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GA4 GTM連携完全ガイド|設定方法・イベント計測・トラブル解決まで解説

GA4(グーグルアナリティクス4)

  • 2025年12月17日
  • 2025年12月13日

Googleアナリティクス4(GA4)は、Webサイトやアプリの分析において標準となりつつある計測ツールです。そんなGA4を導入するにあたり、Googleタグマネージャー(GTM)を活用して効率的に運用したいと考える方も多いでしょう。

しかし実際に設定画面を開いてみると、タグやトリガーの概念が難しく、正しい手順が分からずに手が止まってしまうというケースも少なくありません。

この記事では、GA4とGTMの連携による導入手順から、特定のボタンクリックなどのイベント計測、コンバージョン設定、トラブルシューティングまでを分かりやすく解説します。

GTMを利用することで、サイトのソースコードを直接書き換えるリスクを減らし、管理画面上で柔軟なタグ管理が可能になります。

正確なデータ計測を行うための完全ガイドとして、ぜひ日々の運用にお役立てください。

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GA4 GTMとは?GA4とGTMを連携する意味

Webサイトの分析や改善を行う際、「GA4」と「GTM」という2つの用語をよく耳にすると思います。どちらもGoogleが無料で利用できるツールですが、それぞれ役割が異なります。この2つを正しく理解し、組み合わせて使うと、Webサイトの分析や広告運用の効率が格段に上がります。

ここでは、GA4とGTMそれぞれの基本機能と、なぜこれらを連携させて使うのが推奨されるのか、その理由やメリットについて詳しく解説します。

GA4とは何かを簡単におさらい

GA4(Googleアナリティクス4)は、Webサイトやアプリに訪れたユーザーの行動データを計測・分析するためのアクセス解析ツールです。以前のバージョンであるユニバーサルアナリティクス(UA)に代わり、現在では標準の解析ツールとして広く使われています。

GA4の最大の特徴は、すべてのユーザー行動を「イベント」として計測する仕組みになっていることです。ページを見た、ボタンをクリックした、画面をスクロールした、動画を再生したといった行動を細かくデータとして蓄積し、ユーザーがサイト内でどのような体験をしているのかを可視化します。つまり、GA4は「データを集めて分析する箱」のような役割を果たします。

GTM(Googleタグマネージャー)とは

GTM(Googleタグマネージャー)は、Webサイト上に設置するさまざまな「タグ」を一元管理するためのツールです。タグとは、アクセス解析ツールや広告媒体へデータを送るためのプログラムコードのことです。

通常、新しい広告を始めたり計測ツールを導入したりする際は、WebサイトのHTMLソースコードを直接編集してタグを埋め込む必要があります。しかし、GTMを導入しておけば、HTMLを直接編集することなく、GTMの管理画面上からタグの追加や修正が簡単に行えるようになります。

GA4以外にも、Google広告やYahoo!広告、Facebook広告(Meta広告)などのタグもまとめて管理できるため、複数の広告媒体を運用している場合にも非常に便利です。制作会社やエンジニアにコードの修正を依頼する手間やコストを削減できる点も大きな魅力です。

GA4 GTM連携でできること

GA4とGTMを連携させると、GA4単体では計測が難しい詳細なデータも、スムーズに取得できるようになります。GA4の管理画面だけでも基本的な設定は可能ですが、GTMを使うことで計測の自由度が飛躍的に高まります。

具体的には、以下のような計測や設定が容易になります。

 

できること詳細な内容
高度なイベント計測特定のボタンクリック、資料のダウンロード、外部サイトへのリンククリック、特定位置までのスクロールなどを細かく条件指定して計測できます。
クロスドメイン設定ECサイトとカートシステムでドメインが異なる場合など、複数のドメインをまたぐユーザーの動きを1人のユーザーとしてつなげて計測する設定が容易になります。
eコマース計測商品の購入、カート追加、決済開始といった詳細な売上データを、データレイヤーという仕組みを活用して正確にGA4へ送信できます。

特に、Webサイトの制作担当者に毎回依頼しなくても、マーケティング担当者が自分の手で計測設定を追加・変更できるスピード感は、ビジネスにおいて大きな武器になります。

gtag直貼りとの違い

GA4を導入する方法には、GTMを使う方法のほかに、GA4が発行する計測タグ(gtag.js)をWebサイトの全ページに直接貼り付ける「直貼り」という方法があります。どちらもデータは計測できますが、運用面や拡張性で大きな違いがあります。

