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【最新】TikTok Shopとは?仕組み・開設・活用方法を簡単解説

マーケティング手法

  • 2025年12月18日
  • 2025年12月17日

 

 ショート動画プラットフォームとして絶大な人気を誇るTikTokで、商品を直接販売できる機能「TikTok Shop」が本格的に始まり、多くの事業者が注目しています。そんなTikTok Shopを新たな販売チャネルとして活用し、ビジネスの成長につなげたいと考える方も多いでしょう。しかし、ライブコマースやショート動画を駆使する新しい販売手法のため、従来のECサイトとの違いが分からず、どう始めれば成果を出せるのか戸惑うケースも少なくありません。
 本記事では、TikTok Shopの基本的な仕組みから、具体的な出店方法、4つの主要な活用パターン、そして運用で成功するためのポイントまでを簡単に解説します。この記事を読めば、エンターテインメントとショッピングをあわせ持った販売手法の全体像を掴み、最初の一歩を踏み出すための知識を身につけましょう。

TikTok Shopってそもそもどういうもの?

 TikTok Shop(ティックトックショップ)とは、2025年6月に日本で本格提供が始まった新しいEC機能であり、アプリ内で”商品の発見から購入”までのすべてが完結するショッピング機能のことです。ユーザーは、普段楽しんでいるショート動画やライブ配信を視聴中に、気になる商品があればアプリを離れることなく、その場ですぐに購入できます。
 これは「ソーシャルコマース」と呼ばれる、SNSとEコマースが融合した新しい販売形態の一つです。エンターテイメント性の高いコンテンツを通じて、ユーザーにシームレスな購買体験をもたらす点が、TikTok Shopの最も大きな特徴と言えるでしょう。

1-1. 「TikTok Shop」と「普通のECサイト」は何が違う?

 TikTok Shopは商品を販売するという点では、Amazonや楽天市場、あるいは自社で構築するような一般的なECサイトと同じです。しかし、その仕組みやユーザーとの接点には大きな違いがあります。両者の主な違いを以下の表にまとめました。

比較項目TikTok Shop一般的なECサイト
集客の起点ショート動画・ライブ配信(コンテンツ)検索エンジン・Web広告・SNS(目的)
主な購買行動発見型消費・衝動買い
(「これ面白そう」「欲しいかも」)
目的型消費・指名買い
(「〇〇が欲しい」)
コンテンツ形式動画・ライブ配信が中心商品画像・テキストが中心
購買プロセスアプリ内で発見から決済まで完結サイト訪問、商品検索、購入と段階を経る
販売者との関係クリエイターやブランドの世界観・人柄に共感商品のスペックや価格、レビューを重視

 このように、一般的なECサイトが「欲しいものが決まっている」ユーザーを検索エンジンなどから集客するのに対し、TikTok Shopは「特に何かを探していたわけではない」ユーザーに対して、魅力的な動画コンテンツで購買意欲を刺激するアプローチを得意としています。いわば、ウィンドウショッピングを楽しむような感覚で、新たな商品との出会いを生み出すプラットフォームなのです。

1-2. どうして今、TikTok Shopが注目されているの?

 では、なぜ今これほどまでにTikTok Shopが大きな注目を集めているのでしょうか。その背景には、消費者の価値観や情報収集の方法の変化が深く関わっています。

ショッピング×エンタメの潮流を背景に

 現代の消費者は、単にモノを手に入れるだけでなく、その購買プロセス全体に”楽しさ”や”興奮”、”共感”を求める傾向が強まっています。このような「ショッピング(買い物)」と「エンターテイメント(娯楽)」を融合させた概念は「ショッパーテイメント」と呼ばれ、世界的なトレンドになっています。TikTok Shopは、まさにこのショッパーテイメントを体現したサービスです。ライブ配信でリアルタイムに質問しながら買い物をしたり、好きなクリエイターが紹介する商品を応援する気持ちで購入したりするといった、エンタメ性の高い購買体験がユーザーを惹きつけています。

