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【GA4のデータ保持期間とは?】最大保持期間14ヶ月への変更方法を解説

GA4(グーグルアナリティクス4)

  • 2024年10月12日
  • 2024年10月12日

GA4(グーグルアナリティクス4)では「データの保持」という設定があります。

簡単に説明すると「GA4上のデータを保持できる期間のこと」を指します。

今回の記事では「Googleアナリティクス4(GA4)のデータ保持期間」に関する基本的な知識と、設定方法について詳しく説明します。

特にデフォルトではデータ保持期間が2ヶ月とされていますので、最大14ヶ月に変更することをおすすめします。

データ保持期間は、GA4を活用したデータ分析における重要な設定ポイントになりますので、GA4を効果的に利用する上で注意点もおさえた上でデータ保持期間をマスターしましょう。

GA4のデータ保持期間とは?

Google Analytics 4(GA4)におけるデータ保持期間は、GA4上のユーザーデータ・イベントデータの最大保存期間を意味します。

データ保持期間が経過すると、蓄積されたデータは自動的に削除され、以後の分析や意思決定で使用することができなくなります。

GA4ではデフォルトで2ヶ月間のデータ保持期間の設定とされており、多くの情報が短期的な分析に使用されることを前提としています。ただし、企業や業種によっては長期的なデータ分析やトレンド予測が必要とされるため、GA4はデータ保持期間を最大14ヶ月まで延長することが可能です。データ保持期間の延長は、過去のデータと現在のデータを組み合わせてより深い洞察を得るための重要な設定といえます。

データ保持期間変更の重要性

保持期間分析の種類適用分野
2ヶ月短期トレンド、即時分析商品プロモーション、キャンペーン効果測定
14ヶ月長期トレンド、戦略的分析季節変動分析、顧客ライフサイクル管理
最大50ヶ月(GA 360のみ)詳細データ分析、深層分析業務全体の最適化、詳細顧客分析

データ保持期間は、情報の集約と分析の精度に直接的な影響を与えます。保持期間を短く設定する場合、短期的なユーザーの動向を迅速に解析できる一方で、長期間にわたるデータを分析し、年間ベースでの変動や長期的な関係性を把握する際には長いデータ保持期間が求められます。このようなデータの扱い方は、企業の分析ニーズや戦略によって異なります。

更に、GA4には「新しいユーザーアクティビティのたびにリセット」機能が存在します。この機能は、ユーザーが新たにアクティビティを行うことでデータの保持期間が延長され続ける仕組みであり、顧客の継続的な関与を分析する際に非常に有用です。

GA4を用いるサイトオーナーや企業は、このデータ保持機能の柔軟性を最大限に活用し、自社のビジネス目標に合った保持期間を設定することが重要です。

うまく活用することで過去から現在、そして未来のトレンドを包括的に把握し、データに基づいた効果的な意思決定が可能となります。

GA4でデータ保持期間が設定された背景

Googleアナリティクス4(GA4)におけるデータ保持期間の設定は、ユーザーのプライバシー保護とデータセキュリティの重要性に起因しています。現在、インターネットを介した情報の拡散速度は増加の一途をたどっており、それに伴ってユーザー情報の取り扱いに関する法的制限やガイドラインが国際的に強化されています。

プライバシー規制の厳格化

特に欧州連合(EU)のGDPR(一般データ保護規則)は、企業が提供するサービスや製品がEUの住民のデータを扱う際に厳しい規制を課しています。また、カリフォルニア州のCCPA(カリフォルニア消費者プライバシー法)は、消費者が企業に対してデータの収集および使用の透明性を求める権利を提供しています。これらは企業にとって国際的なマーケットにおいて遵守しなければならない基準とされています。

主な法令と規制

規制名地域概要
GDPR欧州連合(EU)個人データ保護を強化する法律。企業は明確な目的の下でデータを使用しなければならない。
CCPAカリフォルニア州(US)消費者に個人データの利用について確認・制約する権利を与える法律。

データセキュリティとリスク管理

データ保持期間を明確にすることは、データ漏えいのリスクを低減し、ユーザー情報の不正な使用を防ぐための重要な手段です。データ漏えいは、大手企業にとっても経済的に大きなリスクをもたらすため、その影響は計り知れません。保持期間を適切に設定することで、情報漏えいや不正アクセスによる被害を最小限に抑えることが重要です。

コンプライアンスの重要性

各地域の法令や規制に従うことは企業の社会的責任であり、コンプライアンスを確保するためには、定期的なデータ管理の見直しが不可欠です。GA4では、データ保持期間を設定することで、企業のコンプライアンス体制が整備され、法的リスクを低減することができます。

法令順守による企業の信頼性向上

法令に基づくデータ管理とその適正な運用は、顧客との信頼関係を構築し、企業に対する評判を高める一助となります。これは特にデジタルマーケティング分野において、ユーザーエクスペリエンスと企業イメージの向上に大きく貢献します。