 

比較項目GTMを利用する場合gtag.jsを直貼りする場合
タグの管理管理画面で一元管理可能ページごとのHTML編集が必要
設定の難易度初期学習は必要だが、運用は楽高度な計測にはJavaScriptの知識が必要
バージョン管理変更履歴が残り、復元も簡単手動でバックアップが必要
動作確認プレビューモードで公開前にテスト可能本番環境で確認する必要がある

直貼りは導入こそ簡単ですが、後から「特定のページの問い合わせボタンだけ計測したい」といった要望が出た際に、HTMLの書き換えが必要になり手間がかかります。また、誤ってコードを削除してしまうリスクもあります。

一方でGTMを使えば、「トリガー」という機能を使って条件を指定するだけで済むうえ、「プレビューモード」を使えばタグが正しく動くか公開前にテストできます。将来的な拡張性や管理のしやすさ、トラブル防止の観点から、GTM経由での導入が圧倒的におすすめです。

GA4 GTMの設定方法|GA4をGTMで導入する手順

Googleアナリティクス4(GA4)をGoogleタグマネージャー(GTM)経由で導入することで、タグの一元管理が可能になり、その後のイベント計測や運用が非常にスムーズになります。ここでは、アカウントの開設から実際にタグを発火させるまでの具体的な手順を解説します。

GA4プロパティの作成手順

まずはGoogleアナリティクスの管理画面で、計測の箱となる「プロパティ」を作成します。Googleアナリティクスのアカウントを持っていない場合は、アカウント作成から始めてください。

プロパティの作成は、以下の手順で進めます。

 

手順操作内容
1. 管理画面へ移動画面左下の歯車アイコン「管理」をクリックし、「プロパティを作成」を選択します。
2. 基本設定プロパティ名を入力し、レポートのタイムゾーンを「日本」、通貨を「日本円」に設定します。
3. ビジネス情報業種やビジネスの規模など、アンケート項目に回答して「次へ」進みます。
4. プラットフォーム計測対象として「ウェブ」を選択します。
5. ストリームの設定計測するWebサイトのURLとストリーム名を入力し、「ストリームを作成」をクリックして完了させます。

GA4測定IDの確認方法

プロパティとデータストリームを作成すると、ウェブストリームの詳細画面が表示されます。ここでGTMの設定に必要な「測定ID」を確認します。

画面右上に表示されている「G-」から始まる文字列が測定IDです。このIDが、GA4とGTMを紐付けるための重要なキーとなります。コピーボタンをクリックして、IDをクリップボードにコピーしておきましょう。もし画面を閉じてしまった場合は、「管理」>「データの収集と修正」>「データストリーム」から再度確認できます。

GTMでGA4設定タグを作成する方法

次に、GTMの管理画面に移動してタグを設定します。以前は「GA4設定タグ」という名称でしたが、現在は仕様変更により「Googleタグ」を使用して設定を行うのが一般的です。

GTMのワークスペースで「新しいタグ」を追加し、以下の手順で設定を行います。

 

設定項目入力・選択内容
タグの種類「Googleタグ」を選択します。
タグID先ほどコピーしたGA4の「測定ID(G-XXXXXX)」を貼り付けます。
設定パラメータ特別な要件がない限り、初期設定のままで問題ありません。

この「Googleタグ」を設置することで、ページビューをはじめとする基本的な計測データがGA4に送信されるようになります。

トリガー設定(All Pages)の考え方

タグを作成したら、そのタグを「いつ」「どこで」動かすかを決める「トリガー」を設定します。GA4の基本計測タグは、サイト内のすべてのページでデータを取得する必要があるため、トリガーには「All Pages(またはInitialization – All Pages)」を選択します。

「All Pages」を選択することで、ユーザーがサイト内のどのページを訪れてもタグが発火し、アクセス解析データが蓄積されます。設定が完了したらタグにわかりやすい名前(例:GA4ベースタグ)を付けて保存し、最後に「公開」ボタンを押すことで設定が本番環境に反映されます。

GA4 GTMでイベント計測を行う方法

Googleアナリティクス4(GA4)とGoogleタグマネージャー(GTM)の連携が完了したら、次に取り組むべきは「イベント計測」の設定です。ページが表示されたこと(ページビュー)以外にも、ユーザーがサイト内でどのような行動をとったかを把握することは、Webサイトの改善において非常に重要です。ここでは、GTMを使ってGA4のイベントを計測するための具体的な手順と設定例を解説します。

