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Google広告で電話コンバージョンを設定する方法!成果を最大化するトラッキング術

Google広告

  • 2025年10月24日
  • 2025年10月18日

Google広告で電話からの問い合わせを増やしたいものの、成果を正確に計測できずお悩みではないでしょうか。

電話コンバージョンを正しく設定・計測することは、広告効果を最大化する上で不可欠です。

本記事では、電話コンバージョンの4つの計測方法から具体的な設定手順、成果を伸ばす分析のコツまでを解説します。

この記事を読めば、電話経由の成果を正確に可視化する方法が分かりますので、電話計測を必要とする広告を配信する際にはぜひ参考にしてみてください。

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Google広告電話コンバージョンとは?Google広告での意味と重要性

Google広告における電話コンバージョンとは、広告をクリックしたユーザーが、その結果として電話で問い合わせや予約、注文などを行った件数を指します。Webサイト上のフォーム送信や商品購入といったオンラインでの成果だけでなく、オフラインの重要な顧客接点である「電話」という行動を成果として計測する仕組みです。

特にスマートフォンの普及に伴い、ユーザーは検索結果から直接電話をかけることが増えています。このユーザー行動を正確に捉えることは、広告キャンペーン全体の成果を正しく評価し、ビジネスの成長を加速させる上で極めて重要です。この章では、電話コンバージョンの基本的な意味と、なぜ広告運用において重要視されるのかを詳しく解説します。

電話コンバージョンが重要視される背景

近年、Google広告において電話コンバージョンの計測が重要視されている背景には、ユーザーの行動様式の変化が大きく関わっています。具体的には、主に以下の2つの理由が挙げられます。

スマートフォンの普及による検索行動の変化

今や多くのユーザーがスマートフォンを使って情報を検索しています。飲食店を探したり、急なトラブルの解決策を調べたりする際、ユーザーは検索結果や広告に表示された電話番号をタップするだけで、すぐに発信できます。このように、検索から電話へという行動のハードルが劇的に下がったことで、電話での問い合わせはビジネスにおける主要なコンバージョン経路の一つとなりました。

「今すぐ客」を取り込むための有効な手段

水道修理や鍵の紛失といった緊急性の高いサービスを探しているユーザーは、フォーム入力よりもまず電話で相談したいと考える傾向があります。また、不動産やリフォーム、法律相談といった高額・専門的なサービスにおいても、テキストのやり取りだけでは伝わりにくいニュアンスを確認したり、直接担当者と話して安心感を得たりするために、電話が選ばれやすいです。電話コンバージョンを計測することで、こうした購買意欲の高い「今すぐ客」を逃さず捉えることができます。

電話コンバージョンを計測する3つの大きなメリット

電話コンバージョンを計測することは、単に通話数を把握するだけにとどまりません。広告運用全体にプラスの影響をもたらす、以下のような大きなメリットがあります。

1. 広告効果の正確な把握とROIの改善

最大のメリットは、広告キャンペーン全体の費用対効果(ROI)を正確に把握できる点です。もし電話での成果を計測していなければ、オンライン上のコンバージョンしか見ることができず、広告の真の価値を見誤ってしまう可能性があります。例えば、オンラインでの成果はゼロでも、実は多くの電話問い合わせを生んでいる広告キャンペーンを「効果がない」と判断し停止してしまうかもしれません。電話コンバージョンを計測することで、どのキーワードや広告、地域が電話につながっているかを可視化でき、成果の高い施策に予算を集中させ、広告運用全体のROIを改善できます。

2. 機械学習の精度向上と広告配信の最適化

Google広告の自動入札戦略は、設定されたコンバージョンデータを基に機械学習を行い、広告配信を最適化します。「コンバージョン数の最大化」や「目標コンバージョン単価」といった戦略を利用している場合、電話コンバージョンのデータを学習させることで、「電話をかけやすいユーザー」に対して広告が優先的に表示されるようになります。これにより、機械学習の精度が高まり、より効率的に電話での問い合わせを獲得できるようになります。

3. 機会損失の防止と顧客インサイトの獲得

これまで見過ごされてきた「電話」という重要な成果地点をデータとして捉えることで、ビジネスの機会損失を防ぎます。さらに、通話時間などのデータを分析することで、ユーザーの関心度を推測することも可能です。例えば、「特定の広告からの通話は平均時間が長い」といったデータが得られれば、その広告が質の高い見込み顧客を惹きつけている可能性が分かります。これは、今後のマーケティング戦略を立てる上での貴重な顧客インサイトとなります。

電話コンバージョン計測が特に有効な業種・サービス

電話コンバージョン計測は、特にユーザーが電話での問い合わせをしやすい特定の業種やサービスにおいて、その効果を最大限に発揮します。代表的な例を以下の表にまとめました。

 

業種・サービスの分類具体的なサービス例電話コンバージョン計測が有効な理由
地域密着型サービス飲食店、美容院、整体院、クリニック、学習塾予約や空き状況の確認など、即時性が求められる問い合わせが多いため。
緊急サービス水道修理、鍵交換、害虫駆除、ロードサービスユーザーが「今すぐ解決したい」という強いニーズを持っており、直接話して迅速な対応を求めるため。
高額・検討期間が長い商材不動産(賃貸・売買)、リフォーム、注文住宅、自動車販売詳細な説明や個別相談が必要となり、Webサイトの情報だけでは判断が難しく、直接話を聞きたいというニーズが高いため。
専門的なサービス法律事務所、税理士事務所、コンサルティング会社、探偵事務所複雑な内容や個人的な悩みを相談するケースが多く、専門家と直接対話することで安心感を得たいと考えるユーザーが多いため。

もしあなたのビジネスがこれらの業種に当てはまる場合、電話コンバージョンの計測は広告成果を飛躍的に向上させるための重要な一手となるでしょう。

Google広告で電話コンバージョンを計測する4つの方法

Google広告で電話によるコンバージョンを計測する方法は、一つだけではありません。広告の表示形式やユーザーの行動フローに合わせて、主に4つの計測方法が存在します。それぞれの方法で計測できる内容や設定の難易度が異なるため、自社のビジネスモデルや広告戦略に最も適した方法を選択することが重要です。まずは、各計測方法の特徴を比較表で確認しましょう。

