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リスティング広告のインプレッションシェアについて徹底解説!予算やランク損失率を分析して改善を
リスティング広告
- 2022年5月5日
- 2022年5月20日
リスティングやディスプレイ広告を運用しているとインプレッションシェアという言葉をよく耳にします。
インプレッションシェアは広告を運用する際に活用できる指標ではありますが「インプレッションシェアの意味や考え方についてなんとなくしか分からない」という人もいるかと思います。
広告代理店に任せている場合は、
「インプレッションシェアが〇〇%なのでもう少し広告費を増やしませんか?」
「インプレッションシェアの損失率が〇〇%出ているので機会損失がでていますね」
など、広告運用者から上記のような内容を聞くこともあるかと思います。
今回はそんなリスティング広告におけるインプレッションシェアや損失率などについて詳しく説明していきたいと思います。
目次
インプレッションシェアとは?
まずはじめにインプレッションシェアとは何か、について説明します。
インプレッションシェアとは「広告表示機会の総数に対して、実際に広告が表示された回数(インプレッション数)の割合」のことを指します。
例えば、広告が1000回表示される機会があったとして、自社の広告が実際に100回表示されたとします。この場合のインプレッションシェアは10%、つまり自社の広告が全体の1割のインプレッションをシェアしていたことになります。
インプレッションシェアの割合が高ければ高いほど自社の広告がより多くのユーザーに閲覧されたということになるでしょう。
インプレッションシェアの計算方法について
インプレッションシェアの計算方法は以下の通りです。計算式を覚えておくと便利か思いますのでチェックしておきましょう。
インプレッションシェア=表示回数÷広告が表示可能だった合計回数×100
広告が表示可能だった合計回数とは?
広告が表示可能だった合計回数はどのように算出されるの?と疑問に思う方も多いかと思います。
広告が表示可能だった合計回数は、配信するターゲット設定(地域やデバイス、曜日時間帯、キーワード等)や承認状況、品質など、多くの要因を考慮して見積もられます。
またインプレッション シェアに関するデータは、キャンペーン単位、広告グループ単位、キーワード単位で確認できます。
インプレッションシェアの計測の仕組み
インプレッションシェアはリスティングのような検索広告のシェア率もあれば、ディスプレイ広告、ショッピング広告などにもインプレッションシェアという指標があります
ここからは各広告のインプレッションシェアについていくつかみていきたいと思います。
検索広告のインプレッションシェア
まずはリスティング、検索広告のインプレッションシェアについてです。検索広告のインプレッションシェアとは、「検索ネットワークにおいて広告表示機会の総数に対して、実際に広告が表示された回数の割合」です。
検索広告のインプレッションシェアには「最上部」「上部」に対してのシェア率も確認ができます。
最上部インプレッションシェア
検索広告の最上部インプレッションシェアは、「検索結果の広告枠の最上部に表示可能だった合計回数に対して、実際に広告が表示された回数の割合」を指します。この場合の最上部とは検索結果1位ということになります。1 つしか存在しない「絶対的最上位のインプレッション」であるため、他社よりも広告が目立っていたかを判断する上で重要な指標となります。
計算式は下記の通りです。
検索広告の最上部インプレッションシェア=検索広告の最上部インプレッション数÷全てのインプレッション数
上部インプレッションシェア
続いては「検索広告の上部インプレッションシェア」についてです。
検索広告の上部インプレッションシェアとは「検索結果の広告枠の上部に表示可能だった合計回数に対して、実際に広告が表示された回数の割合」のことを指します。
上部は最上部とは違い、1位の枠以外でもオーガニック検索結果の上部枠であれば対象となります。
計算式は下記の通りになります。
検索広告の上部インプレッションシェア=検索広告の上部インプレッション数÷全てのインプレッション数
ディスプレイ広告のインプレションシェア
続いては「ディスプレイ広告のインプレッションシェア」について説明したいと思います。