若年層や動画ユーザーが変えている広告・販促のカタチ

 特にZ世代(10代半ば~20代後半)をはじめとする若年層は、従来の一方的なテレビCMやWeb広告を敬遠し、よりリアルで信頼できる情報を求める傾向にあります。彼らは、SNS上でフォローしているインフルエンサーや、自分と同じような一般ユーザーの口コミ(UGC:User Generated Content)を重要な判断材料とします。TikTokのショート動画というフォーマットは、商品の魅力を短時間で直感的かつリアルに伝えるのに非常に適しています。広告特有の堅苦しさがなく、楽しみながら自然な形で商品情報に触れられるため、ユーザーに受け入れられやすいのです。こうした消費行動の変化が、企業にとってTikTok Shopを新たなマーケティングの舞台として魅力的なものにしています。

出店・運用者向け:TikTok Shopで押さえる「種類と活用パターン」

 TikTok Shopを始めるにあたり、どのような販売方法があるのかを理解しておくことは非常に重要です。単に商品を登録して待つだけでは、期待する成果を得ることは難しいでしょう。
 TikTok Shopには、ライブ配信や動画投稿といったTikTokならではの機能を活かした、複数の販売パターンが存在します。自社の商材やターゲット層、運用リソースに合わせて最適な方法を組み合わせることで、売上の最大化を目指せます。ここでは、主要な4つの活用パターンを具体的に説明します。

2-1. ライブ配信で売るパターン(ライブコマース)

 TikTok Shopの販売方法として最も代表的なのが、ライブ配信機能を活用した「ライブコマース」です。リアルタイムで視聴者とコミュニケーションを取りながら商品を販売するスタイルで、高いコンバージョン率が期待できる手法として注目されています。

配信中に購入できる仕組みの特徴

 TikTokのライブコマース最大の特徴は、視聴者がライブ配信画面から離れることなく、商品の確認から購入までを完結できる点にあります。配信者は、紹介したい商品を画面上に「ピン留め」して表示させることが可能です。視聴者はそのピンをタップするだけで商品詳細ページに移動し、サイズや色を選んでカートに追加、そのまま決済まで進めます。アプリを切り替える手間がないため、視聴者の熱量が高い状態のまま購入へとつなげやすい、非常にスムーズな導線が設計されています。

実況感・リアルタイム効果を使うポイント

 ライブコマースの成果を左右するのは、リアルタイム性をいかにうまく活用できるかです。例えば、「今から10分間限定の割引クーポン」や「このライブ配信中だけの限定セット」といった企画は、視聴者の購買意欲を強く刺激します。また、視聴者からの「この服の他の色はありますか?」「サイズ感を詳しく知りたい」といったコメントにその場で回答し、実際に商品を試着して見せるなどの双方向のコミュニケーションは、顧客の不安を解消し、オンラインでありながら実店舗のような接客体験を生み出します。この臨場感と一体感が、ライブコマースならではの強みです。

2-2. 動画投稿でタグ付き購入導線をつくるパターン

 ライブ配信がリアルタイムの販売手法であるのに対し、通常の動画投稿(ショート動画)に商品へのリンクを紐づけて販売するのが「ショッパブル動画」です。作成した動画は24時間いつでも視聴される可能性があるため、継続的な販売チャネルとして機能します。

ショッパブル動画の構成・使いどころ

 ショッパブル動画は、フィードを流れてきたユーザーの目に留まり、自然な流れで商品に興味を持ってもらうことが重要です。動画内に商品へのリンクを示す「アンカーリンク」を設置することで、視聴者は動画を楽しみながらワンタップで商品ページへアクセスできます。商品の使い方を解説するHow-to動画、使用前と後を比較するビフォーアフター動画、スタッフやインフルエンサーが実際に商品を使ってみるレビュー動画など、商品の魅力や利用シーンが具体的に伝わるコンテンツとの相性が抜群です。あからさまな宣伝ではなく、役立つ情報やエンターテインメントの中に商品を溶け込ませる構成が効果的です。

動画内クリエイティブを整える簡単なコツ

 ユーザーは次々と動画をスワイプしていくため、最初の数秒で興味を引けなければすぐに離脱されてしまいます。動画制作で成果を出すためには、いくつかのコツを押さえておきましょう。

