目次
GA4初期設定の全体像|まず何をすればいいかを整理する
Googleアナリティクス4(GA4)は、次世代のアクセス解析ツールとして多くのウェブサイトで導入が進んでいます。しかし、従来のユニバーサルアナリティクス(UA)から仕様が大きく変更されたため、「何から手をつければ良いかわからない」と戸惑う方も少なくありません。正しい初期設定は、ウェブサイトの正確なデータを計測し、後の分析やマーケティング施策の成果を大きく左右する重要な第一歩です。
この章では、具体的な設定作業に入る前に、GA4の初期設定で押さえるべき全体像を解説します。まずは全体像を把握することで、各ステップの目的を理解し、迷うことなくスムーズに設定を進められるようになります。
GA4初期設定で必ずやるべき5つのポイント
GA4の初期設定は多岐にわたりますが、特に重要なのは以下の5つのポイントです。これらの設定を完了させることで、データ計測の基盤が整い、基本的な分析が可能になります。各項目の詳細は後の章で詳しく解説しますが、まずはこの5つのステップが設定のゴールであることを理解しましょう。
- プロパティ作成と基本設定
GA4でデータを計測するための箱(プロパティ)を作成し、データ保持期間やタイムゾーンといった基本的な設定を行います。これがすべての計測の土台となります。 - 計測タグの設置
作成したプロパティとご自身のウェブサイトを連携させるための「計測タグ」を設置します。これにより、サイト上でのユーザー行動データの収集が開始されます。 - イベント計測の初期設定
GA4の計測軸である「イベント」を設定します。ページの閲覧だけでなく、クリックやスクロール、ファイルのダウンロードといった具体的なユーザー行動を捉えるための設定です。 - コンバージョン設定
ウェブサイトの目標達成(商品購入、お問い合わせ完了など)を計測するための設定です。ビジネスの成果を可視化するために最も重要な設定の一つと言えます。 - 内部トラフィック除外・スパム対策
自社スタッフのアクセスなど、分析ノイズとなるデータを除外する設定です。データの精度を高め、より正確なユーザー行動を分析するために行います。
UAとの違いから理解するGA4の初期構造
GA4の初期設定をスムーズに進めるためには、UAとの構造的な違いを理解しておくことが役立ちます。最も大きな違いは、計測の考え方が「セッション」ベースから「イベント」ベースに変わった点です。これにより、アカウントの構造も変化しています。
| 項目 | ユニバーサルアナリティクス(UA) | Googleアナリティクス4(GA4) |
|---|---|---|
| 計測の軸 | セッション(訪問)ベース | イベント(ユーザー行動)ベース |
| アカウント構造 | アカウント > プロパティ > ビュー | アカウント > プロパティ > データストリーム |
| データ計測対象 | ウェブサイトのみ | ウェブサイトとアプリを横断して計測可能 |
| 主要な指標 | ページビュー数、直帰率、離脱率など | エンゲージメント率、表示回数、イベント数など |
UAにあった「ビュー」という階層がなくなり、GA4では「データストリーム」という概念が導入されました。データストリームは、ウェブサイトやアプリといったデータの流入元を指します。この「すべてのユーザー行動をイベントとして捉える」というGA4の基本構造を理解することで、なぜイベント設定やコンバージョン設定が重要なのかが明確になります。
ビジネス別の最適な初期設定フロー
GA4の初期設定は、すべてのウェブサイトで画一的なものではありません。サイトの目的やビジネスモデルによって、優先的に設定すべき項目や計測すべき指標は異なります。ここでは、代表的なビジネスモデル別に、特に重視すべき初期設定のポイントを紹介します。
| ビジネスモデル | サイトの主な目的 | 特に重要な初期設定項目 |
|---|---|---|
| ECサイト | 商品の購入 |
|
| BtoBリード獲得サイト | お問い合わせ・資料請求 |
|
| メディアサイト | コンテンツの閲覧・回遊 |
|
ご自身のウェブサイトがどのモデルに近いかを確認し、計測すべきゴールを明確にしてから設定作業に入ることで、手戻りがなくなり、よりビジネスの成果に直結するデータを収集できます。
GA4初期設定(ステップ①)|プロパティ作成と基本設定
GA4を利用したアクセス解析を始めるには、まず計測の土台となる「プロパティ」を作成し、ウェブサイトに「計測タグ」を設置する必要があります。このステップは、GA4で正確なデータを取得するための最初の、そして最も重要な作業です。ここでは、プロパティの作成から計測タグの設置、正常に動作しているかを確認する方法までを、初心者の方でも迷わず進められるように詳しく解説します。
GA4のプロパティは、ウェブサイトやアプリのデータを収集・分析するための箱のようなものです。以前のユニバーサルアナリティクス(UA)から移行する場合も、新規で導入する場合も、このプロパティ作成からスタートします。
グローバルサイトタグ(gtag.js)の設置方法
グローバルサイトタグ(gtag.js)は、Googleが提供する計測用のコードです。このコードをウェブサイトのHTMLに直接埋め込むことで、GA4でのデータ計測が開始されます。比較的シンプルな設置方法であり、特にGoogleタグマネージャー(GTM)を利用していない場合に選択されることが多い手法です。
設置手順は以下の通りです。
