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自動車販売店の広告戦略 ~中古車も新車も売れる集客方法とは~

WEBマーケティング

マーケティング手法

  • 2025年7月10日
  • 2025年7月10日

今回のテーマは「自動車販売」です。

自動車販売といっても、中古車と新車ではその販売方法や訴求方法が違いますよね?更に言えば、価格帯も高く、多くの自動車販売店がひしめく中で、効果的な広告戦略が分からず集客に悩むケースも少なくありません。

そこで今回は、中古車・新車販売で成果を出すための具体的な広告手法を取り上げてみました。Google広告やSNS、チラシといった各媒体の特徴から、費用対効果の高い運用ポイント、実際の成功事例などをご紹介。

自動車販売における広告成功の鍵は、価格競争に陥らず、顧客との信頼を築いて来店へつなげる仕組みづくりにありますので、そこを重点的に解説します。

自動車販売店が広告を打つべき理由とは?

スマートフォンの普及により、顧客はいつでもどこでも簡単に車の情報を収集し、比較検討できるようになりました。

さらに、口コミなどが手軽に書き込みやすく、評価の数や高さによって選定されてしまう現代において、数多くの自動車販売店の中から自社を選んでもらうためには、ただ待っているだけでは不十分です。ここでは、なぜ今、自動車販売店が積極的に広告を打つべきなのか、その理由を詳しく解説します。

競合が多く「選ばれる理由」を伝える必要性

自動車販売業界は、メーカー直営の正規ディーラー、全国展開の大手中古車販売店、そして地域に根差した中小規模の販売店まで、数多くのプレイヤーがひしめき合う、きわめて競争の激しい市場です。

顧客はインターネット上で複数の店舗の在庫や価格、サービスを瞬時に比較できます。このような状況下で、自社の存在をまず知ってもらい、他店との違いや独自の強みを明確に伝えなければ、顧客の選択肢にすら入ることができません。

例えば、以下のような「選ばれる理由」を広告を通じて発信することが重要です。

  • 特定の車種(SUV、ミニバン、軽自動車など)に特化した豊富な品揃え
  • 経験豊富な整備士による徹底した納車前整備と手厚いアフター保証
  • 購入後のカスタムやメンテナンスまで一貫して任せられる技術力
  • 女性や初心者でも安心して相談できる、親しみやすいスタッフと店舗の雰囲気
  • 他店にはない独自の仕入れルートによる、希少車や高品質な車両の在庫

広告は、こうした自社ならではの魅力を、車を探している潜在顧客に直接届けるための最も効果的な手段なのです。

「指名検索」される前の比較検討層へのアプローチが鍵

顧客が車を購入するまでの行動は、大きく分けていくつかの段階があります。店舗名で検索する「指名検索」は、すでに来店や購入の意思が固まった最終段階の行動です。しかし、多くの顧客は、その前の「比較検討段階」でどの店舗を訪れるかを決めています。

つまり、「〇〇(店舗名)」で検索されるのを待つのではなく、「地域名+中古車」や「車種名+価格」といったキーワードで検索している段階のユーザーに、いかに自社をアピールできるかが、集客成功の分かれ目となります。

下の表は、顧客の検討フェーズと、それに対する広告の役割をまとめたものです。

 

顧客の検討フェーズユーザーの検索行動(例)広告の役割
認知・興味「SUV 人気」「家族向け 車」自社の存在や強みを広く知らせ、興味を持ってもらう。
情報収集・比較検討「〇〇市 中古車 おすすめ」「車種 中古 価格」具体的な在庫車やサービスの魅力を伝え、他社との比較で優位に立つ。来店候補に入れてもらう。
来店・購入「〇〇モータース 評判」「〇〇店 アクセス」来店への最後の後押しをする。営業時間や店舗の雰囲気を伝え、安心感を与える。

広告を活用することで、まだ購入する店舗を決めていない幅広い比較検討層にアプローチし、「この店も見てみよう」「一度話を聞いてみたい」と思わせることができます。この初期段階での接点作りが、最終的な来店と成約につながるのです。

自動車販売で使われる主な広告媒体と特徴

自動車販売の広告と一言でいっても、その手法は多岐にわたります。Web広告から昔ながらの紙媒体まで、それぞれに異なる特徴とターゲット層が存在します。自社の強みやターゲット顧客に合わせて、最適な広告媒体を組み合わせることが、集客成功への第一歩です。ここでは、自動車販売で主に使用される広告媒体とその特徴を詳しく解説します。