 

計測方法主な計測対象計測できる主なデータ設定の難易度主な利用シーン
広告経由の通話数計測広告アセット(電話番号)経由の実際の通話通話数、通話時間、開始・終了時間、発信者の市外局番など通話の「質」を重視し、詳細な分析を行いたい場合
ウェブサイト掲載電話番号への通話計測広告クリック後に訪れたウェブサイトからの実際の通話通話数、通話時間、開始・終了時間、発信者の市外局番などウェブサイトで情報収集した後の電話問い合わせを計測したい場合
通話クリック数ベースの計測広告アセット(電話番号)のクリック数クリック数手軽に電話問い合わせのポテンシャルを把握したい場合
電話専用広告形式による計測電話専用広告のクリック数(=電話発信)クリック数、通話数、通話時間など(転送番号利用時)緊急性が高く、すぐに電話してほしいサービスの場合

ここからは、それぞれの計測方法について、その仕組みやメリットを詳しく解説していきます。

広告経由の通話数計測(電話番号表示オプション経由)

この方法は、検索広告などに表示される「アセット(旧:電話番号表示オプション)」からの実際の通話を計測する、最も一般的な手法です。ユーザーが広告に表示された電話番号をタップ、またはクリックすると、Googleが用意した「Google転送電話番号(GFN)」に一度接続され、そこから自社の電話番号へ転送される仕組みになっています。

この転送の仕組みを利用することで、単なるクリック数ではなく、実際の通話の有無やその詳細なデータを取得できます。具体的には、通話の開始時刻や終了時刻、通話時間、発信者の市外局番(プライバシー保護のため完全な電話番号は表示されません)などをGoogle広告の管理画面で確認できます。

特に重要なのが「通話時間」を計測できる点です。例えば、「60秒以上の通話のみをコンバージョンとしてカウントする」といった設定が可能なため、間違い電話や即座に切れてしまった通話を除外し、質の高い問い合わせだけを成果として評価できます。これにより、広告運用の最適化をより高い精度で行えるようになります。

ウェブサイト掲載電話番号への通話計測(ウェブサイト誘導後の通話)

広告をクリックしてランディングページや自社サイトを訪れたユーザーが、サイト上に記載されている電話番号から問い合わせるケースも多くあります。このウェブサイト経由の電話を計測するのがこの方法です。

この計測を実現するためには、ウェブサイトのHTMLコードに専用のコンバージョンタグを設置する必要があります。タグを設置すると、Google広告経由でサイトにアクセスしたユーザーに対してのみ、サイト上の電話番号が自動的にGoogle転送電話番号(GFN)に置き換えられて表示されます。ユーザーがその番号に電話をかけることで、広告経由の通話として正確にトラッキングできるのです。

この方法の大きなメリットは、広告からウェブサイトへの誘導、そして電話での問い合わせまで、一連のユーザー行動を追跡できる点にあります。どの広告キャンペーンやキーワードが、最終的にウェブサイト経由での電話コンバージョンにつながったのかを明確に把握できるため、詳細な効果測定と改善アクションにつなげることが可能です。ただし、タグの設置にはHTMLやGoogleタグマネージャー(GTM)に関する知識が求められます。

通話クリック数ベースの計測(広告アセットからのクリック)

この方法は、前述の「広告経由の通話数計測」とは異なり、実際の通話ではなく、広告アセット(電話番号)が「クリック」または「タップ」された回数をコンバージョンとして計測するシンプルな手法です。特にモバイル端末で広告が表示された際に、電話番号部分がタップされた時点で1件のコンバージョンとしてカウントされます。

最大のメリットは、設定が非常に簡単なことです。Google広告のコンバージョン設定画面で、計測したいコンバージョンの種類として「広告の電話番号アセットからのクリック」を選択するだけで、複雑なタグ設定などは必要ありません。

ただし、この方法はあくまでクリック数を計測するものであるため、ユーザーがタップした後に発信をキャンセルした場合や、誤ってタップしてしまったケースも成果として計上されてしまう可能性があります。実際の通話時間や通話の質までは把握できないため、まずは手軽に電話問い合わせへの関心度を測りたい場合や、他の詳細な計測方法を導入する前段階の指標として活用するのがおすすめです。

電話専用広告形式による計測

電話専用広告は、その名の通り、電話をかけてもらうことだけを目的とした広告フォーマットです。ユーザーが広告見出しをクリックすると、ウェブサイトに移動するのではなく、スマートフォンの電話アプリが直接起動し、指定した電話番号への発信画面が表示されます

この広告形式は、水道修理や鍵の紛失、ロードサービスといった、ユーザーが「今すぐ専門家に連絡したい」と考えている緊急性の高いサービスと非常に相性が良いです。ウェブサイトを閲覧する手間を省き、最もスピーディーにユーザーを電話での問い合わせへと導きます。

計測は、広告のクリックそのものが「通話クリック」としてカウントされます。さらに、この電話専用広告でもGoogle転送電話番号(GFN)の利用が推奨されており、設定することで、単なるクリック数だけでなく、実際の通話時間に基づいたコンバージョン計測も可能になります。これにより、広告のクリックが実際に意味のある問い合わせにつながったかどうかを正確に評価できます。

Google広告 電話コンバージョンの設定手順とタグ設置方法

ここからは、Google広告で電話コンバージョンを計測するための具体的な設定手順を解説します。前章で紹介した計測方法ごとに手順が異なりますので、ご自身の目的に合った設定を進めてください。設定にはGoogle広告の管理画面へのアクセスが必要です。また、ウェブサイト上の通話を計測する場合には、ウェブサイトのHTML編集やGoogleタグマネージャー(GTM)の知識が求められることがあります。