- GA4の管理画面にログインし、左下の「管理」をクリックします。
- 「プロパティ」列で対象のプロパティを選択し、「データストリーム」をクリックします。
- 設定したいウェブサイトのデータストリームを選択します。
- 「Google タグ」の項目にある「タグの実装手順を表示する」をクリックします。
- 「手動でインストールする」タブを選択すると、JavaScriptのコードが表示されます。これがグローバルサイトタグです。
- 表示されたコードをすべてコピーし、ウェブサイトのすべてのページのHTMLで、<head> タグの直後に貼り付けます。WordPressなどのCMSを利用している場合は、テーマのヘッダー編集機能や専用プラグインを使うと全ページに一括で設置できます。
この作業により、サイトにアクセスしたユーザーの行動がGA4のプロパティに送信されるようになります。
Googleタグマネージャー(GTM)での設置方法
Googleタグマネージャー(GTM)は、様々な計測タグや広告タグをウェブサイトのソースコードを直接編集することなく、一元管理できるツールです。GA4のタグ設置においても、GTMを利用することで、今後のタグ管理やイベント設定が格段に効率的になります。
GTMを利用した設置手順は、gtag.jsを直接設置する方法とは異なります。以下の手順で設定を進めてください。
- GTMの管理画面にログインし、対象のコンテナを選択します。
- 左側のメニューから「タグ」を選び、「新規」をクリックします。
- 「タグの設定」をクリックし、タグタイプの一覧から「Google タグ」を選択します。
- GA4のデータストリームで確認できる「測定ID」(G-から始まるID)を入力します。
- 次に「トリガー」の項目をクリックし、「Initialization – All Pages」を選択します。これにより、すべてのページでGA4タグが読み込まれるようになります。
- タグに分かりやすい名前(例:GA4 – 基本設定タグ)を付けて保存します。
- 最後に、GTMの管理画面右上にある「公開」ボタンをクリックして、設定内容をウェブサイトに反映させます。
注意点として、gtag.jsとGTMの両方でGA4タグを設置すると、データが二重に計測されてしまう原因となります。どちらか一方の方法を選択してください。特別な理由がない限り、管理のしやすさからGTMでの設置を推奨します。
タグが動いているかを確認する方法
GA4の計測タグを設置した後は、必ず正常に動作しているかを確認しましょう。確認を怠ると、データが全く取れていなかった、という事態になりかねません。確認方法は主に3つあります。
- GA4のリアルタイムレポートで確認する
最も簡単な確認方法です。自分でウェブサイトにアクセスした状態で、GA4の左側メニューから「レポート」>「リアルタイム」を開きます。「過去30分間のユーザー」に1以上のカウントが表示されれば、タグは正常に動作しています。自分のアクセスが地図上に表示されるかも確認してみましょう。 - Google Tag Assistantで確認する
Google Chromeの拡張機能「Tag Assistant Legacy」をインストールすると、より詳細な動作確認が可能です。ウェブサイトを開いた状態でTag Assistantのアイコンをクリックすると、設置されているGoogle関連のタグが一覧で表示されます。ここにGA4のタグ(Global site tag)が表示され、緑色または青色のアイコンになっていれば問題ありません。エラーを示す赤色の場合は、設定を見直す必要があります。 - ブラウザのデベロッパーツールで確認する
少し専門的ですが、ブラウザのデベロッパーツール(開発者ツール)でも確認できます。Chromeの場合、ページ上で右クリックして「検証」を選択し、「Network」タブを開きます。フィルタに「collect」と入力してページを再読み込みすると、GA4へのデータ送信リクエストが確認できます。ステータスが「204」となっていれば、正常にデータが送られています。
よくあるタグトラブルと対処法
タグ設置時には、予期せぬトラブルが発生することもあります。ここでは、よくある問題とその原因、そして具体的な対処法をまとめました。問題が発生した際には、まずはこちらを確認してください。
| トラブルの症状 | 主な原因 | 対処法 |
|---|---|---|
| データが全く計測されない |
|
|
| データが二重に計測される |
|
|
| 一部のページしか計測されない |
|
|
GA4初期設定(ステップ③)|イベント計測の初期設定
GA4のデータ計測は、ユーザーのあらゆる行動を「イベント」として捉えることが基本となります。旧来のユニバーサルアナリティクス(UA)がページビューを軸にしていたのに対し、GA4ではページの閲覧(page_view)も数あるイベントの一つとして扱われます。この章では、GA4の分析の根幹をなすイベント計測の初期設定について、初心者の方でも迷わないように丁寧に解説します。
自動計測されるイベント一覧
GA4では、基本的なタグを設置するだけで自動的に計測が開始されるイベントが複数あります。これらは「自動収集イベント」と、管理画面から有効化できる「拡張計測機能イベント」の2種類に大別されます。特別な設定をしなくても、サイトの基本的なユーザー行動を把握できるため、まずはどのようなイベントが自動で計測されるのかを理解しておきましょう。