ポイント具体的な内容
冒頭の「つかみ」動画開始から3秒以内に、視聴者が「おっ」と思うようなインパクトのある映像や問いかけを入れる。
テロップとBGM音声オフでも内容が伝わるように、重要なポイントはテロップで補足する。TikTokで流行しているBGMを使うと、アルゴリズム上でも有利に働くことがあります。
画質と画角スマートフォンでも問題ありませんが、明るくクリアな映像を心がけましょう。商品のディテールが伝わるように、寄り(クローズアップ)と引き(全体像)の映像を組み合わせると効果的です。

 これらの要素を整えるだけで、動画の視聴完了率や商品ページへの遷移率が大きく変わることがあります。

2-3. ショップページ・マーケットプレイス活用のパターン

 ライブ配信や動画投稿が顧客との「出会いの場」だとすれば、ショップページは自社の「お店」そのものです。ライブや動画をきっかけにブランドに興味を持ったユーザーが訪れ、他の商品を見たり、ブランドについて深く知ったりする重要な場所となります。

商品一覧を見せる場としての役割

 TikTok Shopを開設すると、アカウントのプロフィールページに「ショップ」タブが追加されます。ここをタップすると、登録した商品が一覧で表示されるショップページに遷移します。このページは、特定の商品だけでなく、取り扱っている全商品をユーザーに見てもらうカタログのような役割を果たします。関連商品をまとめて購入してもらう「クロスセル」や、より高価な商品を提案する「アップセル」の機会にもつながるため、商品ラインナップを魅力的に見せる工夫が求められます。

どういう商品・訴求が向いているか

 TikTokはエンターテインメント性の高いプラットフォームであるため、ユーザーは衝動的に商品を購入する傾向があります。そのため、アパレル、コスメ、アクセサリー、ユニークな雑貨、お菓子といった、視覚的に魅力的で比較的低価格な商品との相性が良いとされています。特に、動画で動きや変化を見せることで魅力が伝わりやすい「実演販売向き」の商品は、TikTok Shopでの成功確率が高いでしょう。例えば、驚くほど汚れが落ちる洗剤や、塗った瞬間に色が変わるリップなどがその典型です。

2-4. 広告・プロモーション用の機能として使うパターン

 オーガニックな(自然発生的な)投稿やライブ配信だけでなく、広告機能やアフィリエイトプログラムを組み合わせることで、より戦略的に売上を伸ばすことが可能です。これらは、まだ自社を知らない潜在的な顧客層にアプローチするための強力な手段となります。

TikTok Shop広告をどう使う?

 TikTokでは、「TikTok Shopping Ads」というECに特化した広告フォーマットが用意されています。これは、ライブ配信やショッパブル動画をそのまま広告として配信できる機能です。年齢、性別、興味関心などでターゲットを細かく設定し、自社の商品に興味を持ちそうなユーザーにピンポイントで情報を届けることができます。オーガニック投稿だけではリーチできなかった層にもアプローチできるため、新規顧客の獲得やブランド認知度の向上に大きく役立ちます。

出店だけでなく販促にどう活かすか

 もう一つの強力な販促手法が「TikTok Shopアフィリエイト」です。これは、影響力のあるTikTokクリエイターに自社の商品を紹介してもらい、そのクリエイターの投稿経由で商品が売れた場合に、売上の一部を報酬として支払う仕組みです。企業は多くのクリエイターと提携することで、自社だけでは作れない多様な切り口のコンテンツを通じて、商品を広く宣伝できます。成果報酬型のため、広告費用をかけずにリスクを抑えながら販売チャネルを拡大できる点が大きなメリットです。

3. 出店・導入の流れ:まずはここから準備をしよう

 TikTok Shopへの関心が高まっていても、実際にどこから手をつければよいのか分からないという方も多いのではないでしょうか。この章では、TikTok Shopへの出店から運用開始までの具体的なステップを、順を追って分かりやすく解説します。アカウントの開設から、コンテンツ配信の流れの構築まで、スムーズにスタートを切るための準備を進めていきましょう。