上記のようにGA4でデータ保持期間をしっかりと設定することは、単なる規制対応を超えて、企業の信頼性向上と国際的なビジネス展開に向けた戦略的なステップとなります。したがって、企業がデータを管理する際には注意深く計画を立て、これらの要素を適切に組み合わせて運用を強化することが求められます。

GA4のデータ保持期間の変更方法

GA4(Google アナリティクス4)では、ウェブサイトやアプリのデータを継続的に管理・分析するために、データ保持期間の設定が重要です。データ保持期間を適切に設定することで、より長期間にわたって詳細なデータ分析が可能となり、ビジネスの成長と改善に貢献します。

GA4でのデータ保持期間を柔軟に変更する手順について詳しく説明します。

管理画面左下「歯車マーク」を選択

まず最初に、GA4アカウントにログインします。ダッシュボードの左下に「歯車マーク」がありますので、これをクリックすると管理画面が開きます。設定画面では、プロパティ全体に影響するさまざまな設定を行うことができます。

データの収集と修正内の「データの保持」を選択

管理画面には多くの設定項目がありますが、その中から「データの収集と修正」セクションを探します。このセクションは、データの取り扱いに関する設定を行うための場所です。その中の「データの保持」をクリックすることで、データの保持期間を変更することができる画面に移動できます。

 

ga4 データ保持期間

イベントデータの保持「2ヶ月」or「14ヶ月」を選択

イベントデータの保持期間の選択を行います。イベントデータは、ユーザーの行動やアクションを記録したデータです。この保持期間は「2ヶ月」、もしくは「14ヶ月」から選ぶことができます。

ユーザーデータの保持「2ヶ月」or「14ヶ月」を選択

次に、ユーザーデータの保持期間を設定します。ユーザーデータは、個々のユーザーに関連する情報で、特定のアクションに結びつけることができます。保持期間は「2ヶ月」または「14ヶ月」から選択できます。

設定した変更内容を保存する

すべての設定が終わったら、変更を適用するために「保存」ボタンをクリックしてください。今後のデータ保持方針としてGA4に反映されます。状況が変わり、再度変更が必要な場合は、同じ手順で再度設定を変更することができます。

 

項目選択肢説明
イベントデータの保持期間2ヶ月、14ヶ月短期分析には2ヶ月を、長期的な傾向の把握には14ヶ月を推奨
ユーザーデータの保持期間2ヶ月、14ヶ月個々のユーザー行動を深く理解するためには14ヶ月を推奨

GA4のデータ保持期間のユーザーデータとイベントデータの違い

GA4(Google アナリティクス4)におけるデータ保持期間の設定は、ユーザーデータとイベントデータという2つの重要なデータタイプに分かれて保持期間が設定できます。ここでは、それぞれの違いと具体的な特徴について詳しく解説します。

ユーザーデータは「ユーザー単位」

ユーザーデータは、一人一人のユーザーの行動やその特徴に基づいて保存されます。具体的には、ウェブサイトやアプリでの行動履歴、デモグラフィック情報、デバイス情報などが含まれています。このデータは、個々のユーザーを識別するための識別子が付与され、設定された保持期間内に新たなアクティビティがない場合、自動的に削除されます。例えば、あるユーザーが3ヶ月間活動を停止した場合、そのユーザーのデータは保持期限切れとなり、一定期間後に削除される仕組みです。

イベントデータは「イベント単位」

一方、イベントデータは、特定のアクションやイベントがどの程度発生したかを詳細に記録します。例えば、特定のページの訪問頻度や、クリックされたボタンの回数などが含まれます。GA4の標準プランでは、このイベントデータは最大で14ヶ月間保持することが可能です。この設定により、マーケティングキャンペーンやユーザーエンゲージメントの長期的な分析が可能になります。

イベントデータはアナリティクス360のみ50ヶ月まで保持可能

アナリティクス360というGA4の上位プランを利用することで、イベントデータを最大50ヶ月間保持することができます。この機能は特に、大規模なデータ解析を必要とする企業にとって重要です。長期的なマーケティング戦略の結果を分析したり、季節ごとのトレンドを詳細に追跡したりするのに非常に役立ちます。

 

データタイプ保持対象標準保持期間アナリティクス360保持期間
ユーザーデータユーザー単位最大14ヶ月最大14ヶ月
イベントデータイベント単位最大14ヶ月最大50ヶ月

データ保持期間の適切な管理は、分析基盤を強化し、長期的なビジネスインサイトを得るための基礎になります。

企業は必要なデータを正確に追跡し、ウェブサイトやアプリのパフォーマンスを最適化し続けることが可能になります。

企業の成長と競争力を維持するためには、上記の内容を考慮し、GA4のデータ保持期間の設定を正しく行うことが重要です。

データ保持期間の影響を受けるのは「探索レポート」のみ

GA4のデータ保持期間設定による影響は、すべてのレポートに及ぶわけではありません。実際には「探索レポート」のみが影響を受けることが重要なポイントです。「探索レポート」では、ユーザーが設定したカスタムクエリに基づいて、詳細なデータ分析が可能です。