Google広告(検索連動型)で購入意欲の高い層を獲得

Google広告に代表される検索連動型広告(リスティング広告)は、ユーザーが検索エンジンで入力したキーワードに応じて表示される広告です。例えば、「中古車 世田谷区」「〇〇(車種) 新古車」といった具体的なキーワードで検索しているユーザーに対して、自社の広告を表示させることができます。

この広告手法の最大のメリットは、「今すぐ車が欲しい」「特定の車種について詳しく知りたい」と考えている、購入意欲が非常に高い顕在層に直接アプローチできる点です。車探しという能動的なアクションを起こしているユーザーに広告を見てもらえるため、Webサイトへのアクセスや、来店予約、問い合わせといった具体的な成果につながりやすい傾向にあります。

また、広告の表示回数やクリック数、コンバージョン数(成約数)といったデータを詳細に分析できるため、効果測定をしながら改善を重ねていくことが可能です。一方で、専門的な知識がないと効果的な運用が難しく、人気のあるキーワードはクリック単価が高騰しやすいという側面もあります。Webサイトからの集客を強化したい店舗や、特定のエリアや車種で強みを持つ販売店にとって、中心的な役割を担う広告手法といえるでしょう。

Instagram・TikTokで写真・動画を活かした魅力訴求

InstagramやTikTokといったSNSは、写真や動画(ビジュアルコンテンツ)を主役とした情報発信に最適なプラットフォームです。車の持つデザイン性や機能性、世界観を直感的に伝える力に長けており、従来の広告ではアプローチしにくかった潜在層への訴求に強みを発揮します。

Instagramでは、高品質な写真や洗練されたリール動画で、車のスタイリッシュな外観や高級感のある内装をアピールできます。一方、TikTokでは、車の便利な機能を紹介するショート動画や、スタッフが登場するコミカルな動画など、エンターテイメント性の高いコンテンツがユーザーの興味を引きつけます。これらのSNS広告は、年齢や性別、地域、興味関心などで細かくターゲットを設定できるため、狙った層に効率よく情報を届けることが可能です。

SNS広告の魅力は、写真や動画を通じて、車の持つ世界観やライフスタイルを伝え、潜在顧客の購買意欲を刺激できることです。「すぐに車を買うつもりはなかったけれど、この投稿を見て興味が湧いた」という流れを生み出し、未来の顧客を育てることができます。コンテンツを継続的に制作する手間はかかりますが、お店のファンを作り、ブランディングを強化する上で非常に有効な手段です。

ポータルサイト掲載の効果

中古車ポータルサイトは、自動車を探しているユーザーにとって定番の情報収集ツールです。多くの販売店の在庫車情報が一堂に会しており、ユーザーは地域や車種、価格帯といった条件で簡単に比較検討できます。

販売店にとっての掲載効果は、車を探している目的意識の明確なユーザーが多数集まるプラットフォーム上で、自社の在庫を効率的にアピールできる点にあります。自社サイトだけではリーチできない広範なユーザーに在庫車を見てもらえる機会が得られます。また、大手ポータルサイトが持つブランド力は、ユーザーに安心感を与え、掲載されている店舗への信頼にもつながります。

ただし、多くの競合他社と横並びで比較されるため、価格競争に陥りやすいという側面も持ち合わせています。他社との差別化を図るためには、写真の質を高めたり、車両状態の説明を丁寧に記載したりといった工夫が求められます

チラシ・折込広告で地域ユーザーへ直接アプローチ

新聞折込やポスティングによるチラシ広告は、古くからある手法ですが、今なお有効な広告媒体の一つです。特に、商圏が限定される地域密着型の自動車販売店にとっては、見逃せない選択肢となります。

この手法の強みは、商圏内のターゲット層にダイレクトに情報を届け、特定の期間やイベントへの即時的な集客を促せるという点です。「週末限定セール」や「初売りフェア」といった期間限定のイベント告知と相性が良く、手元に残る紙媒体であるため、家族で相談しながら検討してもらえる可能性もあります。また、インターネットをあまり利用しない中高年層やシニア層にも確実に情報を届けられる点は、Web広告にはない大きなメリットです。

一方で、Web広告と違って詳細な効果測定が難しく、デザイン費や印刷費、配布費用といったコストがかかります。若年層へのリーチが弱いという課題もありますが、Web広告と組み合わせることで、幅広い年齢層へアプローチする補完的な役割を担うことができます