3-1. アカウントと事業者登録を整える

 TikTok Shopの利用を開始するには、まず出店者としてのアカウント登録と事業者情報の申請が必要です。個人のTikTokアカウントとは別に、ビジネス用のアカウントを用意し、プラットフォームの審査を通過しなければなりません。申請には事業に関する情報や書類の提出が求められるため、あらかじめ手元に揃えておくと手続きが円滑に進みます。

事前に押さえておきたいチェック項目

 出店申請は「TikTok Shop Seller Center」から行います。申請プロセスで慌てないよう、以下の項目を事前に確認し、必要な書類や情報を準備しておきましょう。特に、法人の場合と個人事業主の場合で必要書類が異なる点には注意が必要です。

出店申請に必要な情報・書類リスト
項目準備するもの(一例)注意点
事業者情報
  • 【法人の場合】登記簿謄本に記載の会社名、法人番号、代表者情報など
  • 【個人事業主の場合】開業届に記載の屋号、氏名、住所など
登録する情報は、提出する公的書類と完全に一致している必要があります。
本人確認書類
  • 【法人の場合】代表者の運転免許証、パスポート、マイナンバーカードなど
  • 【個人事業主の場合】事業主本人の同上書類
有効期限内のものを準備してください。書類の画像は鮮明に撮影する必要があります。
銀行口座情報 事業用の銀行口座(普通預金)の通帳やキャッシュカード売上金の振込先として登録します。個人名義ではなく、法人名義または屋号付きの口座が推奨されます。
店舗情報 ショップ名、販売する商品のカテゴリ、連絡先(電話番号・メールアドレス)などショップ名は後から変更できない場合があるため、慎重に決定しましょう。
各種規約の同意 利用規約、プライバシーポリシー、禁止商品リストなど申請前に必ず内容を熟読し、自社の商品や運用方針が規約に違反しないか確認することが重要です。

 これらの準備が整ったら、Seller Centerの指示に従って情報を入力し、書類をアップロードします。申請後、TikTokによる審査が行われ、通常は数営業日以内に結果が通知されます。無事に審査を通過すれば、いよいよショップの開設準備へと進むことができます。

3-2. 投稿・ライブ・動画配信の体制を整える

 アカウントの審査が完了しても、商品を登録しただけでは売上にはつながりません。TikTok Shopで成果を出すためには、その魅力を伝えるための動画投稿やライブ配信といったコンテンツが鍵を握ります。誰が、いつ、どのような内容を発信するのか、社内での運用体制をあらかじめ構築しておくことが成功への第一歩です。

初めての配信・投稿で気を付けること

 初めてのコンテンツ制作では、完璧を目指すよりもまず「やってみる」ことが大切です。しかし、最低限押さえておきたいポイントがいくつかあります。特にライブ配信はリアルタイムでのやり取りが発生するため、事前の準備がクオリティを大きく左右します。

  • 目的を明確にする:その投稿や配信で「何を伝えたいのか」「視聴者にどうしてほしいのか」(例:商品の魅力を伝える、フォロワーを増やす、購入につなげる)を決めましょう。
  • 配信環境を整える:視聴者が見やすいように、十分な明るさ(照明)、クリアな音声(マイク)、整理された背景を確保しましょう。スマートフォンのカメラでも問題ありませんが、三脚で固定すると安定した映像になります。
  • 簡単な台本を用意する:話す内容や紹介する商品の順番など、大まかな流れを書き出しておくだけで、スムーズに進行できます。視聴者からの質問を想定したQ&Aを用意しておくのも有効です。
  • 事前告知を行う:ライブ配信の日時が決まったら、TikTokの他の投稿やSNSで事前に告知し、視聴者を集めましょう。カウントダウン機能なども活用できます。
  • コミュニケーションを大切にする:ライブ配信の醍醐味は、視聴者との双方向のコミュニケーションです。寄せられたコメントには積極的に反応し、質問には丁寧に答えましょう。