拡張計測機能は、GA4の管理画面「データストリーム」の詳細から、歯車マークをクリックすることでオン・オフを切り替えられます。特に理由がなければ、すべてオンにしておくことを推奨します。
以下に、代表的な自動計測イベントをまとめました。
| イベント名 | 説明 | 種類 |
|---|---|---|
| page_view | ユーザーがページを読み込んだ際に記録されます。 | 拡張計測機能 |
| scroll | ユーザーが各ページの最下部(垂直方向に90%)までスクロールした際に記録されます。 | 拡張計測機能 |
| click | ユーザーが現在のドメインから移動するリンクをクリックした際に記録されます。(外部リンククリック) | 拡張計測機能 |
| view_search_results | ユーザーがサイト内検索を行った際に記録されます。(特定のURLクエリパラメータの指定が必要です) | 拡張計測機能 |
| file_download | ユーザーが一般的な拡張子(PDF, DOCX, XLSX, TXT, ZIPなど)のファイルへのリンクをクリックした際に記録されます。 | 拡張計測機能 |
| form_start | ユーザーがフォーム入力を開始した際に初めて記録されます。 | 拡張計測機能 |
| form_submit | ユーザーがフォームを送信した際に記録されます。 | 拡張計測機能 |
| session_start | ユーザーがサイトやアプリを操作し始めた際に記録され、セッションが開始されます。 | 自動収集 |
| first_visit | ユーザーが初めてサイトやアプリにアクセスした際に記録されます。 | 自動収集 |
必須イベント(フォーム送信・資料DL・購入など)の設定
自動計測イベントだけでは、ビジネスの成果に直結する重要な行動(コンバージョン)を正確に捉えることはできません。例えば、「特定のお問い合わせフォームからの送信」や「特定の資料のダウンロード」「購入完了」といったアクションは、個別に設定する必要があります。ここでは、Googleタグマネージャー(GTM)を利用した代表的なイベント設定方法を解説します。
フォーム送信イベントの設定例
Webサイトからの「お問い合わせ」や「会員登録」など、フォーム送信は多くのビジネスで重要な指標となります。拡張計測機能の `form_submit` でも計測可能ですが、複数のフォームがある場合、どのフォームからの送信かを区別するために個別のイベント設定が有効です。
GTMで「特定のフォーム送信」を計測する手順は以下の通りです。
- トリガーの設定: GTMで「トリガー」を新規作成し、「フォームの送信」を選択します。すべてのフォームではなく特定のフォームを対象にしたい場合は、「一部のフォーム」を選択し、フォームIDやフォームクラスなどで条件を絞り込みます。
- タグの設定: GTMで「タグ」を新規作成し、「Google アナリティクス: GA4 イベント」を選択します。
- イベント名の入力: 「イベント名」には、後で見て分かりやすい名前を付けます。例えば、お問い合わせ完了なら `generate_lead` 、会員登録なら `sign_up` といったGoogleの推奨イベント名を使うのが良いでしょう。
- トリガーの適用: 作成したタグに、ステップ1で設定したトリガーを紐付けます。
特定の資料ダウンロードイベントの設定例
拡張計測機能の `file_download` は全てのファイルダウンロードを計測しますが、「サービスAのホワイトペーパー」のように、特定のファイルのダウンロード数を計測したいケースも多いでしょう。その場合は、クリックされたリンクのURLを条件にイベントを設定します。
GTMで「特定のPDFダウンロード」を計測する手順は以下の通りです。
- トリガーの設定: GTMで「トリガー」を新規作成し、「リンクのみ」を選択します。「一部のリンククリック」を選び、「Click URL」「含む」「service_a.pdf」のように、対象ファイルのURLに含まれるユニークな文字列を指定します。
- タグの設定: 「Google アナリティクス: GA4 イベント」タグを新規作成します。
- イベント名の入力: イベント名には `document_download` のような名前を付けます。さらに、「イベント パラメータ」を追加し、`file_name` というパラメータ名で、値に `{{Click URL}}` を設定すれば、どのファイルがダウンロードされたかを後から分析できます。
- トリガーの適用: 作成したタグに、ステップ1で設定したトリガーを紐付けます。
推奨イベントの命名ルール
GA4で独自に設定するイベントには、Googleが事前に用途別に定義している「推奨イベント」と、完全に自由に命名できる「カスタムイベント」があります。特別な理由がない限り、まずは推奨イベントに該当するものがないかを確認し、積極的に活用することをお勧めします。
推奨イベントを使用する最大のメリットは、Googleがそのイベント名を認識しているため、将来的にGA4のレポート機能がアップデートされた際に、自動で詳細な分析レポートが生成される可能性がある点です。また、命名規則が統一されるため、誰が見ても分かりやすい計測環境を維持できます。
以下に、ビジネスでよく使われる推奨イベントの一部を紹介します。
| イベント名 | 推奨される用途 | 業種例 |
|---|---|---|
| generate_lead | お問い合わせ、資料請求フォームの送信など、見込み顧客を獲得したとき | BtoB、不動産、教育 |