効果的な広告クリエイティブと運用ポイント

自動車販売の広告において、ただ媒体に出稿するだけでは十分な成果は望めません。顧客の心を掴み、来店や問い合わせといった行動へと導くためには、広告クリエイティブ(広告に使用する写真、動画、テキストなど)の質と、それを最適化していく運用が極めて重要になります。ここでは、数多くの競合の中から選ばれるためのクリエイティブ作成と運用の具体的なポイントを解説します。

ビジュアル命!「外観・内装・走行シーン」の撮り方

自動車は高額な商品であり、顧客は購入前にできるだけ多くの情報を視覚的に得たいと考えています。特にWeb広告やポータルサイトでは、写真や動画の第一印象がクリック率や滞在時間を大きく左右します。顧客が「この車を実際に見てみたい」と感じるような、魅力的で誠実なビジュアルを準備することが成功の第一歩です。

撮影時には、以下のポイントを意識することで、車の魅力を最大限に引き出すことができます。

写真撮影の基本ポイント

写真は枚数が多ければ多いほど、顧客に安心感を与えます。最低でも20枚以上を目安に、様々な角度から撮影しましょう。特に中古車の場合、キズやへこみといったネガティブな情報も隠さずに撮影し、正直に開示することが、長期的な信頼獲得につながります。

 

撮影対象撮影のコツとポイント
外観

・基本の全体像(前方、後方、両サイド、斜め前後)は必ず押さえる。
・晴れた日の自然光の下で撮影すると、ボディのツヤや本来の色味が伝わりやすい。
・タイヤの溝の深さがわかる写真や、ホイールのデザインがわかるアップ写真を入れる。
・ヘッドライトやグリルのアップなど、車の「顔」となる部分を魅力的に見せる。

内装

・撮影前には徹底的に清掃し、清潔感を演出する。
・運転席に座った際の視界、後部座席の足元の広さ、荷室の容量など、実用性がわかる写真を加える。
・走行距離が確認できるメーターパネル、ナビやオーディオの画面、エアコンの操作パネルを鮮明に撮影する。
・シートのスレや汚れ、ハンドルの状態など、使用感が伝わる部分も正直に見せる。

装備・その他

・サンルーフ、ETC、ドライブレコーダー、スマートキーなどの人気装備は、それが装備されていることが明確にわかるように撮影する。
・エンジンルームを綺麗にして撮影することで、メンテナンスが行き届いている印象を与える。
・車検証や整備記録簿を写真で見せ、車両情報の透明性を高める。

動画活用のポイント

動画は、静止画だけでは伝わらない車の魅力を伝える強力なツールです。特に走行シーンやエンジン音は、顧客の購買意欲を大きく刺激します。

  • エンジン始動音・排気音:スポーツカーやカスタムカーなど、音に特徴のある車種では特に効果的です。
  • 走行シーン:街中や郊外のきれいな道を走行する映像は、顧客に購入後のカーライフを想像させます。手ブレの少ない、スムーズな映像を心がけましょう。
  • 機能紹介:パワースライドドアの開閉や、ナビの操作デモ、シートアレンジの方法などを動画で見せることで、利便性が直感的に伝わります。

「価格だけ」でない訴求が信頼獲得につながる

中古車市場では価格競争が激化しがちですが、「安さ」だけをアピールする戦略には限界があります。価格だけで選んだ顧客は、より安い店舗があれば簡単に乗り換えてしまうため、長期的なファンにはなりにくい傾向があります。そこで、価格以外の「価値」や「安心」を伝え、顧客との信頼関係を築くことが重要になります。

広告のキャッチコピーや説明文には、次のような訴求軸を盛り込みましょう。

 

訴求軸具体的なアピール文の例
品質・状態・【第三者機関鑑定書付き】修復歴のない極上コンディションの一台!
・前オーナー様が丁寧に乗られていた、禁煙・ワンオーナー車です。
・専門スタッフによる徹底した納車前整備で、安心のカーライフを。
保証・アフターサービス・業界最長クラスの「走行距離無制限・2年保証」が付帯します。
・ご購入後も安心!提携工場でのオイル交換が2年間無料。
・24時間365日対応のロードサービスで、万が一の時もサポート。
付加価値・専門業者によるボディコーティング施工済みで、輝きが違います。
・人気の純正オプション(ナビ、サンルーフ等)を多数装備。
・内外装クリーニング済み。清潔な状態ですぐにお乗りいただけます。