1. 広告経由の通話数計測(電話番号表示オプション)の設定手順

広告アセット(旧:広告表示オプション)の一つである「電話番号表示オプション」を利用して、広告自体から直接かかってきた電話を計測する設定です。この設定を行うことで、ユーザーが広告を見てすぐに電話をかけるという行動を捉えられます。

ステップ1: 新しいコンバージョンアクションの作成

まず、電話によるコンバージョンを計測するための「受け皿」となるコンバージョンアクションを作成します。

  1. Google広告の管理画面にログインし、右上の「ツールと設定」をクリックします。
  2. 「測定」の項目から「コンバージョン」を選択します。
  3. 「+新しいコンバージョンアクション」ボタンをクリックします。
  4. コンバージョンの種類を選択する画面で、「電話件数」を選びます。
  5. 「広告に表示される電話番号への電話」を選択し、「続行」をクリックします。

ステップ2: コンバージョンアクションの詳細設定

次に、作成するコンバージョンアクションの詳細を設定していきます。各項目をビジネスの目的に合わせて正確に入力することが、後の分析において重要になります。

 

設定項目説明
目標とアクションの最適化「電話件数(リード)」などのカテゴリを選択します。自動入札の最適化対象とする場合は「メインアクション」、データ収集のみが目的の場合は「サブアクション」を選択します。
コンバージョン名「広告アセットからの電話」など、後から見て分かりやすい名前を付けます。
1回の電話コンバージョンから得られるおおよその収益額を設定します。価値が変動する場合は「コンバージョンごとに異なる価値を割り当てる」、特に設定しない場合は「価値を割り当てない」を選択します。
カウント方法「全件」または「初回のみ」を選択します。見込み顧客からの問い合わせを重視する場合は、すべての通話を価値あるものとして「全件」で計測するのが一般的です。
通話時間コンバージョンとして計測する最低限の通話時間を秒単位で設定します。間違い電話や即時切断を除外するため、最低でも60秒以上に設定することが推奨されます。
計測期間ユーザーが広告をクリックしてからコンバージョンに至るまでの期間を設定します。商材の検討期間に合わせて調整します。
アトリビューションモデルコンバージョンに至るまでの広告クリックをどのように評価するかを設定します。「データドリブン」が推奨されていますが、ビジネスモデルに応じて選択します。

すべての設定が完了したら、「作成して続行」をクリックします。

ステップ3: 電話番号表示オプション(広告アセット)への適用

最後に、作成したコンバージョンアクションを実際の広告アセットに適用します。

  1. キャンペーンまたは広告グループの「広告とアセット」メニューから「アセット」を選択します。
  2. 「+」ボタンをクリックし、「電話」を選択します。
  3. 使用する電話番号を入力し、詳細設定を開きます。
  4. 「通話レポート」をオンに設定します。この設定をオンにしないと、Google広告専用転送電話番号が発行されず、正確な通話計測ができません。
  5. 「コンバージョン アクション」の項目で、ステップ2で作成したコンバージョンアクションを選択します。
  6. 「保存」をクリックして設定を完了します。

2. ウェブサイト掲載電話番号への通話計測の設定手順

広告をクリックしてウェブサイトにアクセスしたユーザーが、サイト上に掲載されている電話番号をタップ(クリック)した際にコンバージョンとして計測する方法です。この設定には、ウェブサイトへのタグ設置が必須となります。

ステップ1: 新しいコンバージョンアクションの作成

基本的な流れは「広告経由の通話数計測」と同様ですが、選択する項目が異なります。

  1. 「ツールと設定」>「コンバージョン」>「+新しいコンバージョンアクション」と進みます。
  2. コンバージョンの種類で「電話件数」を選択します。
  3. 「ウェブサイト上の電話番号への電話」を選択し、「続行」をクリックします。
  4. コンバージョン名や値、通話時間などの詳細設定は、前述の「ステップ2: コンバージョンアクションの詳細設定」を参考に、ビジネス目標に合わせて設定します。
  5. 設定後、「作成して続行」をクリックすると、タグの設定画面に進みます。

ステップ2: タグの設定方法を選択

タグを設置する方法として、「自分でタグをインストールする」と「Googleタグマネージャーを使用する」の2つの選択肢が表示されます。ご自身のサイトの管理状況に合わせて選択してください。

ステップ3-1: 自分でタグをインストールする場合(GTM未使用)

ウェブサイトのHTMLソースコードを直接編集できる方向けの方法です。2種類のコードをサイトに設置する必要があります。

  1. グローバルサイトタグ(gtag.js)の設置:
    表示されるグローバルサイトタグをコピーし、ウェブサイトのすべてのページの<head>タグ内に貼り付けます。すでにGoogleアナリティクスなどで設置済みの場合は、この作業は不要です。
  2. イベントスニペットの設置:
    次に表示されるイベントスニペットを設置します。このコードは、電話番号がクリックされたことをGoogle広告に伝える役割を果たします。
    イベントスニペットは、計測したい電話番号が表示されているHTMLタグを書き換える形で設置します。具体的には、電話番号のリンク(<a href="tel:...">)に、Google広告から提供されるonclick属性を追加します。

この作業を、計測したいすべての電話番号リンクに対して行う必要があります。

ステップ3-2: Googleタグマネージャー(GTM)を使用する場合

HTMLを直接編集せず、GTMでタグを管理している方向けの方法です。Google広告の管理画面から「コンバージョンID」と「コンバージョンラベル」を控えておきます。

  1. コンバージョンリンカータグの設定:
    GTMで、まず「コンバージョンリンカー」タグが設定されていることを確認します。これは広告クリック情報を正しく引き継ぐために必要なタグで、通常はすべてのページで配信されるように設定します。未設定の場合は必ず作成してください。
  2. Google広告コンバージョントラッキングタグの作成:
    GTMで新しいタグを作成し、タグタイプとして「Google広告コンバージョントラッキング」を選択します。
  3. タグの設定:
    Google広告の管理画面で取得した「コンバージョンID」と「コンバージョンラベル」を入力します。
  4. トリガーの設定:
    このタグが発火する条件(トリガー)を設定します。トリガータイプは「クリック – リンクのみ」を選択し、「一部のリンククリック」で発火するように設定します。条件として「Click URL」「先頭が一致」「tel:」と設定することで、電話番号リンク(tel:から始まるリンク)がクリックされたときのみ、このタグが作動するようにします。
  5. タグとトリガーを保存し、GTMのコンテナを公開して設定を完了します。