継続して運用するためのスケジュール設計

 TikTok Shopの運用は、短期的な取り組みではなく、継続することでファンを増やし、売上を安定させていくものです。そのためには、無理のない範囲で継続できるスケジュールを設計することが欠かせません。コンテンツの企画から効果測定までの一連の流れをチームで共有し、役割分担を明確にしましょう。

 以下に、週単位での運用スケジュール例を示します。

週間運用スケジュール(例)
曜日担当タスク内容
月曜日企画チーム週次の定例会議。前週のデータ分析と振り返り。今週の投稿・配信内容の企画立案。
火曜日制作チーム企画に基づき、ショート動画の撮影。ライブ配信の台本作成とリハーサル。
水曜日制作チーム撮影した動画の編集作業(テロップ、BGM挿入など)。
木曜日運用担当編集済み動画の投稿(1本目)。ライブ配信の事前告知投稿。
金曜日配信者・運用担当夜の時間帯にライブコマースを実施。視聴者とのコミュニケーション、商品販売。
土曜日運用担当編集済み動画の投稿(2本目)。コメントへの返信対応。
日曜日運用担当コメントへの返信対応。次週の企画に向けた情報収集(トレンド調査など)。

 このようなスケジュールをベースに、自社のリソースに合わせて調整していくことが大切です。「誰が」「いつまでに」「何を」やるのかを可視化することで、担当者間の連携がスムーズになり、計画的なアカウント運用が実現します。

4. 運用・改善で成果を出すために知っておきたいこと

 TikTok Shopへの出店は、あくまでビジネスのスタートラインです。継続的に売上を伸ばし、多くのファンを獲得していくためには、日々の運用とデータに基づいた改善活動が欠かせません。しかし、ただ闇雲にコンテンツを投稿するだけでは、なかなか成果に結びつかないのが実情です。この章では、安定したショップ運営と成果の最大化を目指す上で、特に押さえておきたい運用・改善のポイントを具体的に解説します。

4-1. 注意したい“落とし穴”とその回避方法

 TikTok Shopは新しいプラットフォームであるがゆえに、知らず知らずのうちに規約違反を犯してしまったり、予期せぬトラブルに巻き込まれたりするケースも見られます。アカウントの健全性を維持し、長期的なビジネス成長を実現するためには、潜在的なリスクを事前に理解し、適切な対策を講じることが重要です。ここでは、運用フェーズで直面しがちな代表的な“落とし穴”とその具体的な回避方法を見ていきましょう。

規約・禁止商品・トラブル対応など

 アカウントの健全性を保ち、顧客からの信頼を得るためには、プラットフォームのルールを正しく理解し、誠実な対応を心がけることが大切です。特に注意すべき点を以下の表にまとめました。これらの項目はアカウント停止に直結する可能性もあるため、常に意識して運用にあたりましょう。

落とし穴の種類具体的な内容回避・対応策
規約違反によるペナルティ誇大広告(「必ず痩せる」など効果を保証する表現)、医療品と誤認させる表現、他者のコンテンツの無断使用(BGMや映像など)。
これらは違反スコアとして累積され、一定数に達すると機能制限やアカウント停止の対象となります。
TikTok Shopのポリシー(特にコミュニティガイドラインや広告ポリシー)を定期的に確認し、常に最新のルールを把握します。商品紹介では客観的な事実に基づいた表現を徹底し、使用する素材の権利関係は必ずクリアにします。
禁止商品の出品医薬品、タバコ、武器類などの明確な禁止物のほか、ブランド品の模倣品や、安全性が確認できない美容・健康器具なども対象です。出品前に、TikTok Shopが定める禁止商品リストを必ず確認します。少しでも疑わしい商品は、出品を控えるか、公式のサポートに問い合わせるのが賢明です。
顧客とのトラブル「商品が届かない」「写真と実物が違う」「不良品だった」といった配送や品質に関するクレーム。対応が遅れたり不誠実だったりすると、低評価レビューに繋がり、ショップ全体の信頼を損ないます。迅速かつ誠実なコミュニケーションが鍵となります。問い合わせには24時間以内の返信を目標とし、事実確認の上で交換・返金などの対応を丁寧に行います。あらかじめ対応フローや返信テンプレートを用意しておくとスムーズです。
ライブ配信や動画での炎上不適切な発言、差別的な表現、視聴者を不快にさせるようなパフォーマンス。一度炎上すると、ブランドイメージの回復には多大な時間と労力がかかります。配信前に内容や台本を複数人でチェックする体制を整えます。不適切なコメントへの対応ルールを事前に決め、冷静に対処できるように準備しておくことも重要です。