ディスプレイ広告のインプレッションシェアは、「ディスプレイネットワークにおいて広告表示機会の総数に対して、実際に広告が表示された回数の割合」です。
ディスプレイ広告のインプレッションシェアも検索広告と同様、ターゲット設定などによって広告が表示可能だった合計回数が見積もられます。
ショッピング広告のインプレッションシェア
続いては「ショッピング広告のインプレッションシェア」について説明します。
ショッピング広告のインプレッションシェアは、ディスプレイネットワークまたは検索パートナーネットワークのトラフィックではなく、検索ネットワークのトラフィックを基にして計算されます。そのため「検索ネットワークにおいて広告表示機会の総数に対して、実際に広告が表示された回数の割合」となります。
ここで注意したい点としては、リスティング広告と違ってショッピング広告は同じアカウント内で1回のオークションにつき複数の商品が表示される場合があります。
その場合、複数掲載される広告の中でも一番掲載順位の高い広告がインプレッションシェアの対象としてカウントされ、その他の商品のインプレッション数はシェア率には反映されません。
※インプレッション数自体は、各広告で発生します。
絶対トップインプレッションシェア
ショッピング広告にも検索広告でいう最上部インプレッションシェアのような指標があり、それが「絶対トップインプレッションシェア」です。
ショッピング広告の場合は左側から順に広告が表示されるため、トップの枠は一番左側となります。
絶対トップインプレッションシェアの割合が高ければ高いほど、認知度が高くより目立った表示が出来たと判断できるでしょう。
インプレッションシェア損失率とは?
さてここからは「インプレッションシェア損失率」についてです。インプレッションシェア損失率とは、「広告表示機会の総数に対して、ある要因が影響で表示自体がされなかった回数(インプレッション数)の割合」のことを指します。ある要因とは「予算」と「広告ランク」です。
インプレッションシェア損失率=表示が出来なかった回数÷広告が表示可能だった合計回数×100
となります。
例えば表示が出来なかった回数が10回、表示される機会が100回あったとすると、損失率は10%発生していると考えられます。
インプレッションシェア損失率(予算)
広告が表示出来なかった回数に影響がある要因の一つが「予算」によるものです。
インプレッションシェア損失率が予算の影響で発生してしまうケースは多々あります。
設定しているターゲットに対して予算が少ない場合、広告が表示できる機会があるにもかかわらず、上限予算を超えないための配信コントロールがされます。そのため、広告が表示出来ない時間が発生し損失率が高くなります。
インプレッションシェア損失率(ランク)
続いてインプレッションシェア損失率に影響がある要因の一つとして「広告ランク」があります。
広告ランクが低い場合、オークションに参加することができず広告が表示出来ないという現象が発生します。
実際には広告表示機会がありながら、ランクが低いために参加する権利がもらえないという事です。
そのため広告ランクが低ければ低いほどインプレッションシェア損失率は高くなります。
インプレッションシェアの確認方法
では実際に管理画面上から「インプレッションシェア」「インプレッションシェア損失率」の表示項目を確認する方法について説明していきます。
Google広告のインプレッションシェア
まずはGoogle広告です。
Google広告でインプレッションシェアの表示項目を確認する方法は下記の通りです。
①まずは広告管理画面から「キャンペーン」を選択していただき、右側真ん中あたりの「表示項目」をクリックします。
②続いて、表示項目の中の「競合指標」をクリックしてプルダウンさせます。
③「競合指標」の中から確認したいインプレッションシェアの項目、インプレッションシェア損失率の項目をチェックして「保存」をします。
④「保存」が完了したら、各キャンペーンにてインプレッションシェア、インプレッションシェア損失率のデータを確認することができるようになります。
Yahoo広告のインプレッションシェア
続いてはYahoo広告です。
Yahoo広告でインプレッションシェアの表示項目を確認する方法は下記の通りです。