3. 電話専用広告からの通話計測の設定手順

電話専用広告は、広告見出しをクリックすると直接電話発信画面が起動する広告フォーマットです。設定はキャンペーン作成の流れの中で行います。

ステップ1: キャンペーンの作成と目標設定

  1. Google広告で新しいキャンペーンを作成します。
  2. キャンペーンの目標として「見込み顧客の獲得」などを選択します。
  3. コンバージョン目標として、あらかじめ作成しておいた電話コンバージョンのアクション(「広告経由の通話数計測」で作成したものなど)を設定します。
  4. キャンペーンタイプで「検索」を選択し、キャンペーン目標の達成方法として「電話件数」にチェックを入れ、自社の電話番号を入力します。

ステップ2: 電話専用広告の作成

  1. 広告グループの設定後、広告作成画面に進みます。
  2. 広告タイプで「電話専用広告」が選択されていることを確認します。(キャンペーン設定で電話件数を選択した場合、自動的に選択されます。)
  3. 電話番号、最終ページURL(任意ですが推奨)、広告見出し、説明文、表示URLなどを入力します。
  4. 広告設定内の「通話レポート」がオンになっていることを必ず確認してください。これにより、広告経由の通話がコンバージョンとして計測されます。
  5. 広告を保存して設定完了です。

以上が、各計測方法における電話コンバージョンの設定手順です。ご自身のビジネスモデルやウェブサイトの状況に最適な方法を選び、正確なデータ計測を実現しましょう。

Google広告 電話コンバージョンを活かす運用・分析のコツ

電話コンバージョンの設定が完了したら、次はそのデータを活用して広告の成果を最大化するフェーズに移ります。

計測されたデータをただ眺めているだけでは、広告費用の最適化や売上の向上にはつながりません。

ここでは、収集したデータをどのように分析し、日々の広告運用に活かしていくかの具体的なコツを解説します。

分析編:レポートから改善のヒントを見つけ出す

電話コンバージョンのデータは、Google広告の管理画面にある様々なレポートで確認できます。どのキーワードや広告が、質の高い電話問い合わせにつながっているのかを正確に把握することが、分析の第一歩です。

レポートで確認すべき重要指標

まずは基本的な指標を確認し、広告のパフォーマンスを大局的に捉えましょう。キャンペーンや広告グループの階層で以下の指標を確認し、特に成果の良いもの、悪いものを特定します。

 

確認すべき指標分析のポイント
電話件数(通話コンバージョン)純粋な電話の件数です。どのキャンペーン、広告グループ、キーワードから多くの電話が発生しているかを確認します。
費用/コンバージョン(CPA)1件の電話獲得にかかったコストです。この数値が低いほど、効率よく電話を獲得できていると判断できます。
コンバージョン率(CVR)広告のクリックに対して、どれくらいの割合で電話に至ったかを示す指標です。率が高い広告やキーワードは、ユーザーの電話意欲を強く喚起できている可能性があります。
通話時間「通話の詳細」列で確認できる指標です。極端に短い通話は間違い電話や質の低い問い合わせの可能性があるため、通話時間も合わせて確認することが重要です。

セグメント機能を活用した深掘り分析

レポート画面の「セグメント」機能を使えば、より多角的な分析が可能です。全体の数値だけでは見えてこない、特定の条件下での傾向を掴むことで、具体的な改善アクションへとつなげられます。

  • デバイス別分析:スマートフォン、PC、タブレットのどれから電話コンバージョンが多く発生しているかを確認します。特にスマートフォンからの電話が多い業種では、スマホユーザー向けの入札単価調整や広告文の最適化が効果的です。
  • 時間帯・曜日別分析:ユーザーが電話をかけやすい時間帯や曜日を特定します。営業時間と連動して、コンバージョンが多い時間帯の広告表示を強化する、逆に少ない時間帯は予算を抑制するといった調整が考えられます。
  • 地域別分析:どの地域からの問い合わせが多いかを分析します。特定の地域からの成果が高い場合は、その地域のターゲティングを強化することで、さらに効率を高められる可能性があります。

運用編:分析データをもとに広告を最適化する

分析によって得られた知見は、具体的な広告設定の改善に活かしてこそ意味があります。ここでは、分析結果を元にした代表的な運用アクションを紹介します。

通話の「質」でコンバージョンを再定義する

すべての電話がビジネス上の成果につながるわけではありません。例えば、「30秒未満の通話」は間違い電話や簡単な質問のみで終わっている可能性が高いでしょう。このような質の低い通話を除外するために、コンバージョンアクション設定で「通話時間」のしきい値を設けることを推奨します。

例えば、「60秒以上の通話のみをコンバージョンとして計測する」と設定することで、よりビジネス成果に近いデータに基づいた広告最適化が可能になります。

成果の高い要素に入札を集中させる

分析によって、電話コンバージョンを獲得しやすいキーワード、広告、地域、時間帯などが明らかになったら、それらの要素に広告予算と入札を集中させます。

  • キーワードの入札強化:多くの電話コンバージョンを生み出しているキーワードの入札単価を引き上げ、広告の掲載順位や表示機会を増やします。
  • 広告文の最適化:コンバージョン率の高い広告文の傾向を分析し、「今すぐお電話を」「無料相談はこちら」といった具体的な行動喚起(CTA)フレーズを他の広告にも展開します。
  • ターゲティングの絞り込み:成果の低い地域や時間帯への配信を抑制、または停止し、浮いた予算を成果の高いセグメントに再配分します。