GA4イベントとは何か

従来のユニバーサルアナリティクス(UA)では「ページビュー」や「イベント」といったヒットタイプが区別されていましたが、GA4ではすべてのデータが「イベント」として計測されます。ページを見たことも、ボタンをクリックしたことも、すべてイベントという単位で扱われるのが大きな特徴です。

GA4のイベントは、大きく分けて以下の4種類に分類されます。それぞれの特徴を理解し、目的に応じて使い分けることが大切です。

 

イベントの種類概要と特徴
自動収集イベントGA4タグを設置するだけで自動的に計測されるイベントです。「session_start(セッション開始)」や「first_visit(初回訪問)」などが該当します。
測定機能の強化イベントGA4の管理画面で機能をオンにすることで計測できるイベントです。「scroll(スクロール)」や「click(離脱クリック)」、「file_download(ファイルダウンロード)」などがあります。
推奨イベントGoogleがあらかじめイベント名やパラメータを定義しているイベントです。ログイン(login)や購入(purchase)など、多くのサイトで共通する行動を計測する際に使用します。
カスタムイベント上記のいずれにも当てはまらない独自の行動を計測するために、自分で名前を定義して作成するイベントです。

GTMでGA4イベントタグを作成する手順

特定のユーザー行動を計測するためには、GTMで「GA4イベントタグ」を新規作成します。基本的な設定の流れは以下の通りです。

  1. GTMのワークスペース左メニューから「タグ」を選択し、「新規」ボタンをクリックします。
  2. 「タグの設定」エリアをクリックし、タグタイプの中から「Google アナリティクス: GA4 イベント」を選択します。
  3. 「測定ID」の欄には、GA4のプロパティで確認した「G-」から始まるIDを入力します(または、Googleタグで設定した変数を選択します)。
  4. 「イベント名」の欄に、GA4へ送信したいイベント名を入力します。例えば、ボタンクリックなら「button_click」のように、半角英数字とアンダースコアを使用するのが一般的です。
  5. 必要に応じて「イベントパラメータ」を追加し、クリックされた場所やテキストなどの詳細情報を付与します。

このタグに対して、どのようなタイミングで発火させるかという「トリガー」を紐づけることで、計測が開始されます。

クリックイベントの設定例

Webサイト内の特定のボタンやバナーがクリックされた回数を計測したい場合の設定例を見てみましょう。ここでは「お問い合わせボタン」のクリックを計測すると仮定します。

まず、GTMの「変数」メニューで「Click URL」や「Click ID」、「Click Text」などの組み込み変数を有効にしておく必要があります。これらが有効になっていないと、クリックされた要素を特定できません。

次にトリガーを作成します。

  • トリガーのタイプ:「クリック – リンクのみ」または「クリック – すべての要素」
  • トリガーの発生場所:「一部のリンククリック」
  • 条件設定:例えば「Click URL」「含む」「contact」のように、計測したいボタンを特定できる条件を指定します。

このトリガーを先ほど作成したGA4イベントタグに紐づけることで、特定のボタンがクリックされたデータのみをGA4に送信することが可能になります。

フォーム送信・電話クリックの計測方法

コンバージョンとして設定されることが多い「フォーム送信」や「電話番号のタップ」も、GTMを使えばスムーズに設定できます。

フォーム送信の計測

お問い合わせフォームなどが送信されたことを計測するには、トリガータイプ「フォームの送信」を使用します。ただし、近年増えているAjaxなどを使用した画面遷移のないフォームでは、このトリガーが正しく機能しない場合があります。その際は、完了画面のURLへの到達をトリガーにするか、開発者と協力してデータレイヤー変数を使用する方法を選択します。

電話クリック(タップ)の計測

スマートフォンユーザーが電話番号のリンクをタップした回数を計測するには、リンククリックのトリガーを活用します。

  • 条件設定:「Click URL」「含む」「tel:」

HTMLのaタグで「href=”tel:03-xxxx-xxxx”」のように記述されている箇所がタップされた時だけタグを発火させる設定です。これにより、実際に電話をかけようとしたユーザーのアクションを数値化できます。

GA4 GTMでコンバージョンを設定する方法

Webサイト運営において、問い合わせ完了や商品購入といった成果を正確に測ることは非常に大切です。GA4とGTMを連携させていれば、複雑な条件のアクションでも柔軟にコンバージョンとして計測できます。ここでは、GA4におけるコンバージョンの仕組みと、GTMを使って設定する具体的な手順を解説します。