これらの情報を具体的に示すことで、「このお店なら信頼できる」「購入後も安心して任せられる」という印象を与え、価格以上の価値を感じてもらえます。

店舗紹介・スタッフ紹介で安心感を演出

車という高額な商品を購入する際、顧客は「何を」買うかだけでなく、「どこで」「誰から」買うかを非常に重視します。特に初めて利用する店舗に対しては、少なからず不安を抱いているものです。その不安を払拭し、安心感を与えるために、店舗やスタッフの紹介は極めて効果的です。

店舗紹介で伝えるべきこと

広告のランディングページや自社サイトに、店舗の魅力が伝わる情報を掲載しましょう。

  • 清潔感のある店舗写真:明るく整理整頓された商談スペースや、清潔な待合室、キッズスペースの写真を掲載し、顧客が来店しやすい雰囲気を作ります。
  • 整備工場の紹介:自社の整備工場(ピット)の写真を掲載し、「認証工場」「指定工場」といった資格を明記することで、技術力への信頼性をアピールできます。
  • アクセスの分かりやすさ:地図だけでなく、最寄り駅や主要な交差点からのアクセス方法を写真付きで解説すると、来店へのハードルが下がります。

スタッフ紹介で人柄を伝える

顧客は、機械ではなく「人」から車を買いたいと思っています。スタッフの顔や人柄が見えることは、絶大な安心材料となります。

  • 笑顔の顔写真とプロフィール:店長や営業担当、整備士の顔写真を掲載し、「〇〇が得意です」「趣味はキャンプです」といった親しみやすい自己紹介文を添えます。
  • 仕事への想いやメッセージ:「お客様一人ひとりに最適な一台をご提案します」「ご購入後のカーライフまで全力でサポートします」といった、仕事に対する誠実な姿勢を伝えるメッセージは、顧客の心に響きます。

こうした「人」の見える情報は、SNSでの発信とも相性が良く、継続的に行うことで店舗のファンを増やし、指名での来店や問い合わせにつながっていきます。

広告運用の成功事例3選

自動車販売の広告戦略は、ただ広告を出すだけでは成功しません。ここでは、Web広告やSNSを効果的に活用し、集客と売上向上を実現した3つの成功事例を具体的に解説します。自社の課題と照らし合わせながら、取り入れられるポイントを見つけてみましょう。

SNS投稿×インスタ広告で若年層集客に成功した地方店

多くの地方販売店が抱える「若年層へのアプローチ」という課題を、Instagramの活用で見事に解決した事例です。大手中古車販売店との差別化を図り、独自のファンを獲得することに成功しました。

この店舗では、これまで地域の情報誌やチラシが主な広告手段でしたが、若者の車離れや情報収集方法の変化に対応するため、SNS、特にビジュアル訴求に強いInstagramに注力しました。

 

施策項目具体的な内容
オーガニック投稿写真映えするカスタムカーや人気のSUV、おしゃれな軽自動車などを中心に、質の高い写真と動画を投稿。リール機能を使い、洗車や簡単なメンテナンス方法、ドライブ風景といった「カーライフ」を想起させるコンテンツを発信。
Instagram広告オーガニック投稿の中でも特にユーザーの反応が良い(いいね、コメント、保存数が多い)投稿を広告として配信。地域、年齢(20〜34歳)、興味関心(アウトドア、ファッション、旅行など)でターゲティングを絞り込み、広告費用を最適化。
コミュニケーションストーリーズの質問箱機能でユーザーからの質問に答えたり、DMでの問い合わせに迅速かつ丁寧に対応したりすることで、顧客との距離を縮め、信頼関係を築いた。

結果として、広告経由での来店予約が月間平均で5件以上安定して入るようになり、店舗の顧客層における20代〜30代の比率が以前の15%から35%へと大幅に向上しました。成功の鍵は、売り込み感を前面に出さず、憧れのカーライフを提案するようなコンテンツ作りと、精度の高いターゲティング広告を組み合わせた点にあります。

Google広告+ブログ活用で問合せ率UP

ポータルサイトへの掲載料にコストがかさむ一方で、自社サイトからの直接の問い合わせが伸び悩んでいた中古車販売店の事例です。購入意欲の高いユーザーを的確に自社サイトへ誘導する仕組みを構築しました。