| sign_up | 会員登録やメルマガ登録が完了したとき | SaaS、メディア、ECサイト |
| login | ユーザーがログインしたとき | 会員制サイト全般 |
| purchase | 商品やサービスの購入が完了したとき | ECサイト、有料サービス |
| add_to_cart | 商品をカートに追加したとき | ECサイト |
もし推奨イベントに適切なものがない場合は、カスタムイベントを作成します。その際の命名は、button_click_header のように「英数字とアンダースコア(_)」のみを使用し、Googleが予約しているイベント名やパラメータ名は避けるようにしましょう。
計測漏れを防ぐための設計方法
イベント計測を場当たり的に設定していくと、後から「あの指標が計測できていなかった」「イベント名がバラバラで分析しづらい」といった問題が発生しがちです。こうした事態を避けるためには、設定作業に入る前に「計測設計」を行うことが極めて重要です。
計測設計シートの作成
まずは、Webサイトの最終的な目標(KGI)と、それを達成するための中間目標(KPI)を明確にします。その上で、各目標を計測するために「どのページ」の「どんな行動」をイベントとして計測する必要があるかを洗い出します。洗い出した内容は、スプレッドシートなどに「計測設計シート」としてまとめておくと、設定作業や後の管理がスムーズになります。
計測設計シートに記載する項目例:
- 計測の目的(例:お問い合わせ件数の最大化)
- 対象ページ(例:/contact/thanks.html)
- 計測するユーザー行動(例:お問い合わせフォームの送信完了)
- イベント名(例:generate_lead)
- 発火条件(トリガー)(例:サンクスページの表示)
- 取得するパラメータ(例:form_type: ‘contact’)
- コンバージョン設定の有無
DebugViewでのテスト実行
イベントの設定が完了したら、必ずテストを行いましょう。GA4には「DebugView」というリアルタイムでイベントの発火状況を確認できる機能があります。GTMのプレビューモードを有効にしてサイトにアクセスすると、自分の行動がDebugViewにイベントとして記録されていきます。
設定したイベントが意図したタイミングで発火しているか、パラメータは正しく送信されているかを公開前に必ず確認することで、計測漏れや設定ミスを未然に防ぐことができます。このテストプロセスを習慣づけることが、データ分析の精度を保つ上で欠かせません。
GA4初期設定(ステップ④)|コンバージョン設定
GA4の初期設定において、ビジネスの成果を正確に計測するために最も重要なステップが「コンバージョン設定」です。コンバージョンとは、商品購入、資料請求、お問い合わせ完了など、ウェブサイト上でユーザーに達成してもらいたい行動を指します。GA4では、特定のユーザー行動(イベント)をコンバージョンとしてマークすることで、成果を計測します。旧来のユニバーサルアナリティクス(UA)が「目標」という概念で管理していたものに相当しますが、GA4ではすべてのコンバージョンがイベントを基に設定されるという点が大きな違いです。この章では、コンバージョンの具体的な登録方法から、計測トラブルの対処法、広告連携のコツまでを詳しく解説します。
コンバージョンの登録方法
GA4でのコンバージョン登録は非常にシンプルです。基本的には、あらかじめ計測設定したイベントに対して「コンバージョンとしてマークする」という操作を行うだけです。主な登録方法は2つあります。
方法1:既存のイベントをコンバージョンとしてマークする
すでに計測されているイベントをコンバージョンに指定する、最も簡単な方法です。例えば、「資料請求フォームの送信」を意味する `document_download` というイベントを計測している場合、以下の手順でコンバージョンに設定します。
- GA4の管理画面左メニューから「管理」をクリックします。
- プロパティ列にある「イベント」を選択します。
- 既存のイベント名が一覧で表示されるので、コンバージョンにしたいイベント(例:`document_download`)の右側にある「コンバージョンとしてマークを付ける」のトグルスイッチをオンにします。
この操作だけで設定は完了です。設定後、GA4の管理画面にある「コンバージョン」メニューに、マークを付けたイベント名が表示されるようになります。
方法2:新しいコンバージョンイベントを作成して登録する
管理画面上で、これから計測される予定のイベント名をあらかじめコンバージョンとして予約登録しておく方法です。
- GA4の管理画面左メニューから「管理」をクリックします。
- プロパティ列にある「コンバージョン」を選択します。
- 画面右上の「新しいコンバージョンイベント」ボタンをクリックします。
- 表示された入力欄に、コンバージョンとして計測したい新しいイベント名(例:`purchase_complete`)を正確に入力し、「保存」をクリックします。
この方法で登録しただけでは計測は開始されません。実際にウェブサイト上で、ここで登録したイベント名(この例では`purchase_complete`)が発生するように、Googleタグマネージャー(GTM)などで別途イベント計測の設定を行う必要があります。
CVが計測されない場合のチェックポイント