電話コンバージョンを自動入札に活用する

電話コンバージョンのデータが十分に蓄積されたら、Google広告の自動入札戦略を活用することで、運用の効率化と成果の向上が期待できます。特に「コンバージョン数の最大化」や「目標コンバージョン単価(tCPA)」は電話コンバージョン獲得と相性の良い戦略です。

自動入札を設定する際は、質の高い電話のみをコンバージョンとして計測する設定(通話時間のしきい値など)にしておくことが極めて重要です。質の低いデータに基づいて最適化を行うと、意図しない結果につながる可能性があるため注意しましょう。

オフラインコンバージョンをインポートして精度を高める

さらに一歩進んだ活用法として、オフラインコンバージョン(OFC)のインポートがあります。これは、電話の後に実際に「契約」や「来店」に至ったかどうかという、オフラインの成果データをGoogle広告にアップロードする機能です。

この機能を使えば、単なる電話の件数ではなく、「本当にビジネスの売上につながった電話」を機械学習のシグナルとして活用できます。

広告の最適化精度が飛躍的に向上し、より質の高い見込み顧客からの電話獲得を目指せるようになります。

Google広告 電話コンバージョン 成功事例・業種別活用パターン

Google広告の電話コンバージョンは、様々な業種で成果向上に役立ちます。ここでは、特に電話での問い合わせがビジネスの成否を分ける業種を中心に、具体的な成功事例と効果的な活用パターンを解説します。

【緊急性が高い業種】水道修理・鍵交換・害虫駆除など

水道のトラブルや鍵の紛失といった緊急性の高いサービスでは、ユーザーは検索後すぐに電話で問い合わせをする傾向があります。そのため、電話コンバージョンの計測と最適化は、ビジネスの成長に直結します。

成功事例:地域密着型の水道修理サービス

ある水道修理業者は、Webサイトからの問い合わせが少なく、電話での依頼がほとんどでした。しかし、どの広告が実際の電話依頼に繋がっているのかを把握できず、広告費の最適化に課題を抱えていました。そこで、Google広告の電話コンバージョン計測(通話トラッキング)を導入し、広告表示オプションと電話専用広告を積極的に活用しました。

結果として、広告経由の電話件数が正確に可視化され、どのキーワードや広告文が成果を生んでいるのかが明確になりました。成果の高いキーワードに予算を集中させ、無駄な広告費を削減したことで、顧客獲得単価(CPA)を30%改善し、問い合わせ件数を1.5倍に増やすことに成功しました。

活用パターンと運用のポイント

  • 電話専用広告の活用:スマートフォンで検索している「今すぐ客」に対し、広告から直接電話をかけられる電話専用広告は非常に効果的です。
  • 地域ターゲティングの徹底:サービス対応可能なエリアに限定して広告を配信することで、無駄なクリックを防ぎ、費用対効果を高めます。
  • 広告表示オプションの最大化:電話番号表示オプションはもちろん、住所やサービス内容がわかるコールアウト表示オプションなどを設定し、広告の占有面積を広げ信頼性を高めます。
  • 24時間対応などの強みを訴求:「24時間365日受付」「最短30分で到着」など、緊急時にユーザーが求める情報を広告文に含めることで、クリック率と通話率の向上が期待できます。

【高額・専門サービス】リフォーム・不動産・法律事務所など

住宅リフォームや不動産売買、法律相談といった高額で専門的なサービスは、ユーザーが意思決定をする前に、電話で詳細な相談や見積もりを求めることが一般的です。Webサイトの情報だけでは伝えきれないサービスの価値を、電話で直接伝える機会が重要になります。

成功事例:リフォーム会社の新規顧客獲得

あるリフォーム会社は、Webサイトからの資料請求は計測できていましたが、より成約に近い「電話での見積もり相談」の件数を把握できていませんでした。そこで、ウェブサイトにGoogle広告のコンバージョンタグを設置し、サイト上の電話番号がタップされた件数を計測できるようにしました。

これにより、どの広告キャンペーンが質の高い見込み客をウェブサイトへ誘導し、電話相談に繋げているかを分析できるようになりました。特に「リフォーム キッチン 事例」のような具体的なキーワードで検索したユーザーからの電話は、成約率が高いことを発見。そのキーワード群への入札を強化し、広告文を最適化した結果、電話での見積もり依頼が前月比で40%増加し、大型契約の獲得にも成功しました。

活用パターンと運用のポイント

  • ウェブサイト掲載電話番号への通話計測:サービス内容をじっくり比較検討するユーザーが多いため、広告から直接LP(ランディングページ)へ誘導し、そこで電話を促す流れが効果的です。
  • リマーケティングとの併用:検討期間が長い商材のため、一度サイトを訪れたユーザーに対してリマーケティング広告を配信し、再度アプローチすることで電話の機会を創出します。
  • 通話時間でのコンバージョン設定:「60秒以上の通話」をコンバージョンとして設定するなど、単なる着信だけでなく、質の高い問い合わせのみを評価対象にすることで、広告の最適化精度を高めます。
  • 専門性や実績をアピール:広告文やLPで「施工実績500件以上」「弁護士直通の無料相談」といった権威性や安心感を示す情報を伝え、電話相談へのハードルを下げます。

【来店予約が必要な業種】飲食店・美容院・クリニックなど

飲食店や美容院、クリニックなどの店舗型ビジネスでは、電話による予約が売上に直接結びつきます。特に、即時の予約を希望するユーザーや、メニューの詳細を確認したいユーザーからの電話は重要なコンバージョンポイントです。

成功事例:歯科クリニックの新規予約獲得

ある歯科クリニックでは、「地域名+歯医者」といったキーワードで広告を配信していましたが、Web予約よりも電話予約の割合が高い実態がありました。電話コンバージョンを計測していなかったため、広告の正しい費用対効果がわからず、最適な予算配分ができていませんでした。電話番号表示オプションを設定し、広告からの直接の通話をコンバージョンとして計測し始めました。