ビジネス意思決定に必要な特定のデータを抽出し、分析することが求められていますが、データ保持期間の設定がデータの可用性に直接的に影響します。

たとえば、「探索レポート」を用いて過去のユーザー行動を分析する際に、データ保持期間が短縮されている場合、過去のデータを取得できず、正確なトレンド分析や多次元的なインサイトを得ることが難しくなります。その結果、広告の効果測定やマーケティング戦略の立案において、正確性を欠く結果をもたらすリスクがあります。リスクを最小限に抑えるため、データ保持期間の設定はビジネスニーズに応じた適切な選択が求められます。

データ保持期間の選択は、「探索レポート」で行うカスタム分析に直結します。データ保持期間が短い場合、過去の行動データに基づくインサイトの獲得が困難となり、たとえば、季節ごとの消費者行動の変化を追跡することや、新規顧客とリピーターの行動比較が制限されてしまいます。

したがって、特定の分析を行いたい場合や、長期間にわたる傾向分析が必要な場合は、あらかじめどのような分析が必要かを明確にして、最適なデータ保持期間を設定することが不可欠です。

さらに注意点として、探索レポート以外の標準レポートやダッシュボードは、GA4のデータ保持期間の制約を受けることなく、元々の設定や外部データソースによって決定された表示期間に基づいてデータが引き続き利用可能です。日々の運用においては安心してデータを使用することができますが、深い分析が必要な場合には探索レポートの設定を再確認することをおすすめします。

GA4のデータ保持期間の注意点

GA4におけるデータ保持期間の設定には、ユーザーが事前に考慮すべき重要な注意点があります。

注意点を理解して、データを効果的に管理していきましょう。

年齢・性別・インタレストカテゴリのデータは設定に関係なく2ヶ月間

GA4では、ユーザーの年齢、性別、およびインタレストカテゴリに関するデータがデフォルトで2ヶ月間保持され、その期間を延長保持させることはできません。この制限は、プライバシー保護やデータセキュリティの観点から設定されています。

デフォルト設定は「2ヶ月」のデータ保持期間

GA4では、イベントデータとユーザーデータの保持期間は初期設定で2ヶ月となっているため、特定の長期分析が必要な場合には設定の見直しが必須です。

長期的なデータ分析を行う予定がある場合は、意図的にこの設定を変更する必要があります。

データ保持期間の設定変更をする際は、マーケティングや分析戦略に与える影響を慎重に考慮することです。保持期間が短すぎると、長期的なパフォーマンスの評価や、季節的な変動を考慮した戦略設定が難しくなる可能性があります。一方で、保持期間を無闇に延ばすと、不要なデータが大量に保存され、分析の精度が下がるリスクもあります。GA4のデータ保持期間設定を効果的に利用し、ビジネスにとって最適なデータ活用を行いましょう。

「新しいユーザーアクティビティのたびにリセット」機能とは?

Googleアナリティクス4(GA4)では、ユーザーの行動データやイベントデータの保持期間を柔軟に管理できる機能が搭載されています。その中でも「新しいユーザーアクティビティのたびにリセット」機能は、特にビジネス分析において重要な役割を果たします。

「新しいユーザーアクティビティのたびにリセット」の概要

この機能はユーザーが新たにアクションを取るたびに、そのアクションの時点からデータ保持期間をリセットする仕組みです。例えば、ユーザーがWebサイトを訪れアクティビティを実行するごとに、そのイベントを基点としてデータ保持期間が再計算されます。

リピーターなど頻繁にアクセスするユーザーのデータをより長期間保持し、細かな分析を可能にします。

リセット機能のメリット

リセット機能を活用することで、ユーザーの継続的かつ詳細な行動情報を追跡できるメリットがあります。

この機能はリピーターの行動パターンの把握や、定期的に利用されるサービスのパフォーマンス向上に役立ちます。

具体的なビジネスでの活用例

たとえばオンラインショップの運営者にとっては、リピート購入を促進するために効果的です。特定のユーザーが一定期間内にサイトを再訪問し、何らかの顧客アクションを行うたびにデータが更新され、長期的なトレンド分析や高精度なターゲティング広告の効果測定に役立つと期待されます。また、制作したキャンペーンの結果を適切に評価することができ、一層のマーケティング最適化を促します。

GA4のデータ保持期間についてのまとめ

GA4のデータ保持期間は、ユーザーアクティビティに基づき「2ヶ月」または「14ヶ月」の設定が可能です。

ユーザー行動の迅速な分析が可能となる一方で、データ保持期間により「探索レポート」の利用に影響を与える可能性があります。なお、特定のデータカテゴリは設定にかかわらず2ヶ月の保持となるため、注意が必要です。

最大限にデータを活用するために、企業ごとの戦略に応じたデータ保持期間の設定を検討しましょう。

この記事を書いた人

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