「設定したはずなのにコンバージョンが計測されない」という問題は、GA4導入時によく発生します。計測されない場合は、以下のポイントを順番に確認してみてください。
| チェックポイント | 確認方法と対処法 |
|---|---|
| 1. 前提となるイベントが計測されているか | コンバージョンはイベントを基にしているため、大元のイベントが計測されていなければコンバージョンも計測されません。 |
| 2. イベント名が完全に一致しているか | コンバージョン設定画面で登録したイベント名と、実際に発生しているイベント名が完全に一致しているかを確認します。大文字と小文字、アンダースコア(_)とハイフン(-)の違い、不要な空白など、1文字でも異なると別のイベントとして認識されてしまいます。 |
| 3. コンバージョンとしてマークされているか | 管理画面の「イベント」メニューで、対象イベントの「コンバージョンとしてマークを付ける」のトグルがオンになっているかを確認します。意図せずオフになっているケースも考えられます。 |
| 4. データ反映のタイムラグを考慮しているか | GA4は、データがレポートに反映されるまでに最大で48時間ほどかかる場合があります。設定直後に計測されていなくても、少し時間をおいてから再度確認してみてください。 |
GA4でCV数が少なく見える理由
ユニバーサルアナリティクス(UA)からGA4に移行した際に、「コンバージョン数が以前より減ったように見える」と感じることがあります。これは多くの場合、GA4の仕様変更が原因であり、計測が失敗しているわけではありません。主な理由を理解しておきましょう。
計測方式の違い:「目標」から「イベント」へ
UAでは、多くの「目標」が「セッションごとに1回」という設定で計測されていました。つまり、1回の訪問中にユーザーが何度お問い合わせを完了しても、コンバージョンは「1」としかカウントされませんでした。
一方、GA4のコンバージョンは、デフォルトでイベントが発生するたびにカウントされます。例えば、1回の訪問中にユーザーが商品を2回購入した場合、コンバージョンは「2」と記録されます。
この計測方式の違いにより、数値の解釈が変わってきます。もしUAと同じ計測方式にしたい場合は、GA4のコンバージョン設定で計測方法を「セッションに1回」に変更することも可能です。
アトリビューションモデルのデフォルト設定の違い
アトリビューションモデルとは、コンバージョンに至るまでの各接点(チャネル)に、成果をどのように割り振るかを決めるルールのことです。UAのデフォルトは、コンバージョン直前の接点を100%評価する「ラストクリック」モデルでした。
対して、GA4のデフォルトは、機械学習を用いて各接点の貢献度を判断する「データドリブン」モデルです。これにより、これまでラストクリックとして評価されていたチャネルのコンバージョン数が減り、コンバージョンに至る過程で貢献した他のチャネルに成果が分散されるため、特定のチャネルのCV数が少なく見えることがあります。
広告と連携するためのCV設計のコツ
GA4のコンバージョン設定は、Google広告などの広告運用を最適化する上で極めて重要です。広告効果を最大化するための設計のコツをいくつか紹介します。
Google広告と連携しコンバージョンをインポートする
GA4とGoogle広告アカウントを連携させることで、GA4で設定したコンバージョンイベントをGoogle広告のコンバージョンとしてインポートできます。これにより、ウェブサイト上でのユーザー行動に基づいた正確なデータで広告の自動入札戦略(例:「コンバージョン数の最大化」など)を最適化でき、広告の費用対効果を高めることが期待できます。
マイクロコンバージョンとマクロコンバージョンを設計する
ビジネスの最終成果だけでなく、そこに至るまでの中間的な行動も計測することが重要です。
- マクロコンバージョン:ビジネスの最終目標となるコンバージョン(例:商品購入、有料会員登録、お問い合わせ完了)
- マイクロコンバージョン:最終目標に向けた重要なステップとなる行動(例:カートへの商品追加、フォーム入力開始、特定のページ閲覧)
マクロコンバージョンだけではデータ量が少なく、広告の機械学習がうまく進まない場合があります。そこでマイクロコンバージョンも計測・インポートすることで、より多くの学習データを与え、最適化の精度とスピードを向上させることができます。
コンバージョンの価値(金額)を設定する
各コンバージョンに適切な「価値」を設定することで、広告の投資収益率(ROAS)を可視化できます。ECサイトであれば、購入金額を動的に取得してイベントの`value`パラメータとして送信します。BtoBサイトのように直接的な金額が発生しない場合は、「1件のリード獲得は平均して10,000円の価値がある」といったように、ビジネス上の価値を算出して固定値を設定します。価値を設定することで、どの広告が最も高い収益を生んでいるかを正確に把握し、予算配分を最適化するための強力な判断材料となります。
GA4初期設定(ステップ⑤)|内部トラフィック除外・スパム対策
GA4の計測を開始したら、次に行うべきはデータの精度を高めるための設定です。特に、自社や関係者からのアクセス、そして自動巡回プログラム(ボット)などによる不正なアクセスは、分析のノイズとなります。これらが含まれていると、ユーザーの正しい行動を把握できず、サイト改善やマーケティング施策の判断を誤る原因になりかねません。この章では、正確なデータを計測するために欠かせない、内部トラフィックの除外とスパム対策の設定方法を詳しく解説します。