GA4でのコンバージョン定義

従来のユニバーサルアナリティクス(UA)では「目標」として到達ページや滞在時間を設定していましたが、GA4ではすべてのデータが「イベント」として扱われます。そのため、GA4では計測されたイベントの中から、ビジネスにとって特に重要なアクションを「コンバージョン」として指定するという仕組みになっています。

なお、Googleは2024年にGA4の管理画面上の用語を更新し、広告以外の一般的なコンバージョンを「キーイベント」という名称に変更しました。しかし、設定の基本的な考え方や重要性は変わりません。GTMで計測した特定のイベントを、GA4側で「これは成果につながる重要なアクション(キーイベント)である」とマークすることで、コンバージョン数やコンバージョン率としてレポートに表示されるようになります。

GTM経由イベントをコンバージョンにする方法

GTMを使ってコンバージョンを計測するには、GTMとGA4で役割を分担して設定を行います。GTM側ですべて完結するわけではなく、GTMでデータを送り、GA4側でそれを受け取って評価設定を行う必要があります。

具体的な役割分担は以下の通りです。

 

ツール役割具体的な作業内容
GTMデータの送信「サンクスページ到達」や「ボタンクリック」をトリガーとしたGA4イベントタグを作成し、特定のイベント名(例:generate_lead)でGA4へ送信する。
GA4データの評価GTMから送られてきたイベントを受信し、そのイベントを「キーイベント(コンバージョン)」として登録する。

このように、まずはGTMでイベントを正しく発火させ、そのイベント名をGA4でコンバージョンとして指定するという2段階の工程が必要であることを理解しておきましょう。

管理画面での設定手順

実際にGA4の管理画面でコンバージョン(キーイベント)を設定する手順を見ていきましょう。ここでは、すでにGTM側でイベントタグの設定が完了し、データが送信されている状態を前提とします。

もっとも簡単で確実な方法は、計測実績のあるイベントをスイッチ一つで有効化する方法です。手順は以下の通りです。

まず、GA4の左メニューにある「管理(歯車アイコン)」をクリックし、「データの表示」セクション内にある「イベント」を選択します。ここには、過去に計測されたイベントの一覧が表示されています。

一覧の中に、GTMで設定したイベント名(例:contact_submit など)が見つかったら、その行の右側にある「キーイベントとしてマークする」のトグルスイッチをクリックしてオン(青色)にします。これだけで設定は完了です。以降、このイベントが発生するとコンバージョンとしてカウントされます。

もしGTMの設定直後でまだイベント一覧に表示されていない場合は、「キーイベント」メニューから「新しいキーイベント」をクリックし、GTMで設定したイベント名を直接入力して保存してください。データが受信され次第、計測が開始されます。

設定時の注意点

GA4とGTMを用いたコンバージョン設定は強力ですが、設定を誤ると正しく数値が取れないことがあります。特に以下のポイントには注意が必要です。

 

注意点詳細
イベント名の完全一致GTMで設定したイベント名とGA4で登録する名前は、大文字・小文字を含めて完全に一致している必要があります。半角スペースの有無なども含め、コピー&ペーストで入力するのが確実です。
過去データへの非適用コンバージョン設定はオンにした時点から有効になり、過去のデータには遡って適用されません。設定前のデータは通常のイベントとして残ります。
データ反映のタイムラグ設定を行っても、レポート画面に数値が反映されるまで数時間から24時間程度かかる場合があります。「リアルタイムレポート」では比較的すぐに確認できるため、設定直後はそちらでテストを行うと良いでしょう。

特にイベント名の入力ミスはよくあるトラブルの原因です。また、コンバージョン設定はビジネスの成果を判断する重要な指標となるため、設定後は必ずご自身でテストを行い、意図した通りに計測されているかを確認することをおすすめします。

GA4 GTMの確認方法|正しく計測できているかチェックする

GA4とGTMの連携設定を終えた後、いきなり本番環境へ公開するのはリスクがあります。設定に不備があり、データがまったく計測されていなかったり、二重計測になっていたりする可能性があるからです。タグを公開する前に、必ず動作確認を行いましょう。ここでは、GTMのプレビューモードを活用した検証手順から、GA4側でのデータ着信確認までを解説します。