計測を開始したところ、特に平日の昼間や夕方の時間帯にスマートフォンからの電話予約が多いことが判明。その時間帯の入札単価を強化し、スマートフォン向けの広告表示を最適化しました。この施策により、広告費を変えずに電話予約数を25%増加させることに成功しました。

活用パターンと運用のポイント

    • 広告配信スケジュールの最適化:店舗の営業時間や予約が集中する時間帯に合わせて広告配信を強化することで、機会損失を防ぎます。

デバイス別の入札単価調整:

    外出先からスマートフォンで検索してそのまま電話予約するユーザーが多いため、スマートフォンへの入札単価をPCよりも高く設定することが有効な場合があります。

  • ローカル検索広告の活用:Googleマップ上での検索結果に広告を表示させることで、近隣の見込み客に効果的にアプローチし、電話での問い合わせや来店を促します。
  • 「予約」を促す広告文:「今すぐお電話で予約」「Web予約より電話がスムーズ」といった、電話でのアクションを直接促す文言を広告に含めます。

業種別・目的別 おすすめ活用パターン一覧

これまで解説した内容を、業種と目的に合わせて表にまとめました。ご自身のビジネスに最も近いパターンを参考に、電話コンバージョンの設定と運用戦略を立ててみてください。

 

業種カテゴリ代表的な業種主な目的推奨される計測方法広告運用のポイント
緊急サービス型水道修理、鍵屋、ロードサービス、害虫駆除緊急の問い合わせ獲得、即時対応電話番号表示オプション、電話専用広告地域ターゲティングと24時間対応などの緊急性を訴求することが重要です。
高額・検討型リフォーム、不動産、自動車販売、法律・税理士事務所詳細な相談、見積もり依頼、個別カウンセリングウェブサイト掲載電話番号への通話計測LPで信頼性と専門性を伝え、リマーケティングで再アプローチします。
来店予約型飲食店、美容院、整体院、クリニック、エステサロン来店予約の獲得、空き状況の確認電話番号表示オプション、ウェブサイト掲載電話番号への通話計測営業時間や曜日での配信調整と、スマートフォンへの入札強化が効果的です。
BtoBサービス型Web制作会社、コンサルティング、法人向けSaaS資料請求後のフォロー、サービス導入相談ウェブサイト掲載電話番号への通話計測ターゲットとなる役職や業種を絞り込み、導入事例などで説得力を高めます。

Q&A/よくある疑問

Google広告の電話コンバージョンに関して、運用担当者が抱えやすい疑問や不明点をQ&A形式で解説します。

設定や運用でつまずいた際の参考にしてください。

電話コンバージョンはすべての広告で使える?

電話コンバージョンの計測機能は、多くのGoogle広告キャンペーンで利用できますが、選択する計測方法によって利用可能なキャンペーンタイプが異なります。自社の目的に合った計測方法とキャンペーンを正しく組み合わせることが重要です。

主な計測方法と対応するキャンペーンタイプの関係は以下の通りです。

 

計測方法主な対応キャンペーン概要
広告経由の通話数計測(電話番号表示オプション経由)検索キャンペーン、P-MAXキャンペーン広告アセット(旧 広告表示オプション)に表示された電話番号からの直接の通話を計測します。モバイル端末ではクリックで発信、PCでは番号表示が主です。
ウェブサイト掲載電話番号への通話計測検索、ディスプレイ、ショッピング、動画、P-MAXなど、ウェブサイトへ誘導するほぼ全てのキャンペーン広告クリック後にウェブサイトを訪れたユーザーが、サイト上の電話番号をタップ(クリック)して発信した件数を計測します。
通話クリック数ベースの計測検索キャンペーン、P-MAXキャンペーン広告アセットに表示された電話番号のクリック(タップ)数をコンバージョンとして計測します。実際の通話発生ではなく、発信しようとしたアクションを捉えます。
電話専用広告形式による計測検索キャンペーン広告の見出しをクリックすると直接電話発信画面が起動する、通話獲得に特化した広告形式です。この広告からの通話を計測します。

このように、例えばウェブサイトへの誘導を伴わないキャンペーンでは「ウェブサイト掲載電話番号への通話計測」は利用できません。キャンペーンの目的とユーザー行動の導線を踏まえて、最適な計測方法を選択しましょう。

タップ計測(クリックベース)と通話計測はどちらがいい?

「タップ計測」と「通話計測」は、どちらも電話コンバージョンを把握するための方法ですが、計測の精度と目的が異なります。どちらが優れているというわけではなく、ビジネスの目的や分析したいデータの粒度に応じて使い分けることが大切です。

 

項目タップ計測(クリックベース)通話計測(Google広告専用転送電話番号利用)
計測対象広告やウェブサイト上の電話番号のクリック(タップ)数実際に発生した通話数(指定した秒数以上)
メリット
  • 設定が比較的容易
  • ユーザーに自社の電話番号をそのまま表示できる
  • 成果の質が高い(誤タップや即切りを除外できる)
  • 通話時間、開始・終了時刻、発信者エリアなどの詳細なレポートが取得できる
  • 自動入札の最適化精度を高めやすい
デメリット
  • 誤タップや発信直後の切断もカウントされるため、成果の質が不透明
  • 詳細な通話データ(通話時間など)は取得できない
  • ユーザーには見慣れない転送電話番号が表示される
  • 一部の地域や業種では利用できない場合がある
推奨ケースまずは手軽に電話への関心度を把握したい場合質の高い電話問い合わせを重視し、正確なデータに基づいて広告を最適化したい場合

結論として、多くのビジネスにおいては、より正確な成果を把握でき、広告運用の最適化に役立つ「通話計測」の利用を推奨します。特に、電話からの受注が重要なビジネスモデルでは、通話の質を判断できる通話計測が非常に有効です。

通話コンバージョンが計測されない原因とは?