社内アクセスの除外設定
Webサイトの分析において、自社スタッフや制作会社などの関係者によるアクセスデータは、一般ユーザーの動向とは異なるため除外するのが基本です。これらのアクセスが含まれたままだと、滞在時間が異常に長くなったり、特定のページの閲覧数が不自然に増加したりと、データ全体の信頼性が損なわれます。GA4では「データフィルタ」という機能を使って、特定のIPアドレスからのアクセスを計測データから除外できます。
IPアドレスの確認方法
まず、除外対象とするオフィスのIPアドレスを確認する必要があります。IPアドレスは、インターネット上の住所のようなものです。確認は非常に簡単で、オフィスのネットワークに接続した状態で、Googleなどの検索エンジンで「IPアドレス 確認」と検索するだけです。表示されたグローバルIPアドレスをメモしておきましょう。複数の拠点がある場合は、それぞれの拠点で同様の作業を行い、すべてのIPアドレスをリストアップしてください。
データフィルタの作成と適用手順
IPアドレスが準備できたら、GA4の管理画面で除外設定を行います。手順は以下の通りです。
- GA4の左メニュー下部にある「管理」(歯車アイコン)をクリックします。
- 「プロパティ」列にある「データストリーム」を選択し、対象のウェブサイトのデータストリームをクリックします。
- 「Googleタグ」の項目にある「タグ設定を行う」をクリックします。
- 「設定」タブの中の「すべて表示」をクリックし、「内部トラフィックの定義」を選択します。
- 「作成」ボタンをクリックし、内部トラフィックルールの設定画面を開きます。
- 以下の情報を入力します。
項目名 設定内容 ルール名 「本社オフィス」や「〇〇支社」など、分かりやすい名前を入力します。 traffic_type の値 デフォルトの「internal」のままで問題ありません。この値が内部トラフィック識別のためのパラメータとなります。 IPアドレス > マッチタイプ 「IPアドレスが次と等しい」を選択します。 値 先ほど確認したIPアドレスを入力します。 - 右上の「作成」をクリックしてルールを保存します。
- 次に、このルールを有効化するためのフィルタを作成します。「管理」画面に戻り、「プロパティ」列の「データ設定」>「データフィルタ」をクリックします。
- 「フィルタを作成」をクリックし、「内部トラフィック」を選択します。
- フィルタに「内部トラフィックの除外」など分かりやすい名前を付け、「フィルタオペレーション」が「除外」になっていることを確認します。
- 「パラメータ名」が「traffic_type」、「パラメータ値」が「internal」になっていることを確認します。
- フィルタの状態を「テスト」にして右上の「作成」をクリックします。すぐに「有効」にするのではなく、まずは「テスト」状態で数日間データを確認し、正しく除外設定が機能しているか確かめてから「有効」に変更することを強く推奨します。
不正データを防ぐリファラースパム対策
リファラースパムとは、Webサイトのアクセス解析レポートに、実在しない参照元(リファラー)情報を記録させる迷惑行為のことです。レポートに不審な海外サイトからのアクセスが急増している場合、このリファラースパムが原因である可能性が高いです。これを放置すると、参照元やユーザー数のデータが汚染され、正確な流入経路の分析ができなくなります。
GA4の自動ボットフィルタリング機能
GA4には、既知のボットやスパイダーからのトラフィックを自動で除外する機能が標準で備わっています。この設定はデフォルトで有効になっているため、基本的には特別な操作をしなくても、多くの一般的なボットは自動的に除外されます。
この設定は以下の場所で確認できます。
- 「管理」>「データストリーム」>対象のウェブストリームを選択。
- 「タグ設定を行う」をクリック。
- 「設定」>「すべて表示」>「内部トラフィックの定義」の下に「ボットフィルタリング」という項目があります。
- 「既知のボットやスパイダーからのトラフィックをすべて除外する」のチェックボックスがオンになっていることを確認してください。
手動での参照元除外設定
自動フィルタリングをすり抜けてしまう悪質なリファラースパムに対しては、手動で参照元を除外する設定が有効です。「レポート」>「集客」>「トラフィック獲得」などで不審な参照元ドメインを見つけたら、以下の手順で除外リストに追加しましょう。
- 「管理」>「データストリーム」>対象のウェブストリームを選択。
- 「タグ設定を行う」をクリック。
- 「設定」>「すべて表示」>「除外する参照のリスト」を選択します。
- 「マッチタイプ」で「参照ドメインが次を含む」などを選び、「ドメイン」に除外したいスパムサイトのドメイン(例:spam-site.com)を入力します。
- 右上の「保存」をクリックします。
ただし、決済代行サービスや外部の予約システムなど、正常なユーザー遷移に必要なドメインを誤って除外しないよう、十分に注意してください。これらを除外すると、コンバージョンの参照元が正しく計測されなくなります。
IP除外ができない場合の対処方法
テレワークの普及により、社員が自宅など固定IPアドレスではない環境からアクセスするケースが増えています。このような状況では、IPアドレスベースの除外設定だけでは不十分です。ここでは、IPアドレスが利用できない場合の代替策をいくつか紹介します。
ブラウザ拡張機能(アドオン)を利用する方法
