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【GA4のアトリビューション分析】仕組みや設定・確認方法を解説

GA4(グーグルアナリティクス4)

  • 2024年10月22日
  • 2024年10月22日

Googleアナリティクス4(GA4)のアトリビューション分析は、デジタルマーケティングにおける多様なタッチポイントを評価し、コンバージョンに至る経路を深く理解するための重要な手法です。

本記事では、アトリビューション分析の基本的な仕組みから、GA4で利用できる多様なアトリビューションモデルの種類、その特徴、旧版であるユニバーサルアナリティクス(UA)との違いについて詳しく解説します。

また、具体的な設定方法や分析結果の確認方法、分析する際の注意点についても触れています。

GA4のアトリビューション分析により、マーケティング戦略がどのように最適化できるかを理解することができ、より効果的なデータドリブン戦略の構築につながりますのでチェックしてみてください。

目次

アトリビューション分析とは

アトリビューション分析は、デジタルマーケティングにおける重要な手法であり、多様なチャネルやタッチポイントを通じてどのようにユーザーが最終的なコンバージョンに至ったかを理解するものです。具体的には、検索エンジン、SNS、メールキャンペーンなど、さまざまなマーケティング活動がどのように効果を発揮したのかを明らかにします。

アトリビューション分析によってマーケティング活動の価値を正確に評価し、特定のチャネルやキャンペーンがビジネス成果にどの程度貢献しているのかを把握できます。

さらに、アトリビューション分析は広告費用の最適化に大いに役立つという利点があります。限られたマーケティング予算を最も効果的に使うために、各タッチポイントの効果を測定し、ROI(投資利益率)の最大化を図ります。特に現代の消費者は複数のデバイスを使いこなし、様々なチャネルを経由して行動するため、このような分析は不可欠です。

たとえば、スマートフォンで商品を検索し、その後PCで購入を決めるといったユーザー行動を正確に把握・分析することが可能になります。

事例にみるアトリビューション分析の応用

例えば、オンラインショップを運営する企業が、メールキャンペーン、Google広告、SNSを通じて商品を販売しているとします。この場合、メールキャンペーンが直接的に売上を生んでいるわけではなくても、SNSやGoogle広告での露出がメール経由での購入につながるケースが判明することがあります。実際に、メール経由で直接商品の購買に進んだ顧客の割合が20%であったとしても、残り80%の顧客が他のタッチポイントに影響されて最終的にメールを通じて購入に至るケースもあるのです。

上記のようにしっかりとアトリビューションの分析ができれば、より効果的な広告戦略を設計し、無駄を省いたマーケティング活動が実現できます。

具体的なアトリビューションモデルの活用

アトリビューションを正確に行うためには、複数のアトリビューションモデルを活用します。これらのモデルは、ユーザーの行動を多角的に検討するために欠かせないツールです。ラストクリックモデルやファーストクリックモデルといった既存の手法に加え、データドリブンモデルが注目されており、より個別のユーザー行動に基づいて貢献度を割り当てることが可能です。

GA4のアトリビューション分析はなぜ重要なのか

GA4のアトリビューション分析は、マーケティング施策の効果を正確に評価し、限られた予算やリソースを効率的に活用するための重要なツールです。消費者の多様な購買心理を理解し、適切なマーケティングアプローチを実施する上で、各手法の有効性を見極めることが不可欠です。

消費者の購入プロセスが複雑化し、さまざまなタッチポイントを経由する現代では、単一の接点だけでなく、全体のプロセスを分析する必要があります。

GA4のアトリビューション分析が重要な理由を詳述します。

 