設定したはずの通話コンバージョンが計測されない場合、いくつかの原因が考えられます。慌てずに以下のポイントを一つずつ確認してみてください。

設定上の主な原因と対処法

  • コンバージョンタグの未設置・設置ミス:ウェブサイト経由の通話を計測する場合、指定されたコンバージョンタグが正しくウェブサイトに設置されているか確認します。Google Tag Assistantなどのツールを使ってタグの発火状況をチェックしましょう。
  • 電話番号のフォーマット違い:ウェブサイト上の電話番号が、Google広告が認識できる形式(例: `tel:012-3456-7890`)になっていない可能性があります。特に、数字が画像になっていたり、全角数字が混じっていたりすると計測できません。
  • 最低通話時間の設定:コンバージョンとして計測する最低通話時間が長すぎる可能性があります。例えば「300秒(5分)」などに設定していると、ほとんどの通話がコンバージョンとしてカウントされません。まずは「60秒」など、現実的な時間に設定を見直しましょう。
  • 広告アセット(電話番号表示オプション)の不承認:広告に電話番号を表示するアセットが審査で不承認になっていると、広告自体に電話番号が表示されず、通話は発生しません。管理画面でアセットのステータスを確認してください。

技術・仕様上の主な原因と対処法

  • ウェブサイトのスクリプト干渉:ウェブサイトに導入している他のJavaScriptが、Google広告のタグの動作を妨げていることがあります。電話番号を動的に書き換えるスクリプトなどを使用している場合は特に注意が必要です。
  • データの反映ラグ:コンバージョンデータが管理画面に反映されるまでには、数時間から最大で3日程度の時間がかかる場合があります。設定直後は少し時間を置いてから再度確認しましょう。
  • GFN(Google広告専用転送電話番号)の非対応エリア:通話計測で利用するGFNは、一部の国や地域では利用できません。自社の所在地が対応エリアに含まれているか確認が必要です。

通話コンバージョンを目標にした自動入札の設定は?

通話コンバージョンを増やしたい場合、Google広告の自動入札戦略の活用が効果的です。ただし、効果を最大化するには適切な設定が求められます。

  1. コンバージョンアクションの設定確認:
    まず、計測している電話コンバージョンが自動入札の最適化対象になっているかを確認します。コンバージョンアクションの設定画面で、「コンバージョン列に含める」の項目が「はい」になっていることを確認してください。これにより、自動入札がこの通話コンバージョンを目標として認識します。
  2. 適切な自動入札戦略の選択:
    通話コンバージョンを目標とする場合、主に以下の戦略が推奨されます。

    • コンバージョン数の最大化:設定した予算内で、できるだけ多くの通話コンバージョンを獲得するように入札単価が自動で調整されます。まずはこの戦略から始めるのが一般的です。
    • 目標コンバージョン単価(tCPA):1件の通話あたりにかけられる費用(目標CPA)を設定し、その単価内でコンバージョン数を最大化します。ある程度のコンバージョンデータが蓄積され、目標とすべきCPAが明確な場合に有効です。
    • コンバージョン価値の最大化:通話ごとに異なる価値を設定している場合に選択します。例えば、特定のサービスに関する問い合わせ電話の価値を高く設定するなど、よりビジネスの収益性に合わせた最適化が可能です。
  3. データ蓄積の重要性:
    自動入札は、蓄積されたコンバージョンデータを基に学習し、精度を高めていきます。月に最低でも30件以上、できれば50件以上のコンバージョンデータがあると、安定した成果が期待できます。データが少ないうちは、手動入札や拡張クリック単価でデータを蓄積することから始めましょう。

通話数を増やしたいときにやるべき施策

電話コンバージョンの設定が完了し、計測が始まったら、次はいかにして通話数を増やすかというフェーズに移ります。広告とウェブサイト(ランディングページ)の両面から改善施策を行いましょう。

広告側でできる施策

  • 広告文に電話を促す文言を入れる:「お気軽にお電話ください」「今すぐ無料相談」といった、ユーザーの行動を具体的に促すコールトゥアクション(CTA)を広告見出しや説明文に含めます。
  • 電話専用広告を配信する:特に緊急性の高いサービス(鍵の修理、水回りのトラブルなど)では、広告をクリックすると直接電話がかかる「電話専用広告」が非常に効果的です。
  • 配信スケジュールを最適化する:電話対応が可能な営業時間帯や、問い合わせが多い曜日に広告の配信を強化します。レポートで曜日・時間帯別の通話コンバージョン数を確認し、入札単価調整比率を設定しましょう。
  • 地域ターゲティングを絞り込む:商圏が限られるビジネスの場合、サービス提供エリアにターゲティングを絞ることで、無駄な広告表示を減らし、見込みの高いユーザーからの電話を増やせます。

ウェブサイト・ランディングページ側でできる施策

  • 電話番号の視認性を高める:スマートフォンの画面上部や下部に、スクロールしても追従する電話番号ボタン(追従バナー)を設置すると、ユーザーはいつでも発信できます。
  • 電話番号をタップ可能にする:ウェブサイト上のすべての電話番号に `tel:` リンクを設定し、タップするだけで発信できるようにします。これはスマートフォンユーザーにとって必須の対応です。
  • 電話のハードルを下げる情報を添える:電話番号の近くに「通話料無料」「24時間365日受付」「専門スタッフが対応」といった文言を添えることで、ユーザーは安心して電話をかけやすくなります。

Google広告 電話コンバージョンで成果を引き出す秘訣

電話コンバージョンの設定を完了させることは、ゴールではなくスタートラインです。計測したデータを最大限に活用し、広告の成果を飛躍的に向上させるためには、もう一歩踏み込んだ戦略的な視点が求められます。ここでは、競合と差をつけるための4つの秘訣を具体的に解説します。

秘訣1:計測の精度を高め、データの質を向上させる

正確なデータは、正しい意思決定の土台となります。まずは計測の精度そのものを見直し、より質の高いデータを収集することから始めましょう。

通話時間の設定で「質の高い問い合わせ」を定義する

電話コンバージョン計測では、「何秒以上の通話を1件のコンバージョンと見なすか」を設定できます。この通話時間を適切に設定することが、データ精度向上の第一歩です。例えば、通話時間を10秒に設定している場合、間違い電話や即座に切断されたコールもコンバージョンとして計測されてしまう可能性があります。