Googleが公式に提供している「Google Analytics オプトアウト アドオン」をブラウザにインストールする方法です。これをインストールしたブラウザからのアクセスは、GA4で計測されなくなります。個人単位で簡単に設定できますが、関係者全員が忘れずにインストールする必要があり、導入の徹底が課題となります。また、利用するブラウザごとに設定が必要です。
Googleタグマネージャー(GTM)とCookieを利用する方法
これは少し高度な方法ですが、より柔軟な対応が可能です。特定の社内向けページを用意し、そのページにアクセスしたユーザーのブラウザに「内部アクセス」であることを示すCookieを保存させます。そして、Googleタグマネージャー(GTM)側で「このCookieを持つユーザーからのアクセスの場合、GA4の計測タグを発火させない」という設定を行います。この方法であれば、一度設定すれば、ユーザーがどのネットワークからアクセスしても内部アクセスとして除外できますが、GTMに関する専門的な知識が求められます。
それぞれの方法にはメリット・デメリットがあるため、自社の運用体制に合わせて最適な方法を選択することが重要です。
| 対処方法 | メリット | デメリット |
|---|---|---|
| IPアドレスによる除外 | 設定が比較的容易で、一度行えば組織全体に適用できる。 | 固定IPアドレス環境でないと利用できない(テレワークなどに対応不可)。 |
| ブラウザ拡張機能 | IPアドレスに依存せず、個人単位で手軽に導入できる。 | 関係者全員への導入徹底が必要。設定漏れや別ブラウザ利用のリスクがある。 |
| GTMとCookieの利用 | IPアドレスに依存せず、柔軟かつ確実に除外設定が可能。 | GTMの専門知識が必要で、設定が複雑になる。 |
GA4初期設定のチェックリスト(保存版)
GA4の初期設定が完了したら、設定に漏れや間違いがないかを確認することが極めて重要です。この章では、設定完了後に確認すべき項目を網羅したチェックリストを用意しました。このリストを活用して最終確認を行うことで、データの計測精度を高めることができます。ブックマークして、いつでも見返せるようにしておくことをおすすめします。
初期設定に漏れがないか確認するリスト
GA4を運用する上で基本となる設定項目です。特に「データ収集」と「イベント・コンバージョン設定」は、今後の分析や広告施策の土台となるため、必ず確認してください。
| カテゴリ | チェック項目 | 確認のポイント |
|---|---|---|
| アカウント・プロパティ | GA4プロパティは正しく作成されているか | Googleアナリティクスにログインし、対象のプロパティが存在することを確認します。「管理」 > 「プロパティ設定」でプロパティ名や業種が正しく設定されているかを見直しましょう。 |
| アカウント・プロパティ | タイムゾーンと通貨は日本に設定されているか | 「管理」 > 「プロパティ設定」で、レポートのタイムゾーンが「(GMT+09:00) 日本標準時」、通貨が「日本円 (JPY ¥)」になっているか確認します。これが異なると、レポートの日付や収益額がずれてしまいます。 |
| データ収集 | 計測タグはサイトの全ページに設置されているか | Googleタグマネージャー(GTM)のプレビューモードや、ブラウザのデベロッパーツール(Networkタブで “collect” を検索)を使い、サイト内の主要なページでGA4へのデータ送信が行われているかを確認します。 |
| データ収集 | 拡張計測機能は有効になっているか | 「管理」 > 「データストリーム」 > (対象のストリームを選択) > 「拡張計測機能」がオンになっているか確認します。スクロール数や離脱クリック、サイト内検索などを自動で計測するために必要な設定です。 |
| データ設定・フィルタリング | データ保持期間は「14か月」に設定されているか | 「管理」 > 「データ設定」 > 「データ保持」を開き、イベントデータの保持期間が「14か月」に設定されているか確認します。デフォルトは「2か月」のため、変更しないと古いデータが探索レポートで利用できなくなります。 |
| データ設定・フィルタリング | 内部トラフィック(社内IPアドレス)の除外設定は完了しているか | 「管理」 > 「データストリーム」 > 「タグ付けの詳細設定」 > 「内部トラフィックの定義」で自社のIPアドレスを登録し、「管理」 > 「データ設定」 > 「データフィルタ」でそのフィルタが「有効」になっていることを確認します。 |
| データ設定・フィルタリング | 参照元除外リストは設定されているか | 「管理」 > 「データストリーム」 > 「タグ付けの詳細設定」 > 「除外する参照のリスト」で、決済代行サービスのドメイン(例: paypal.com)などが登録されているか確認します。これにより、正しい流入元を計測できます。 |
| イベント・コンバージョン設定 | 主要なコンバージョンイベントは設定されているか | 「設定」 > 「イベント」で、目標としているアクション(例: form_submit, purchase)がイベントとして一覧に表示されているか確認します。 |
| イベント・コンバージョン設定 | イベントはコンバージョンとしてマークされているか | 「設定」 > 「コンバージョン」で、目標とするイベントの「コンバージョンとしてマークを付ける」のトグルがオンになっているか確認します。これを忘れると、コンバージョンとして計測されません。 |
