
データのプライバシーとセキュリティの考慮
ユーザーのプライバシーを守るためには、収集したデータの取り扱いに細心の注意を払うことが不可欠です。特に個人情報が含まれないように管理し、GA4での適切なデータ設定を行いましょう。例えば、Googleのプライバシーポリシーに準拠し、データを安全に保管します。
クエリパラメータの一貫性
サイト内検索のクエリパラメータをGA4で正確に追跡するためには、一貫したパラメータの使用が重要です。たとえば、サイト内検索が複数のパラメータを使っている場合には、すべてを確認して統一することが推奨されます。
一貫性を保つことで生まれたデータの正確性は、企業戦略においても大きな武器となるでしょう。
データのスパムとフィルタリング
サイト内検索のデータには、しばしばスパムが含まれることがあります。スパムはレポートの品質を下げる原因となるため、データを定期的に確認し、不要なスパムトラフィックをフィルタリングすることが大切です。
GA4でbot(スパム)を除外する方法
検索クエリの多様性と解析
ユーザーが使用する検索クエリは多種多様です。これらのクエリを包括的に理解することが求められます。
特定のキーワードだけでなく、長尾キーワードも注視することで、より深いインサイトが得られます。
例えば、「商品名+使い方」や「サービス名+評判」といったクエリは、顧客が求める具体的な情報を示しています。
こうした情報を活用し、ユーザーのニーズに応えるコンテンツを提供することで、コンバージョン率の向上が期待できます。
サイト内に検索窓を設置していない場合は、即設置をおすすめ
ウェブサイトを効果的に運営するためには、訪問者が求める情報に迅速にアクセスできる環境を整えることが不可欠です。特に情報量が豊富なサイトにおいては、ユーザーが効率的に目的のコンテンツに到達できるように、サイト内検索窓の設置を検討すべきです。
サイト内検索の機能がない場合、ユーザーは自分の探している情報を見つけるのに時間がかかる可能性があり、離脱する傾向があります。
サイト内検索窓を設置するメリット
検索窓の設置によって、ユーザーは自サイト内で欲しい情報に直接アクセスできるため、サイトからの離脱を防ぎつつ、訪問者のエクスペリエンスを向上させることができます。また、訪問者がどのような情報を求めて検索しているかを知ることにより、コンテンツの質をさらに高めるための貴重なインサイトを得ることができます。
具体的な利便性の向上
ユーザーの求める情報への最短距離を提供することで、訪問者のサイト滞在時間を増加させる可能性があります。例えば、膨大な商品リストがあるECサイトでは、ユーザーが即座に特定の製品を探し出せることが競争力となります。顧客満足度を向上させる効果が見込めます。
検索窓設置の簡易性と選択肢
検索窓の設置は技術的にも比較的容易で、多くのCMS(コンテンツ管理システム)はテンプレートやプラグインを通じて検索機能をサポートしています。ワードプレスなどの一般的なCMSであれば、初めての人でも短時間で導入可能です。Googleカスタムサーチやオープンソースのプログラムを利用することも一つの手です。
実装後の検索データ分析の重要性
検索窓を設置した後は、ユーザーが何を検索しているかのデータをもとにウェブサイトの改善につなげます。例えば、頻繁に検索されているキーワードを基に、新たなコンテンツやサービスを企画することも可能です。また、検索結果に表示される割合が低いキーワードを見つけて既存のコンテンツを見直すことで、サイト全体のパフォーマンスを向上させることができるでしょう。
サイト内検索機能を適切に活用することで、サイト運営者にとって大きなメリットを引き出す可能性があります。
まだサイト検索の機能を取り入れていない場合は、ぜひとも導入を検討し、サイトユーザビリティの向上を図ってください。
GA4でサイト内検索についてのまとめ
GA4でサイト内検索を設定し、キーワードを確認することで、ユーザーがサイト内で何を求めているのかを詳細に把握することができます。
サイト内検索は、コンテンツの改善点を発見し、ユーザー体験の向上につなげることができます。また、検索クエリを適切に分析することで、ユーザーのニーズに即した商品やサービスの提供が可能となります。
サイト内検索窓を設置していない場合は、早急に導入を検討することで、ユーザーインサイトの取得が可能になり、ビジネスチャンスを逃さないための対策となりますので、導入していきましょう。