自社のビジネスにおいて、顧客との会話が成立し、見込み客となり得る最低限の通話時間を分析し、その秒数を設定しましょう。一般的には60秒前後が目安とされますが、商材やサービス内容に応じて最適な時間を見極めることが重要です。これにより、ノイズとなるデータを排除し、広告の機械学習に質の高いシグナルを送ることができます。

オフラインコンバージョンのインポートで成約データを紐付ける

電話での問い合わせが、最終的に「成約」や「受注」に繋がったかどうかをGoogle広告にフィードバックする仕組みが、オフラインコンバージョンのインポートです。電話があった時点をゴールとするのではなく、その後のビジネス成果までを追跡することで、広告運用の精度は格段に向上します。

ユーザーが広告をクリックした際に付与される「GCLID(Google Click Identifier)」を顧客管理システム(CRM)などで電話情報と紐付けて管理し、成約に至ったGCLIDをGoogle広告にアップロードします。これにより、どのキーワードや広告が実際の売上に繋がったのかを正確に把握でき、費用対効果(ROAS)に基づいた最適化が可能になります。

秘訣2:入札戦略を最適化し、機会損失を防ぐ

質の高いデータが収集できたら、次はそのデータを活用して入札戦略を洗練させていきます。自動入札のポテンシャルを最大限に引き出し、確度の高いユーザーからの電話を効率的に獲得しましょう。

コンバージョン値(価値)を設定し、費用対効果を可視化する

すべての電話問い合わせが同じ価値を持つとは限りません。「資料請求の電話」と「高額商品の見積もり依頼の電話」では、ビジネスに対するインパクトが大きく異なります。それぞれのコンバージョンアクションに対して、想定される利益などに基づいた「コンバージョン値」を設定しましょう。

価値の高いコンバージョンを重視する「コンバージョン値の最大化」や「目標広告費用対効果(tROAS)」といった入札戦略が利用可能になり、より収益性の高い電話の獲得を優先した自動最適化が実現します。これにより、広告予算を最も効率的な場所に投下できます。

地域や時間帯ごとの入札単価調整で確度の高いユーザーにアプローチ

電話での問い合わせは、ユーザーの所在地や時間帯によって発生率が大きく変動する傾向があります。例えば、BtoBビジネスであれば平日の営業時間内に、店舗ビジネスであれば店舗周辺エリアからの電話が多くなるでしょう。

Google広告のレポートで地域別、時間帯別のコンバージョンデータを確認し、コンバージョン率が高い、あるいはコンバージョン単価が低いセグメントに対して入札単価を強化します。この地道な調整が、無駄な広告費を削減し、コンバージョン獲得の機会を最大化することに繋がります。

秘訣3:広告クリエイティブとランディングページを改善する

ユーザーが電話をかけるという行動を起こすには、その動機付けとなる情報や、行動を後押しする仕組みが広告やウェブサイトに必要です。

広告表示オプションを最大限に活用し、通話への動線を強化する

電話番号表示オプションは基本ですが、他の広告表示オプションと組み合わせることで、さらに強力なアピールが可能です。

 

広告表示オプション活用例
コールアウト表示オプション「電話相談無料」「24時間受付中」など、電話をかけるメリットやハードルの低さを端的に訴求します。
構造化スニペット「サービス」カテゴリで「緊急駆けつけ」「無料見積もり」「専門家相談」といった、電話で解決できる内容を具体的に示します。
価格表示オプションサービスごとの料金を明示し、価格を確認した上で問い合わせをしたいユーザーの受け皿となります。

これらのオプションを組み合わせることで、広告の情報量が増え、ユーザーは電話をかける前に多くの情報を得られるため、より質の高い問い合わせに繋がりやすくなります。

「今すぐ電話」など、行動を促す明確なCTA(Call To Action)を設置する

ユーザーに取ってほしい行動は、明確な言葉で伝えることが鉄則です。広告の見出しや説明文、ランディングページ内のボタンなどに、「まずはお電話で無料相談」「タップして今すぐ問い合わせ」といった、具体的で緊急性を感じさせるCTAを配置しましょう。「お問い合わせ」のような曖昧な表現よりも、ユーザーは次に行うべきアクションを直感的に理解し、迷わず電話をかけることができます。

秘訣4:電話対応の品質を改善し、コンバージョン率を高める

広告運用の領域からは少し外れますが、最終的な成果を最大化するためには避けて通れないのが、電話を受けた後の「対応品質」です。どれだけ多くの問い合わせを獲得しても、電話口での対応が悪ければ成約には至りません。

キーワードごとの問い合わせ内容を分析し、電話対応フローを最適化

どのような検索キーワードで流入したユーザーから、どのような内容の質問が多いのかを分析します。例えば、「(サービス名) 料金」で検索したユーザーには価格に関する質問が多いと予測できます。キーワードグループごとによくある質問とその回答をまとめたトークスクリプトを用意しておくことで、スムーズで的確な応対が可能になり、顧客満足度と成約率の向上に繋がります。この分析結果は、広告文やランディングページのFAQコンテンツ改善にも役立ちます。

Google広告電話コンバージョンについてのまとめ

電話での問い合わせがビジネスの成果に直結する場合、Google広告の電話コンバージョン計測は欠かせません。

なぜなら、オンライン広告の効果をオフラインの成果と結びつけ、広告全体の費用対効果を正確に把握する重要な手段だからです。

広告表示オプションやウェブサイトへのタグ設置など、ビジネスモデルに合わせた計測方法を選択し、正しく設定することが第一歩となります。

得られたデータを基に広告運用を最適化すれば、見込み顧客からの重要な電話を増やし、事業の成長をさらに加速させられるでしょう。

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この記事を書いた人

FC編集部

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