理由詳細
多様なモデルの提供GA4は多様なアトリビューションモデルを提供し、それぞれの施策がどのようにコンバージョンに寄与しているかをより正確に把握できます。これにより、より最適化された意思決定が可能となります。具体的には、データドリブンアトリビューションによって得られるインサイトは、過去のパフォーマンスに基づいた最適な広告キャンペーンの計画に役立ちます。
統合されたデータ分析複数のチャネルから集められたデータを統合して分析することができ、全体のユーザー行動を把握できます。これにより、コンバージョン経路の全体像を理解します。例えば、多くのユーザーがまずソーシャルメディアを経由し、最終的にオーガニック検索からコンバージョンするパターンが見られるかもしれません。
カスタマイズ可能なレポートビジネスのニーズに合わせたレポートを作成できるため、特定のキャンペーンやチャネルの効果測定が容易です。広告費用対効果(ROAS)の追跡や、最も効果的な広告チャネルを特定するのにも助けとなります。このカスタマイズされた分析により、ターゲット層へのアプローチをリアルタイムで修正することが可能です。
シームレスなユーザーエクスペリエンスの提供ユーザーの行動パターンを深く理解することにより、シームレスなエクスペリエンスを提供することができます。これにより、消費者満足度の向上に寄与し、ブランドロイヤルティを強化します。
データ駆動型の意思決定プロセス膨大なデータを根拠にした意思決定は、リスクを最小限にし、収益を最大化するための確実な方法です。市場トレンドに先んじた対応を可能にし、競争優位を維持することに直結します。

以上の点から、GA4のアトリビューション分析は、マーケティング戦略の精度を高め、競争優位を獲得するために不欠かつ、現代のマーケティングにおける成功の鍵を握っていると言えます。このツールを効果的に活用することで、より洗練されたマーケティング戦略を構築し、顧客のニーズにいち早く応えることが可能になります。

GA4のアトリビューションモデルの種類

Google Analytics 4(GA4)は、デジタルマーケティングの成功を多角的に評価するためにアトリビューションモデルを提供しています。

マーケティングの成果をさまざまな視点から把握し、最適な施策を講じることが可能です。

以下では、利用可能な主要なアトリビューションモデルについて詳しく解説します。

ラストクリックモデル

ラストクリックモデルは、ユーザーがコンバージョンする際、最も直近の接点にすべての貢献度を割り当てます。マーケティング担当者は、このモデルを使用して即座に影響を与えるための最も有効なチャネルを特定することができます。例えば、購入に至る最後の広告クリックを重視したい場合に有効です。

ファーストクリックモデル

ファーストクリックモデルは、顧客が初めてWEBサイトを訪問した際の接点に重点を置く方法です。このモデルを利用することで、初回訪問のきっかけとなったチャネルを識別し、長期的なキャンペーンの効果を評価することができます。これにより、ユーザーとの最初の接点を改善する施策を立案できます。

線形モデル

線形モデルでは、コンバージョン経路上のすべての接点に均等な貢献度を割り当てます。このため、ユーザーがどのようなルートで購入に至るのかを中立的に分析することが可能です。各チャネルの役割を公平に評価するため、複数のタッチポイントがどのように作用しているかを細かく分析したい場合に役立ちます。

減衰モデル

減衰モデルは、コンバージョンに近い接点に大きな貢献度を与えるモデルです。時間の経過と共に接点ごとの影響力が低下していくため、直前の行動を重視した分析が可能になります。キャンペーンが時間とともにどのように効果を発揮するかを理解するために適したモデルです。

接点ベースモデル

接点ベースモデルは、特定の接点やイベントに貢献度を集中させる方法です。特に重視したいユーザーの行動やイベントがある場合、このモデルを用いることで、その重要性を明確に強調することができます。

データドリブンモデル

データドリブンモデルは、機械学習を活用してリアルタイムでユーザー行動を分析し、最も効果的な接点を特定する高度なモデルです。その柔軟性と精度から、データに基づいた意思決定を後押しするため、多くの企業で活用されています。実際の例としては、大規模なデータセットからパターンを見出し、特定のキャンペーンがどの程度の影響を与えているかを精確に把握することが挙げられます。

 

モデル名特徴使用例
ラストクリックモデル最後の接点に貢献度を集中させる即時的な影響を評価する際に使用
ファーストクリックモデル最初の接点を重視する顧客の最初の出会いを評価
線形モデルすべての接点を均等に評価する公平なチャネル評価の際に有効
減衰モデル時間の経過で貢献度を変化させる直前の行動を重視した分析に適用
接点ベースモデル特定の接点に焦点を当てる特定イベントの影響を評価
データドリブンモデル機械学習による最適化詳細なユーザー動線解析に利用

GA4とUAのアトリビューション計測の違い

Googleアナリティクス4(GA4)とユニバーサルアナリティクス(UA)では、アトリビューション分析において大きな進化が見られます。それぞれの違いを理解することで、効果的なマーケティング戦略の構築が可能となります。