| サービス連携 | Google広告アカウントと連携されているか | 「管理」 > 「サービスとのリンク」 > 「Google広告」で、対象の広告アカウントが「リンク済み」と表示されているか確認します。 |
| サービス連携 | Search Consoleと連携されているか | 「管理」 > 「サービスとのリンク」 > 「Search Console」で、対象のプロパティがリンクされているか確認します。これにより、自然検索キーワードの分析が可能になります。 |
はじめの7日間で見るべき項目
設定後、データが意図通りに計測されているかを確認するために、最初の1週間でチェックすべきレポートと項目をまとめました。ここで異常に気づくことができれば、早期に問題を修正できます。
| 確認するレポート | チェックポイント | 正常な場合の挙動と対処法 |
|---|---|---|
| リアルタイム レポート | 自分のアクセスが反映されるか | IP除外をしていない状態でサイトにアクセスし、ユーザー数がカウントされるか確認します。反映されない場合、タグの設置ミスやフィルタ設定が考えられます。 |
| レポート > エンゲージメント > イベント | 設定したカスタムイベントが計測されているか | 「お問い合わせ完了」などのカスタムイベント名が表示され、イベント数が増加していれば正常です。表示されない場合、GTMのトリガーやタグの設定を見直しましょう。 |
| レポート > エンゲージメント > コンバージョン | コンバージョンがカウントされているか | テスト実施分を含め、コンバージョンがカウントされているか確認します。0件のままの場合、コンバージョンとしてマークする設定が漏れている可能性があります。 |
| レポート > 集客 > トラフィック獲得 | 流入チャネルが正しく分類されているか | 「セッションのデフォルト チャネル グループ」に “Organic Search” や “Paid Search”、”Referral” などが適切に表示されているか確認します。“Unassigned” が多い場合、広告のUTMパラメータが正しく設定されていない可能性があります。 |
| レポート > ユーザー > ユーザー属性 | ユーザーの地域データが取得できているか | 「国」や「市区町村」のデータが表示されているか確認します。データが全くない場合、Googleシグナルの設定や同意モードの実装に問題があるかもしれません。 |
広告運用者向けの特別チェック項目
Google広告などのウェブ広告を運用している方向けの追加チェックリストです。これらの設定を確実に行うことで、広告効果の正確な測定と最適化が可能になります。
| チェック項目 | 重要度 | 確認・設定のポイント |
|---|---|---|
| Google広告との連携 | 高 | GA4のコンバージョンをGoogle広告にインポートし、広告の自動入札に活用するために必須の設定です。GA4の管理画面で、Google広告アカウントとのリンクステータスが「リンク済み」になっていることを再度確認します。 |
| Google広告の自動タグ設定 | 高 | Google広告の管理画面で「アカウント設定」 > 「自動タグ設定」が有効になっているか確認します。これが無効だと、広告クリックの情報(GCLID)がGA4に渡らず、広告経由のセッションが正しく計測できません。 |
| GA4オーディエンスの共有 | 中 | GA4のGoogle広告連携設定で「パーソナライズド広告を有効にする」をONにします。これにより、GA4で作成したオーディエンス(例:カート放棄ユーザー)をGoogle広告のリマーケティングキャンペーンで活用できます。 |
| コンバージョンイベントのインポート | 高 | Google広告の「コンバージョン」画面で、GA4からインポートしたコンバージョンアクションが有効になっているか確認します。また、最適化のために「メインアクション」として設定されているかどうかも重要なポイントです。 |
まとめ|GA4初期設定を正しく行うと計測精度が劇的に改善
本記事では、Googleアナリティクス4(GA4)の導入時に必須となる初期設定について、プロパティ作成からタグの設置、コンバージョン設定、データフィルタリングまでを網羅的に解説しました。これらの設定は手順が多く複雑に感じるかもしれませんが、一つひとつを確実に行うことが、後のデータ分析の精度を大きく左右します。
GA4の初期設定を正しく行うことで計測精度が改善する最大の理由は、分析の土台となるデータの信頼性が確保されるからです。特に、社内からのアクセス除外やビジネス目標に合わせたイベント設定ができていないと、実態とはかけ離れたデータをもとに意思決定を下してしまう危険性があります。ユーザー行動を軸とした計測モデルに変わったGA4では、自社の成果を正しく計測するための初期設定が、これまで以上に重要です。
適切な初期設定が完了すれば、Webサイトの成果を正確に把握できるだけでなく、Google広告などと連携させた際の広告配信の最適化にもつながります。これにより、広告予算を効果的に活用し、事業の成長を加速させることが可能になるでしょう。
もし設定に不安がある場合は、本記事で紹介したチェックリストを活用し、設定項目に漏れがないか再度確認してください。正しい初期設定は、データに基づいた的確なサイト改善とマーケティング施策を実行するための第一歩です。