この店舗の戦略は、すぐに購入したい「今すぐ客」と、情報を集めている段階の「そのうち客」の両方にアプローチする二段構えのWebマーケティングです。

施策1:Google検索広告による顕在層の獲得

「横浜市 中古車 おすすめ」「プリウス 燃費 中古」といった、購入意欲が非常に高いユーザーが使用するキーワードで検索広告を出稿。広告文には「全車保証付き」「地域密着のアフターフォロー」「オンライン商談可能」といった自社の強みを具体的に記載し、競合との差別化を図りました。さらに、広告表示オプションをフル活用し、電話番号や店舗所在地を直接表示させることで、ユーザーがすぐにアクションを起こせるようにしました。

施策2:ブログ(オウンドメディア)による潜在層の育成

「ファミリー向けSUV 比較」「中古車 失敗しない選び方」など、比較検討段階のユーザーが検索するキーワードを狙ったブログ記事を自社サイト内に作成・公開。記事内では、専門的な視点から車の選び方を解説し、自然な流れで自社の在庫車両を紹介しました。これにより、ユーザーに有益な情報を与えながら自社の専門性を示し、信頼を獲得することに成功。結果として自社サイト経由の問い合わせ件数が前年比で150%に増加しました。

この戦略により、広告からの直接的なコンバージョンだけでなく、ブログ記事が検索エンジンで上位表示されることによる資産性の高い集客チャネルも確立できました

YouTubeで車紹介動画→来店予約に直結した例

写真やテキストだけでは伝わりきらない車両の魅力を、動画を使って最大限にアピールし、来店率と成約率の向上に結びつけた事例です。特に、遠方の顧客や、来店前にじっくりと車両の状態を確認したいと考える慎重なユーザーから高い支持を得ました。

この販売店は、在庫車両1台1台に対して、丁寧な紹介動画を作成し、YouTubeチャンネルで公開する戦略を取りました。

 

動画コンテンツのポイント目的と効果
詳細な車両レビュー外装の傷やへこみ、タイヤの溝の状態、内装の隅々、エンジン始動音、ライトの点灯確認、装備の操作方法などを10分程度の動画で丁寧に解説。顧客が抱くであろう不安や疑問点を先回りして解消する。
スタッフによる顔出し解説店長や整備士が自ら出演し、専門的な知識を交えながら親しみやすい言葉で解説。誰が販売しているのか顔が見えることで、店舗への安心感と信頼感が格段に向上する。
明確な行動喚起(CTA)動画の概要欄に、該当車両の在庫情報ページのURL、問い合わせ用の電話番号、LINE公式アカウントへのリンクを必ず記載。動画の最後にも「詳細は概要欄からご確認ください」とアナウンスし、視聴後のアクションをスムーズに促す。

この取り組みの結果、問い合わせ全体の約3割がYouTube経由となり、特に遠方からの成約が著しく増加しました。動画で事前に車両状態を詳細に確認した上で来店するため、顧客の納得度が高く、商談から成約までの時間が短縮され、成約率も向上するという好循環が生まれています。「YouTubeの動画を見て来ました」という顧客は、すでに店舗に対して高い信頼を寄せているため、非常に良好な関係で商談をスタートできる点も大きなメリットです。

広告費の相場と費用対効果の考え方

自動車販売店が広告戦略を立てる上で、広告費の適切な配分と費用対効果の測定は成功の分かれ道となります。やみくもに予算を投下するのではなく、各広告媒体の費用感を理解し、効果を正しく評価する仕組みを整えることが重要です。ここでは、具体的な広告費の相場と、投資対効果を最大化するための考え方を解説します。

チラシ・Web広告の費用感比較

広告と一口に言っても、伝統的なオフライン広告から最新のWeb広告まで多岐にわたります。それぞれ費用構造や特徴が異なるため、自社の目的やターゲット層に合わせて選択・組み合わせる必要があります。主要な広告媒体の費用相場と特徴を以下にまとめました。

 