GA4のアトリビューション分析の特徴

GA4の最大の特徴は、デフォルトでデータドリブンアトリビューションモデルが採用されている点です。このモデルでは機械学習アルゴリズムによってデータから有効性の高いタッチポイントを特定し、コンバージョンパスをより多角的に分析することができます。具体例として、あるユーザーが広告を見てから2日後に検索広告経由でサイトに訪れ、結果的に会員登録をしたとします。この場合、GA4では広告を見た瞬間から会員登録に至る複数のステップを考慮し、それぞれのステップがどの程度会員登録に寄与したかを評価します。これによりマーケティング施策の効果を正確に把握し、各タッチポイントに応じた投資配分を可能にします。

デフォルト設定が「データドリブンアトリビューションモデル」

データドリブンアトリビューションモデルは機械学習を活用して、強力な分析を可能にします。たとえば、ウェブセミナーを開催した企業がGA4を活用することで、どのキャンペーンが参加者を集めるのに最も効果的であったかを分析し、次回の計画に役立てることができます。

UAのアトリビューション分析の特徴

対照的に、UAでは無料で利用可能なアトリビューションモデルが「ラストクリックモデル」に限定されていました。ラストクリックモデルでは、最終的にコンバージョンにつながったクリックだけを評価するため、他のタッチポイントの影響を詳細に分析することはできません。

無料で使用できるモデルは「ラストクリックモデル」のみ

UAのラストクリックモデルは無料で利用できる反面、他のマーケティングチャネルがコンバージョンに与える実際の影響を見逃す可能性があります。

こうした違いから、GA4のデータドリブンアトリビューションモデルは、現代のデジタルマーケティングにおいて不可欠なツールとなっています。適切に運用することで無駄を削減し、ROIを最大化することが可能です。GA4とUAの相違点を理解し、GA4の提供するデータを活用することで、マーケティング効果の最大化を図りましょう。

GA4でアトリビューションを設定する方法

GA4でアトリビューションを適切に設定することは、正確なデータ分析とマーケティング効果の最大化に欠かせません。このセクションでは、GA4でのアトリビューション設定手順を詳しく解説します。具体的な設定手順や、各ステップで考慮すべき要素についても取り上げています。

 

GA4 アトリビューション分析

「管理」から「アトリビューション設定」を選択

最初のステップとして、GA4の管理画面にアクセスし「アトリビューション設定」を選択します。

GA4 アトリビューション分析

「レポート用のアトリビューションモデル」から選択して保存

「アトリビューション設定」画面で「レポート用のアトリビューションモデル」を選択します。

 

モデル名説明
ラストクリックモデル最後にクリックされたチャネルにコンバージョンを割り当てます。最終的なユーザー行動に直結するため、広告の直前の効果を測定したい場合に有効です。
データドリブンモデル機械学習を活用し、データから自動的に最適なチャネル貢献を算出します。このモデルはユーザーの実際の行動データに基づいており、精度の高い分析が可能です。

「貢献度が割り当てられるチャネル」とは

アトリビューション分析では、特定のチャネルにどれだけの貢献度が割り当てられているかを把握することが重要です。

Googleの有料チャネル

Google広告やYouTube広告などの有料チャネルは、詳細な貢献度を把握するためにデフォルトでサポートされています。有料チャネルの貢献度を詳細に把握することで、広告投資の効果を正確に測定し、投資対効果の高い施策を実行することが可能となります。

有料チャネルとオーガニックチャネル

有料チャネルとオーガニックチャネルの貢献度を比較することで、マーケティング戦略を最適化できます。オーガニックチャネルがどの段階で影響を与えているかを理解することで、オーガニックな流入を増やすための施策を講じることができます。

「キーイベントのルックバックウィンドウ」について

ルックバックウィンドウは、特定のイベントが発生する前にさかのぼって評価する期間です。

ウィンドウを調整することで、より適切なデータが取れるようになります。

クリックスルーキーイベント

クリックスルーイベントではユーザーが広告をクリックしてからのアクションを追跡します。実際にユーザーがどのようにコンバージョンするのか、その経路を詳細に知ることができます。