GTMプレビューモードの使い方

まずはGTM(Googleタグマネージャー)の機能を使って、設定したタグが正しく動いているかを確認します。GTMのワークスペース右上にある「プレビュー」ボタンをクリックしてください。すると「Tag Assistant」という新しいタブが立ち上がります。

ここで検証したいWebサイトのURLを入力し「Connect」を押すと、別ウィンドウで対象のサイトが開きます。Tag Assistantの画面に戻り「Summary」を確認しましょう。「Tags Fired」という項目に、今回作成したGA4設定タグやイベントタグが表示されていれば、GTM側での発火は成功しています。もし「Tags Not Fired」にある場合は、トリガーの設定条件が間違っている可能性があります。

GA4リアルタイムレポートでの確認

GTMでタグが発火していても、GA4にデータが届いていなければ意味がありません。次にGA4の管理画面を開き、左メニューの「レポート」から「リアルタイム」を選択します。

リアルタイムレポートでは、過去30分間のユーザー行動が可視化されます。自分がアクセスしている地域や、閲覧しているページタイトルがここに表示されていれば、GA4へのデータ送信は正常に行われています。ただし、リアルタイムレポートへの反映には数秒から数分のタイムラグが生じることがあるため、表示されない場合は少し時間を置いてから再読み込みを試してください。

DebugViewでのチェック方法

より詳細なデータを検証したい場合は、GA4の「DebugView」機能を使用します。通常、GTMのプレビューモードで接続している状態であれば、自動的にデバッグモードの信号がGA4に送られます。

GA4の左下にある「管理」から「DebugView」を開いてください。ここでは時系列に沿ってイベントの発生状況を確認できます。クリックしたイベント名や、それに紐づくパラメータの値が正しく取得できているかまで細かくチェックできるのがDebugViewの大きなメリットです。特にカスタムディメンションやコンバージョン設定を行う前の検証として、この画面での確認作業は非常に重要です。

反映されないときの見直しポイント

手順通りに確認してもデータが表示されない場合や、想定と異なる挙動をする場合は、設定のどこかにミスがあると考えられます。よくある原因と対処法を以下の表に整理しました。

 

確認項目原因と対処法
測定IDの記述GTMに入力したGA4の測定ID(G-xxxxxxx)に誤りがないか再確認してください。スペースが含まれていたり、別のプロパティのIDを入力していたりするケースがあります。
トリガー条件タグを発火させるトリガー条件が厳しすぎる、あるいはURLの指定が間違っている可能性があります。まずは「All Pages」などの単純なトリガーでテストすることをおすすめします。
除外フィルタ社内IPアドレスからのアクセスを除外する設定がGA4側で有効になっていると、自分のアクセスが計測されません。検証時はフィルタを含まないビュー(プロパティ)で確認するか、一時的にフィルタを無効化する必要があります。
ブラウザの拡張機能広告ブロックやトラッキング防止機能を持つブラウザ拡張機能が、GTMやGA4の通信を遮断していることがあります。シークレットモードを利用するか、拡張機能をオフにして再度試してください。

GA4 GTMがうまく動かない原因と対処法

Googleアナリティクス4(GA4)とGoogleタグマネージャー(GTM)を連携させて設定を行ったにもかかわらず、データが正しく計測されない、あるいは数値がおかしいというトラブルは少なくありません。設定手順に間違いがないように見えても、細かな見落としが原因で正常に動作しないケースがあります。

ここでは、GA4とGTMの連携において発生しやすいトラブルの原因と、その具体的な対処法について解説します。計測トラブルに直面した際は、以下のポイントを順に確認してみてください。

GA4タグが発火しない原因

GTMのプレビューモードではタグが発火(Fired)しているように見えるのに、実際の計測が行われない場合や、そもそもタグが動かない場合には、いくつかの典型的な原因が考えられます。

まず最も多いのが、GTMコンテナの「公開」忘れです。プレビューモードで動作確認を行った後、画面右上の「公開」ボタンを押してバージョンを作成しなければ、一般ユーザーのアクセスに対してタグは機能しません。変更を加えた際は、必ず公開作業を行う必要があります。

また、トリガーの設定条件が厳密すぎるケースも見受けられます。例えば、「Page URL」を条件にする際、「含む」ではなく「等しい」を選択していると、パラメータが付与されたURLなどで条件不一致となり、タグが発火しません。トリガー条件を見直し、意図したページで確実に動作する設定になっているかを確認しましょう。