拡張する一方で「制御」も必要

 TikTok Shopの運用は、コンテンツを投稿し続けるだけでは成果に結びつきにくいのが現実です。多くの機能が拡張され、自由度が高い一方で、データを基にパフォーマンスを「制御」し、戦略的に改善していく視点が求められます。感覚的な運用から脱却し、客観的な数値に基づいて次のアクションを決めることが成功への近道です。

 具体的には、TikTok Shopの管理画面である「セラーセンター」で確認できるデータをフル活用します。見るべき主な指標と、それらを基にした改善アクションの例は次の通りです。

分析する指標指標が示すこと改善アクションの例
インプレッション数コンテンツ(動画やライブ)がユーザーの「おすすめ」フィードなどに表示された回数。認知拡大の基礎となる数値です。ハッシュタグの見直し、トレンドの音源の活用、投稿時間帯の変更などを試します。競合アカウントの動向を分析するのも有効です。
クリック率(CTR)表示されたコンテンツが、どれだけクリック(タップ)され、商品詳細ページへ誘導できたかを示す割合。コンテンツの魅力度を測る指標です。動画の冒頭3秒で興味を引く構成にする(いわゆる「ツカミ」の強化)、サムネイルやタイトルをより魅力的で分かりやすいものに変更する、といった工夫が考えられます。
コンバージョン率(CVR)商品ページを訪れたユーザーのうち、実際に購入に至った割合。売上に直結する最も重要な指標の一つです。商品ページの画像や説明文をより分かりやすく改善する、ライブ配信中に購入のメリットや限定感を強調する(例:「今から10分間限定クーポン」)、レビューを充実させる、といった施策が有効です。
平均視聴時間・視聴維持率動画やライブが平均してどれくらいの時間見られているか、またどの時点で離脱が多いかを示します。視聴者が離脱している箇所を分析し、動画のテンポを上げたり、飽きさせないテロップや効果音を入れたりします。ライブではコメントを積極的に拾い、双方向性を高めることで視聴者のエンゲージメントを維持します。

 これらの指標を定期的にチェックし、「計画(Plan)→実行(Do)→評価(Check)→改善(Action)」のPDCAサイクルを回していくことが、売上を安定的に伸ばすための確実な方法です。まずは週に一度、データを振り返る時間を設け、小さな改善を積み重ねていくことから始めてみましょう。

まとめ

 本記事では、注目が集まるTikTok Shopの仕組みから具体的な出店方法、そして成果を出すための活用パターンまでを網羅的に解説しました。

 TikTok Shopは、単に商品を並べる従来のECサイトとは異なり、ショート動画やライブ配信といったエンターテインメント性の高いコンテンツを通じて、ユーザーの購買意欲を自然に引き出す「発見型コマース」を実現するプラットフォームです。この「楽しみながら商品と出会う」という新しい体験が、特に若年層から高い支持を集めている理由です。

販売手法には、臨場感あふれる「ライブコマース」、動画内に購入導線を設置する「ショッパブル動画」、カタログのように使える「ショップページ」など複数のパターンが存在します。自社の商材やターゲット層の特性を見極め、これらの機能を戦略的に使い分けることが成功の鍵となります。

 これからTikTok Shopの導入を進める事業者は、アカウントの準備や規約の確認はもちろんのこと、継続的に魅力的なコンテンツを配信するための運用体制を整えることが不可欠です。本記事で解説したポイントを踏まえ、新たな販売チャネルとしてTikTok Shopの活用を始めてみてはいかがでしょうか。

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この記事を書いた人

FC編集部

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