①まずは広告管理画面から「キャンペーン」を選択していただき、左真ん中にある「表示」をクリックします。
②「表示」をクリックし、「表示項目の編集」をクリックします。
③「表示項目の編集」内から、確認したいインプレッションシェアの項目、インプレッションシェア損失率の項目をチェックして「保存」をします。
④「保存」が完了したら、各キャンペーンにてインプレッションシェア、インプレッションシェア損失率のデータを確認することができるようになります。
上記のように各媒体ごとに表示項目を追加していただければキャンペーン別、広告グループ別、キーワード別などでインプレッションシェアや損失率についてのデータを確認することができますので試してみてください。
インプレッションシェアの改善方法について
インプレッションシェアの定義や確認方法について理解できたところで、実際にインプレッションシェアを改善していく方法についていくつか説明をしていきたいと思います。
インプレッションシェアや損失率はあくまで改善指標に役立つデータの一部分でしかありませんので、大きな視野を持ちながらどんなポイントで考えていけば良いのかについて紹介していきます。
ターゲット設定を見直す
まずはターゲットを見直しましょう。もし現状の予算に対してインプレッションシェア損失率が高く、成果もあまりでていない状態であれば予算に対してターゲットが広すぎる場合があります。
ターゲットが広くインプレッションシェア損失率が高いということは、見込みユーザーに広告が十分に表示出来ていないということになります。広告が常時表示されていない場合はクリックのみで終わってしまうケースが高いため、最終的な成果に結びつかないということです。
キーワードを見直す
続いてはキーワードを見直しましょう。キーワードの選定はインプレッションシェア損失率に大きく関わってきます。これは予算、ランクどちらに対してもです。
検索ボリュームの多いビッグキーワードが多数含まれていたり、関連性の低いキーワードが多数含まれていたりすると予算やランクによる損失率が高くなります。
予算に対してキーワードやその数を決めましょう。またより関連性の高いキーワードを選定することでランクも上がりやすくなるため、こちらも重要です。
検索語句を見直す
続いては検索語句を見直しましょう。検索語句の中で関連性が低くインプレッションが多い検索語句は除外登録をしていきましょう。
表示する必要がない語句を削ることでインプレッションシェアの精度をより向上させていくことができます。
入札設定を見直す
続いては入札設定を見直しましょう。入札方法によってはインプレッションが制限されてしまう入札方法もあります。
現状自動入札の中には目標インプレッションシェアという入札方法もあるため、シェア率を高めたい場合には目標インプレッションシェアで入札するのもおすすめです。
品質スコアを改善する
続いては品質スコアを改善するという方法です。品質スコアはランクによる損失率に影響が特にあります。品質スコアを上げることで、クリック単価が安くても広告ランクを高く保つことができオークションに参加できる割合が増えます。そのため損失率が低く改善することができます。
インプレッションシェアのデータをうまく活用しよう
今回リスティング広告ディスプレイ広告、ショッピング広告のインプレッションシェアや損失率について詳しく説明しました。
インプレッションシェアは設定したターゲットにどれくらいの割合で広告が表示されているかをチェックできる指標です。そのためシェア率の高低によって他社よりもターゲットにアプローチ出来ているかを理解し、成果を把握しながら次の戦略に活かすことができる重要な指標となります。
またインプレッションシェア損失率に関しても、現状見込みユーザーにどれくらいの割合で広告が表示出来ているかを確認することができる重要な指標となります。
適切なターゲット設定に対して損失率が高い場合は予算が足りていない、もしくは掲載順位が低いということになりますので成果が出ていれば、まだまだ予算をかけても同等の成果が出る可能性が高いです。
もし成果が出ていなければターゲットの絞り込みを行い、さらに見込みユーザーの質を上げていきましょう。
この記事を書いた人
西山 秀彦
Forcle代表取締役。WEB広告総合代理店・フリーランスにて広告運用・制作業務の経験を経て株式会社FORCLEを設立。デジタルマーケティングに役立つ情報を日々発信いたします。