イベントがGA4に表示されない理由

タグは発火しているのにGA4の管理画面上にイベントデータが表示されない場合、データの反映ラグやフィルタ設定が影響している可能性があります。

GA4の標準レポートにデータが反映されるまでには、通常24時間から48時間程度の時間がかかります。設定直後にデータを確認したい場合は、標準レポートではなく「リアルタイム」レポートまたは「DebugView」を使用するのが鉄則です。

さらに、社内からのアクセスを除外する「内部トラフィックの定義」を設定している場合、自分自身のアクセスは計測されません。テストを行う際は、除外設定の影響を受けない環境やデバイスで行うか、DebugViewを利用して検証を行う必要があります。測定ID(G-XXXXXXX)の入力ミスがないかも、今一度確かめてみましょう。

二重計測が起きるケース

ページビュー数やイベント数が実態よりも明らかに多く計測される場合、二重計測(重複計測)が発生している可能性が高いでしょう。これは、タグの設置方法やGA4の機能重複によって引き起こされます。

主な原因と対策を以下の表に整理しました。

 

原因具体的な状況対策
タグの重複設置サイトのHTMLにgtag.js(直貼り)が残っており、さらにGTMでもGA4設定タグを配信している。ソースコードから古いgtag.jsを削除し、GTMのみで管理するように一本化する。
拡張計測機能との重複GA4の「拡張計測機能」でスクロールやクリックを自動計測している状態で、GTMでも同じイベントを手動設定している。重複しているイベントについて、GA4側の拡張計測機能をオフにするか、GTM側のタグを停止する。
トリガーの重複「All Pages」トリガーと、特定のページビュー用トリガーが同じタグに設定されている。不要なトリガー設定を削除し、条件が重ならないように整理する。

特に、GA4の「拡張計測機能」はデフォルトで有効になっていることが多く、GTMで丁寧にイベント設定を行った結果、同じアクションに対して2回イベントが送信されてしまうケースが多発しています。どちらか一方で管理するように設定を調整することが重要です。

GA4 gtm設定でよくあるミス

設定がうまくいかない場合、非常に初歩的なミスが原因であることも珍しくありません。時間をかけて高度な設定を疑う前に、基本的な項目を見直すことが解決への近道です。

よくあるミスとして、GoogleタグとGA4イベントタグの使い分けができていないことが挙げられます。ベースとなる計測を行うには「Googleタグ」の設定が必要ですが、個別のボタンクリックなどを計測する際には「GA4イベント」タグを使用します。この役割分担を混同すると、正しくデータが送信されません。

また、GTMのインストールコード(スニペット)の貼り付け位置が推奨と異なる場合も、予期せぬ動作不良の原因となります。<head>内のなるべく上部と、<body>直後の2箇所に正しくコードが配置されているか、ソースコードを確認してみましょう。こうした基本的な見直しを行うことで、多くのトラブルは解決に向かいます。

まとめ|GA4 GTMを正しく設定して計測精度を高めよう

今回は、Googleアナリティクス4(GA4)とGoogleタグマネージャー(GTM)を連携させる設定方法や、イベント計測の手順、トラブルシューティングについて解説しました。

GA4を単独で導入するのではなくGTMを経由させることで、タグの管理が一元化され、クリック計測やスクロール率などのイベント設定が格段にスムーズになります。特に、サイトの改修を伴わずにマーケティング施策に応じた計測タグを追加できる点は、Web担当者にとって大きなメリットといえるでしょう。

設定にあたっては、GA4の測定IDを正確に入力し、適切なトリガーを設定することが不可欠です。本記事で紹介した手順通りに進めることで、基本的なページビュー計測から特定のコンバージョン計測まで、問題なく実装できるはずです。

また、設定後は必ずGTMの「プレビューモード」やGA4の「DebugView」を使用して、データが正しく送信されているかを確認してください。設定ミスによるデータの欠損や二重計測は、その後の分析や広告運用に悪影響を及ぼす可能性があります。公開前にテストを行う習慣をつけることが、計測精度を保つための近道です。

Webサイトの分析環境を整えることは、サイト改善やビジネスの成果を最大化するための第一歩です。ぜひこの記事を参考にGA4とGTMの連携を完了させ、信頼できるデータに基づいたサイト運営を行ってください。

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この記事を書いた人

FC編集部

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FORCLE編集部です。WEB広告やHP・LP制作、GoogleAnalyitcs分析など、さまざまな役立つ最新のWEBマーケティング情報を随時発信しています。