エンゲージビューキーイベント

エンゲージビューイベントでは、ユーザーが広告をクリックしなくてもエンゲージメントがある際に追跡します。このデータはコンバージョンファネルの上流を改善するために有効です。

GA4でアトリビューション分析項目を確認する方法

Google Analytics 4(GA4)では、アトリビューション分析に関するさまざまなデータを確認することが可能です。

具体的な確認方法について詳しく解説します。

 

GA4 アトリビューション分析

アトリビューションモデル

アトリビューションモデルを確認するためには、「広告」メニューから「アトリビューションモデル」を選択します。この機能では、どのアトリビューションモデルが現在使用されているかを確認し、必要に応じてモデルを変更することができます。異なるモデルを比較することで、どのチャネルがどの程度コンバージョンに貢献しているのかを深く理解することが可能です。

 

GA4 アトリビューション分析

アトリビューションパス(コンバージョン経路)

アトリビューションパスを確認するには、「広告」メニューから「アトリビューションパス」を選択します。この機能を利用することで、コンバージョンに至るまでのユーザーの経路を視覚的に確認することができます。どのチャネルがどの段階で貢献しているのかを明確にし、マーケティング戦略を精密に調整する手助けとなります。

アトリビューションパスの確認は、マーケティング活動を最適化するために非常に重要です。ユーザーの複雑な行動を解析し、特定のチャネルがユーザーの意思決定過程にどのように影響を与えているかを理解することで、広告の配置や予算配分を最適化することが可能になります。さらに、特に貢献度の高いチャネルを強化したり、見逃されている潜在的なチャネルを発掘したりすることができます。

GA4でアトリビューション分析する際の注意点

GA4を用いたアトリビューション分析は、マーケティング戦略を最適化するために非常に有用ですが、その効果を最大限に引き出すためにはいくつかの注意点を理解しておく必要があります。その注意点を把握し、適切に対処することで、分析の精度を高め、有意義なインサイトを得ることが可能です。

データの整合性を確認する

GA4のアトリビューション分析を実施する前に、まずはデータの整合性と正確性を確認することが不可欠です。データが誤っていると、分析結果に誤解を生じさせ、無駄な戦略を実行してしまう可能性があります。日々データを監視し、異常値が出た際には迅速に確認と修正を行うことが求められます。

たとえば、トラッキングコードの設置ミスや、チャネル設定の誤りなどがあると、大きくデータがずれてしまいます。

データの精度を定期的に確認しましょう。

アトリビューションモデルの選択に注意

アトリビューションモデルが異なると分析の結果にも大きく影響します。GA4には複数のアトリビューションモデルが用意されていますが、それぞれのモデルの特徴とビジネスに与える影響を理解して選択することが重要です。

自社のビジネスニーズやキャンペーンの目的に合わせて適切なモデルを選択することが成功の鍵となります。

データのプライバシーに配慮

GA4では、詳細なユーザー行動データを収集することが可能です。しかし、ユーザーのプライバシーに十分に配慮することが必要不可欠です。特に、個人情報保護法やGDPRなどの法規制を遵守し、プライバシーの侵害を避けるために必要な措置を講じることが大切です。

データ期間の考慮

分析の信頼性を高めるために、十分なデータ収集期間を設けることが推奨されます。短期間で得られたデータに頼った分析は、一面的な結論に導くリスクがあります。トレンドを正確に把握し、マーケティング戦略に反映するためには、少なくとも数か月単位でデータを観察し続けることが重要です。

これらの注意点を考慮しながらGA4でアトリビューション分析を行うことで、貴社のマーケティング活動をより効果的にし、競争力を高める支援となるでしょう。

GA4のアトリビューション分析についてのまとめ

GA4のアトリビューション分析は、多様なアトリビューションモデルを提供することにより、マーケティング活動の成果をより正確に評価する手法です。

特にデフォルトで「データドリブンアトリビューションモデル」を使用できる点で、ユーザー行動を深く理解できる利点があります。

UAの「ラストクリックモデル」との違いが明確で、GA4では広告活動の効果を詳細に追跡し、最適化できる可能性があります。

GA4のアトリビューションを設定し利用する際は、モデルの選択やルックバックウィンドウの設定に注意が必要です。

広告の貢献度をより精緻に計測し、デジタルマーケティングの戦略を強化していきましょう。

この記事を書いた人

FORCLE編集部

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