広告媒体別の費用相場と特徴
広告媒体費用相場課金方式特徴
チラシ・折込広告10万~50万円/回
(配布エリア・枚数による)
印刷費+配布単価商圏内のターゲットに直接リーチ可能。新聞購読者層など特定の年齢層に強い。Webに不慣れな層にも有効。
Google・Yahoo!広告
(リスティング広告)
月額10万~100万円以上クリック課金(CPC)「地域名+中古車」などで検索する購入意欲の高いユーザーに直接アプローチできる。少額から開始可能で、効果測定がしやすい。
Instagram・Facebook広告月額5万~50万円以上クリック課金(CPC)
インプレッション課金(CPM)
写真や動画で車の魅力を視覚的に伝えられる。年齢、性別、興味関心で詳細なターゲティングが可能。潜在顧客の掘り起こしに向く。
ポータルサイト
(カーセンサー・グーネット)
月額数万~数十万円月額固定費+成果報酬車を探しているユーザーが能動的に集まるため成約率が高い。一方で、価格競争に陥りやすい側面もある。

Web広告は、チラシなどのオフライン広告と比べて少額から始められ、リアルタイムで効果を測定しながら改善できるという大きな利点があります。まずは月額10万円程度の予算からスタートし、効果を見ながら予算を調整していく方法が一般的です。

CPA(1台あたりの獲得コスト)の算出と最適化方法

広告の費用対効果を測る上で最も重要な指標の一つが「CPA(Cost Per Acquisition)」です。これは「顧客獲得単価」を意味し、1件のコンバージョン(成果)を獲得するために、いくらの広告費がかかったかを示します。

CPAの基本的な計算式

自動車販売におけるコンバージョンは、最終的な「車両成約」のほか、「来店予約」「見積もり依頼」「電話問い合わせ」などが設定されます。CPAの計算式は非常にシンプルです。

CPA = 広告費用 ÷ コンバージョン数

例えば、1ヶ月に30万円の広告費をかけて、広告経由の来店予約が10件獲得できた場合、来店予約1件あたりのCPAは「30万円 ÷ 10件 = 3万円」となります。このCPAが、許容できる範囲内に収まっているかどうかが、広告運用を継続するかの判断基準になります。

広告効果を最大化するCPA最適化のポイント

算出したCPAが高いと感じた場合、それを改善(最適化)していく作業が求められます。CPAを最適化することは、同じ広告予算でより多くの成果を生み出すことにつながります。具体的な方法は以下の通りです。

  • ターゲティング精度の向上
    広告を配信するエリア、年齢、性別、興味関心などをより細かく設定し直します。例えば、ファミリーカーを探している層にはミニバンの広告を、若年層にはコンパクトカーやスポーツカーの広告を配信するなど、見込みの薄いユーザーへの広告表示を減らし、関心の高い層に予算を集中させます。
  • キーワードの選定と除外(リスティング広告)
    リスティング広告では、成約につながる「買う気」のあるキーワード(例:「自動車 中古 〇〇市」「車種 見積もり」)を強化し、「修理」「カタログ」といった購入意欲の低いキーワードを除外設定することで、無駄なクリックコストを削減できます。
  • 広告クリエイティブのA/Bテスト
    同じ車種の広告でも、写真の角度やキャッチコピー、訴求内容(価格、低走行、装備の充実など)によってユーザーの反応は大きく変わります。複数のパターンの広告を配信して効果を比較(A/Bテスト)し、クリック率やコンバージョン率の高い「勝ちパターン」を見つけ出すことがCPA改善の近道です。
  • ランディングページの改善
    広告をクリックした先のページ(車両詳細ページや店舗紹介ページ)の質もCPAに直結します。ページの表示速度が遅い、情報が分かりにくい、問い合わせフォームが入力しづらいといった問題は、ユーザーの離脱を招きます。車両の魅力的な写真や詳細なスペック、問い合わせボタンの分かりやすい配置など、ユーザーがストレスなく行動できるページ作りを心がけましょう。

これらの最適化作業を地道に繰り返すことで、広告の費用対効果は着実に向上していきます。まずは自社のCPAを正しく把握することから始めてみましょう。

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まとめ

いかがだったでしょうか。自動車販売の広告戦略では、Google広告やチラシなど多様な媒体を組み合わせることが求められます。

しかし、単に情報を発信するだけでは数ある競合の中に埋もれてしまうでしょう。大切なのは、詳細な写真や動画、スタッフ紹介を通じて顧客から「このお店にお願いしたい」という気持ちを抱いてもらうだけの「信頼」を勝ち取ることです。

その上で、興味を持ったユーザーをすぐさま来店予約や問い合わせに導く「即決導線」を設計しなければ、成果に結びつかないケースも少なくありません。この2つが、広告効果を最大化する鍵となります。

この記事を書いた人

FC編集部

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